インフルエンザの季節になった。今年も…
このインフルエンザウイルスについては案外誤解される部分がある。というのは、病原体というと「菌や細菌」も同時にイメージしてしまうことから、インフルエンザのことを「菌」と言ってしまう人が多いのだ。
ウイルスと菌や細菌の決定的な違いは、自分で増殖できるか、出来ないかだ。インフルエンザに代表されるウイルスの基本的な構造は、その設計図とも言える遺伝子を、たんぱく質の殻(キャプシド)が覆うようになっている。
このたんぱく質の殻によって運搬されたウイルスは、特定の生物の細胞に感染すると、宿主の細胞の様々な分子や機能を利用して、自分の遺伝子を量産していくのだ。これは感染した生物の力を借りているというよりむしろ、完全に世話になっているのである。
あれ?これって何かに似てないか?そんな気づきを抱く読者もいるかもしれない。そう、女性の優しさに甘え、養ってもらう「ヒモ男」である。持って生まれた天性の甘え技術、優しさ、そしてだらしなさという魅力。それらを駆使して女性の自宅に住み着き、そこで生活を成立させてしまう男。これがヒモ男であり、どうしてもウイルスの仕組みに似ているような気がしてならないのだ。
ウイルスには潜伏期間というものが存在する。インフルエンザならば、感染してから実際に症状が表れるまで1~3日かかる。ヒモ男にも潜伏期間はある。感染から数ヶ月後、デートをするたびにお金を払わせられていることに気づく。気が付いた時には、家に転がり込まれているなんてことも…
またウイルスの場合、感染していても症状が出ない場合がある。ウイルスと宿主がうまく両者が共存している場合だ。ヒモ男の場合はどうか。ネット上に出回っている情報を見てみると、意外にもヒモ男に感染した女性が困っているというケースは少ない。それよりも、奴らの可愛さや健気さ、優しさに惹かれ、うまく共存しているケースが多くあるのだ。つまりは無症状だ。
そういえば、ウイルスの構造のひとつに「ひも状粒子」というものがある。すべてのウイルスに共通というわけではないが、殻となるたんぱく質が「ひも」のように細長い構造だ。あれ?ひも状粒子…ヒモ…女性に依存し生活をする男の語源はここに由来するだろうか。いやいやそんなはずはない。
ともかくも、今年の冬もインフルエンザウイルスにご用心
Newton(ニュートン) 2015年9月号では、パンデミック(世界的な大流行)な兆しをみせる新興感染症が紹介されている。お隣、韓国で流行した“MERZ”などは記憶に新しく他人事ではない。用心のためにマスクぐらい用意しておこうと、鞄を探ると出てきたのは「花粉症用のマスク」。ちなみに、これでは微細なウイルスは防げない。…ウイルス専用のマスクも常備しなければ。