「ムラサキパーク東京」がリニューアルオープン!製作者のプロスケーター立本和樹にインタビュー

2017/12/23
放送作家 小嶋勝美

12月10日、東京都足立区にある「ムラサキパーク東京」の屋内スケートパークがWorld Cup Skateboarding Japan FINAL開催に合わせ、プロスケーター立本和樹プロデュースによりリニューアルオープンした。

そこで今回、新しくなったムラサキパーク東京でパーク設計から施工まで行った立本和樹プロにリニューアルしたスケートパークについて伺ってみた。

立本和樹プロにインタビュー

※ムラサキスポーツ契約ライダーであり、自身のブランドTUFLEGでも活動する立本和樹プロ

 

リニューアルオープンおめでとうございます、制作にはどのくらいの時間がかかったのですか?

「1か月くらいですかね、9割一人で作りました。図面とかも書くんですけど、実際にセクションから次のセクションまでの最適な距離とかは(スケート)やってる人にしかわからないので、そう言った意味では一人の方がやりやすい部分もありました」

今回のリニューアルにあたって、コンセプトはありますか?

「もちろんRからストリートまで滑れるようにというのはコンセプトであるんだけど、さらに初心者の人たちも流れで遊べるようにというところ。

あと、飛ぶことを覚えて欲しいっていう思いがあって、テールを叩かないとトランジションに入れないような作りになってます。

やっぱりオーリーが出来るのと出来ないのとでは80パーセントくらい世界観が変わるから」

今回リニューアルしたパークの特徴を教えて下さい

「今のムラサキパークでライン(トリックを繋げて行う事)を考えた時に、さらに無限に近くなったかなと思います。

今までは、1つのラインの中で一区切りとなっていたセクションでも、(今回のリニューアルで)さらに次のセクションも攻められるという風に、相当(ラインの幅が)広がったかなと」

製作している間はどんなことを考えていましたか?

「まずは自分が滑って楽しいか楽しくないか。

そこにみんな(スタッフや専属ライダーなど)の意見を取り入れたりとか。

でも、それをまんま作るのではなく、そこにムラパーらしさを入れていく、それが理想かな」

苦労した点はありますか?

今はコンクリートパークが流行っているけど、いろんなセクションを作り変えられるのが木のパークの強み。

でも、木はコンクリートに比べたら柔らかいから強度を増しつつ、お金をかけないで作るという点。

スケートライト(スケート施設専用の滑走面用素材)入れちゃえば最強なんだけど、スケートライトは加工しづらかったりするから。

(ムラサキパーク東京の)室内セクションで使っているのはメソナイト(硬質繊維板の一種)に近いヨーロッパの家具とかによく使われるMDF(中密度繊維板)という素材を使っていて、これがコストの面でも加工のしやすさでも一番最強のような気が、しないでもないかな」

初めて作ったスケートパークは?

 

「福岡の古賀インターの近くにあるライブ・スケーツ古賀。15年くらい前かな?その次は和歌山にあった室内パーク、Pyxis(ピクシス)。もうなくなっちゃったけど」

パークを作るようになったきっかけは?

「22年以上前、福岡のMILK TEAっていうチームの人達とよく滑ってたんだけど、その中に藤武 敏明っていうプロスケーターがよくコンテストとかに出すセクションを作ってて「そんなの作れるんだ!?」って感じで手伝いに通うようになって、なんとなく覚えて地元の公園に作るようになるんだけど、それが最初かな。

でも、公園とかに勝手に置くから市役所の人とかが超でっかいハンマー持ってきて「ダメだから」って目の前で壊すわけ。

そしたら俺たちもまた金出し合って作る、でも工具なんてないから全部ノコギリで切って、全部釘で止めるみたいな。

アングルつけるのにも(当時は未熟で)ビスとか釘が出てて(スケートボードの)板が削れる、当時は貧乏だからショックだよね。じゃあ、そのビスの頭をどうしたらいいか、道具とかないから削るしかねぇみたいな。 で、その辺の石で削ったり(笑)

そのうちにだんだん理解出来るようになってきてコーキングでつけてみたりとか。

でも、結局また市役所の人に超でっかいハンマーで壊される。

それの繰り返し。

今の時代は「じゃあパーク作ってくださいよ」っていう関係が出来てきてるからいいよね」

1番気に入っているセクションは?

「ヒップのカーブ。あれは俺が滑りたかったから(笑)

でも難しい。もっとバンク面を長くしてゆったり作ることも出来たんだけど、あえて難しさを出そうと思って作った、そしたら本当に難しい!みたいな(笑)」

※リニューアル前

※リニューアル後

リニューアルされたパークの感想をお願いします

ムラサキパーク東京店長・広岡さん

 

「波乗り感覚で入れるセクションも出来て、サーファー目線でも楽しめるパークです。

ストリートスケーターはもちろん、パークスタイルの子も楽しめる。

いろんなものが詰まったパークで、リアルトップスケーター立本プロのこだわりが見れるパークに仕上がったと思います。

いろんなスタイルとイマジネーションが生まれる気がしますね。ぜひ、いろんなスケーターに来てもらいたいです」

カフェのような雰囲気で、暖房完備の休憩室

 

受け継がれるスケートパーク

 

ムラサキパーク東京のある敷地は、元々1987年に工場跡地を遊園地に衣替えし、巨大迷路や、ドライブインシアター、バンジージャンプなど当時の流行を反映した施設だったが、2000年代になって遊園地は閉鎖。

そこにあったスケートパークも代々運営者が変わっていき、スケーター間での呼び方も「アメージング」→「マップス」→「ムラパー」へと変わっていった。

時代と共にパークがリニューアルされていく事によって、スケートを楽しむ人の気持ちもずっと変わらず続いていく。

 

ムラサキパーク東京:東京都足立区千住関屋町19-1

問い合わせ:03-5284-3693

URL:http://www.murasaki.co.jp/shop/kanto/303.html

 

営業時間:平日15:00〜21:45 土曜13:00〜21:45 日曜・祝12:00〜20:45

料金:平日864円(税込) 土日・祝1080円(税込)

※要ヘルメット着用、各種レンタル有り。

 

写真・文 小嶋 勝美

スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。

約10年間芸人として活動後、現在は放送作家としても活動中。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

放送作家 小嶋勝美
この記事を書いた人

放送作家 小嶋勝美

お笑い芸人として活動後、放送作家に転身。 スポーツ番組やバラエティ番組などに携わる傍ら、20年以上続けている大好きなスケートボードのライターとしても活動。 コンテスト記事の他、スケボーの情報や面白い発見を伝えていくと共に、スケートボードが持つ素晴らしさを多くの人に広めていきたいと思っています

放送作家 小嶋勝美が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop