逆輸入女子といえば、台湾と日本で活躍するモデルで女優の池端レイナ様、そして、ドラマ『貴族探偵』に出演、話題になった台湾を活動の拠点として活躍する女優、田中千絵様でございます。そして今、アートの分野で注目集めている逆輸入女子がいらっしゃいます。その方こそ、刀根理衣様でございます。
近年、海外で絵本作家として認められた後、日本で絵本を出版する逆輸入型日本人アーティストが増えておりますが、刀根さまもその中のお一人でございます。
刀根さまは2010年、製作した絵本のサンプルが、ボローニャ児童書ブックフェアの会場でイタリア人編集者の目にとまり、翌年、絵本作家としてデビュー。それを機にイタリアに渡り、ミラノを拠点に創作活動を行っておられます。
2013年には、ボローニャ児童書ブックフェアの原画展において国際イラストレーション賞を受賞、その受賞作を絵本化したのが「El viaje de PIPO」でございます。こちら、日本でも2014年に「ぴっぽのたび」として出版されております。
「ぴっぽのたび」(作:刀根 里衣)
当初、刀根様の作品は絵もストーリーも大人向きなので、日本では難しいのでは…と思われていたものの、30代の女性が読むファッション雑誌などにも取り上げられ、刊行から半年で5回も増刷を重ねるという絵本では異例の売り上げを記録。
その後、2匹のネコを主人公にしたハートフルな絵本 「Dove batte il cuore」(「きみへのおくりもの」)、イタリアデビュー作「Questo posso falro」(「なんにもできなかったとり」)など、日本語版が日本で出版されております。
ちなみに、刀根様の人気は、日本だけではなく世界中で高く、ボローニャ児童書ブックフェアでは毎年サイン会を開催、いつも長蛇の列に。パリやミラノでのサイン会も大盛況とのこと。
そんななか刀根様の新作が先日、出版されました。しかし、ただの新刊ではございません。作絵の絵本で日本オリジナルの絵本は、この本が“初”でございます。
「コリスくんのかみひこうき」(作:刀根 里衣)
記念すべき日本発の作品は、紙飛行機を作るのが大好きなコリスくんの物語でございます。
ちなみに、最新刊「コリスくんのかみひこうき」の刊行を記念して、9月28日、絵本ファンの聖地、神保町にあるブックハウスカフェで帰国中の刀根様のトークイベントが開催されるとか…。興味のある方は、こちらも是非チェックしてみてくださいませ。
(文:N田N昌)