
絶対に起こしてはいけない子供の命にかかわる事故。もちろん年間を通してそのようなことが起こらないように気を付けるべきですが、中にはある特定の季節に発生してしまうことが多いため、特にその時期には気を付けなくてはいけないものもあります。
東京都消費生活部によると、5月は子供のベランダからの転落事故が多く発生する月だそう。今回は転落事故が起きてしまう背景や防止策について紹介していきます。
5月はベランダからの転落事故が多発
5月は空調なしでも過ごしやすく、ベランダの出入口や窓の開閉が多くなる季節であり、子供の転落事故が多発しています。同じ理由から10月も事故が多いようです。また、事故は1~5歳に比較的多く起こっており、 東京都では注意喚起を発信しています。

※東京消防庁 「こどもが住宅等の窓・ベランダから墜落する事故に注意! 」より
転落事故が起こった実際の事例を見てみると、自宅の2階のベランダで台に乗って遊んでいた際に柵を飛び越えて転落した、親が外出中に2階のベランダを乗り越え柵にぶら下がったあと足から落ちた、という事例があげられました。
なぜ事故が起こってしまうのか
ベランダからの落下事故が起こってしまう状況としては、子供をベランダで遊ばせていた、少しの間子供を部屋で一人にさせていた、といった状況が多いそうです。
子供はベランダの外の様子に興味をひかれ、柵をよじ登ってしまうことがあるため、東京都では「ベランダの手すりに関する実験」を実施。実験では、2・4・6歳児がそれぞれ110cm の高さの手すりを使ってベランダの柵の高さを乗り越えられることが分かりました。

事故を起こさないためには
では、子供のベランダからの落下を防ぐためにはどうしたら良いのでしょうか。東京都では、事故を防止するためのベランダ周辺環境の見直しの方法として以下のポイントをあげています。
・ベランダの柵の近くにプランター、椅子など 子供の「足がかり」になるような物を置かない。

・ベランダにエアコンの室外機を置く場合は柵から60cm以上離すか、上から吊るすなど、 設置場所に注意する。

・ベランダの出入口に子供の手の届かない高さの補助錠を設置し、しっかりと施錠する。

また、保護者の見守りや子供への教育も重要とし、以下のポイントをあげました。
・ベランダのある部屋に、短時間でも子供を一人にしない。
・子供だけ家に残して外出しない。
・子供だけでベランダに出さない、遊ばせない。
・子供にベランダからの転落の危険性について日頃から教える。
いかがだったでしょうか。子供のベランダからの転落事故が多く発生する5月。十分に注意し、絶対に事故が起こらないようにしていきましょう。