現在、円安や物価高騰に加え、SDGsへの注目、根強く続くコロナ禍といった様々な影響により、人々の消費傾向やライフスタイルに変化が現れているようです。
今回、デジタルマーケティング事業を行なう株式会社タイムカレントでは、個人の消費やライフタイルがどのように変化しているのかを調査するために、2022 年 6 月 23 日~24 日の期間で全国の 20~69 歳 1000 名を対象に「消費・ライフスタイルに関する調査」を実施。様々なことが明らかになりました。
消費・ライフスタイルに関する調査
① 2 人に 1 人がこれまでの消費行動を変える意向
調査ではまず、「商品やサービスなどの選び方を変えたり、変えたいと思ったか」と質問。すると、約半数となる52.1%がYESと回答。円安や物価高騰、エシカル消費(社会的課題の解決を考慮して消費活動を行うこと)の浸透、アフターコロナに向けて、消費者の「選び方」に変化があることが分かりました。
商品やサービスの選び方を変えた・変えたいと回答した方に理由を聞くと、以下のグラフのような結果に。より良い商品・サービスへの乗り換えで、自分らしいライフスタイルに変えたいという傾向があるようです。
また、「商品やサービスの選び方を変えた・変えたい」と回答した方に、新型コロナや SDGsムーブメントがどの程度影響しているかを聞くと、新型コロナに関しては計52.9%が、SDGs に関しては計 34.3%の人が影響を受けているという結果になりました。
②選び方を変えたものは?また、変えていないものは?
次に、実際に選び方を「変えたい」、「変えた」と回答した方に、そのジャンルを質問。「変えたい」と思ったものは「趣味・レジャー」が最多、次いで「投資」、「友人との付き合い方」という結果に。実際に「変えた」ものは「投資」が最多、次いで「友人との付き合い方」、「趣味・レジャー」という結果となり、政府が「貯蓄から投資」への政策を推し進めていることや、新型コロナの影響がうかがえる内容となりました。
逆に、「選び方を変えたいと思ったもの・変えたもの」という質問で下位になったジャンルは以下のような結果に。レンタカーなどの「レンタル系サービス」、「シェアリングサービス」や、「駐車場代」「自動車保険」がランクインしており、変え方の難しさや手間などのためか、自動車関連は手つかずの人が多いことがわかりました。また、教育サービスは、世相が変わってもむしろ意識して変えていないようです。
③「エシカル」や「タイパ」を重視した商品選びが今のトレンド
続いて、消費者は今後どのようなものを選んでいくのか、「環境」「SDGs」に焦点を絞り調査。37.0%と、約 3 人に 1 人が環境にやさしいものや SDGs を意識して選ぶようになったと回答しました。ジャンルでは「食品」が最も多いという結果に。エシカル消費への関心の高まりにより、「食品」をはじめ、乗り換え消費が進んで行くことが予想されます。
エンタメ系コンテンツの選び方・楽しみ方について聞くと、「評判を見てからコンテンツを選ぶ」と回答した方が約 4 割となり、「失敗したくない」という意識がうかがえるほか、4 人に 1 人が「2 倍速などで動画を見る」、「ネタばれを見てからコンテンツを選ぶ」と回答するなど、短い時間で高い成果を得たいという、「タイパ」(タイムパフォーマンス)を意識していることがわかりました。
④今後は「コスト」と「自分の好み」とのバランスが選び方のポイントに
商品やサービスの選び方は新型コロナウイルス感染症や物価上昇、SDGs などの影響を受け、様々に変化。約 4 割の方が「コストも気にしつつ、自分の好み、価値観にあった選び方が強まっていく」と考えているようです。
経済・経営コンサルタントのプロ・坂口孝則氏が解説。「換え活」がこれからのトレンドに。
現代は VUCA(予測不能な時代)といわれます。まさにコロナ禍や急激な値上がりは象徴的です。そのなかで商品を選ぶ軸が大きく変化しています。人気がある、コスパがよい、自慢できる、といった志向から、SDGs やタイパなどより良い社会や生き方を求める傾向への変容です。
限られた時間と収入をいかに振り向けていくか。商品が良ければいい時代(消費 1.0)から、消費者が満足すればいい時代(消費 2.0)を経て、商品選択によって自分を社会もよりよくしていく時代。これは消費 3.0 といってもいいでしょう。自律的な選択によって商品を選ぶ。まさに現在は「換え活」が必要な時代です。
ファイナンシャルプランナー 飯村久美氏も「換え活」の兆しを実感。
最近、ファイナンシャルプランナーのもとに相談に来られる方は、家計を気にしながら商品やサービスの選び方を見直したいという人が増えてきており、「換え活」ムーブメントの高まりを感じつつあります。私がおすすめしたい「換え活」は、このところの物価高を踏まえ、食品は「プライベートブランド」の利用を増やしたり、またオーガニックなものや環境に配慮されたものにもこだわるような選び方に換えることです。
家計の見直しをする時は、固定費から見直すとよいでしょう。固定費は自動引き落としになっているため、見直しのメスが入りにくい支出です。アンケートでも盲点になっていた自動車保険の見直しもおススメです。必要な補償を確認し、本当に自分に合ったサービスを探してみてはいかがでしょうか。
円安、物価高騰、 SDGsに対する動き、コロナ禍と、様々なことが起こる現代の世の中。自分らしく生きていくために、上手に「換え活」を行ってみてください。