近年、経済のしわ寄せなのか?時代の変化なのか?フリーターどころか、無職の2,30代大人が増えているようです。そんな無職の大人の中には「実家で暮らしている」という人も少なくありません。「実家で暮らすと家賃、光熱費、食事代がゼロという居心地の良さが、無職にピリオドを打てずにズルズルとしちゃう」なんて言う人も結構いるようです。
困るのは親側。定年間近世代も多いようで「年金だけで暮らしている自分達が子どもの面倒まで見るのはきつい…でも、自分の子どもだし、放り出すわけにもいかない…」と頭を悩ますとの声も聞こえてきます。しかし、定年間近の親にとっては、再就職どころか、アルバイトだってなかなか難しいというのが現実。
そんな時、一つの方法として、国の制度を使う事ができます。子どもが失業した時に使えそうな国の制度をいくつかご紹介します。
税金を少しでも減らしたい・・・「扶養控除」
https://www.nta.go.jp/index.htm
成人し、一度は扶養から外した子供でも、低収入・無収入の場合、親の扶養家族にすれば、所得税・住民税あわせれば10万円程度の還付が受けられることもあります。方法は、「扶養控除等届出書」を自分の対象となる子どもの名前を書いて提出するだけ。また、書類を提出した後に扶養控除を受けたい場合は後で確定申告をすれば払った税金は取戻せます。
扶養家控除は、6親等以内の血族、3親等以内の姻族まで対象にできるので、収入の少ない親類縁者の面倒を見ていれば、控除申請をすることができます。
年度の途中で退社した・・・「所得税の還付」
在職中、給与から引かれる(源泉徴収)所得税は、一年間同じ程度の収入が続くという想定のもとに課税されます。ですので、12月までの間に退職して、その後、再就職しなかった場合は、見込みの年収より低くなりますよね。だから、その分の税金が安くなるので確定申告をすれば税金が戻ってくるのです。(例外もありますのでご確認を)
また、失業中に雇用保険の失業給付を受けている場合はどうなるの? と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、失業給付金は非課税所得になるので、確定申告で所得として申告する必要はありませんよ。
雇用保険がもらえない・・・「職業訓練受講給付金」
雇用保険を受給できない求職者(受給を終了した方を含む)は、ハローワークの行っている職業訓練を受講し、且ついくつかの条件をクリアすると、職業訓練期間中の生活を支援するための給付を受けることができます。条件は以下の通り。
1.本人収入が月8万円以下
2.世帯全体の収入が月25万円以下
3.世帯全体の金融資産が300万円以下
4.現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
5.ハローワークの行う職業訓練全ての訓練実施日に出席していること
(*各訓練期間の8割以上出席していること)
6.同世帯の中に同時にこの給付金を受給して訓練を受けている人がいない
7.過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けたことがない
このシステムは、お金がもらえるだけでなく、資格を取ったり、技術を手に入れることもできる一石二鳥な制度。手続きは、ハローワークで行えます。
「若いなら働くところはいっぱいあるはずだろう」という声が聞こえてきそうですが、バブルの頃とはわけが違うようです。就職は狭き門、リストラも珍しい話ではありません。ヘッドハンティングでなければ、すぐに働き口を手に入れるなんてことは、なかなか難しい昨今。少しでもお金が手にできる制度を確認してみてください。