今世紀最高視聴率確定のNHK朝ドラ『あさが来た』が、いよいよクライマックスを迎えます。この人気朝ドラに主題歌『365日の紙飛行機』で参加、華をそえているのがご存じAKB48です。
その『あさが来た』の最終週に元AKBの大島優子さんが女性活動家の平塚らいてう役で出演します。
波瑠演じるヒロインとのバトルも
通常、半年続く朝ドラの最終盤といえば、ヒロインをねぎらい振り返る内容ですが、ギリギリまで、ヒロインにたてつく人物を登場させるという“攻め”の姿勢。大島優子さんがお茶の間の印象に残ることは間違いないはずです。
さて、『あさが来た』が終わると4月から次回作『とと姉ちゃん』に移行するわけですが、そこに出演するのが前田敦子、大島優子の二人と並んで頭角を表してきたのが元AKBの川栄李奈さんです。
川栄、まさかの女優レースで頭角
4月からの朝ドラにヒロイン・小橋常子(高畑充希)が居候する仕出し屋「森田屋」のひとり娘・富江を演じます。
川栄李奈さんはAKB総選挙17位。ファン以外でその名前が知れたのは、握手会傷害事件の被害者としてではないでしょうか。
AKB48時代は、おバカキャラで鳴らした彼女。テレビ番組などでユニークな回答を連発しそれを逆手にとった通信教育のCMでは「薬膳コーディネタ―」の資格取得に挑戦しています。
アイドルとしては“薄すぎる顔立ち”といわれていましたが、その主張しすぎない顔が、特定の役柄に縛られずかえって有利に。名バイブレイヤーとしての可能性を感じさせると評判もたかく『デス・ノート』では、無差別殺人をおこす史上最悪のノート保持者を演じることも話題になっています。
卒業後、初仕事として行った舞台『AZUMI 幕末編』ではアクションシーンを抜群の運動神経でこなし好評で続編も決まりました。
才能と努力に加え事務所を「エイベックス・ヴァンガード」に移籍し、卒業後は、まず舞台で実力を上げてからテレビに殴りこみをかけるという戦略が見事にハマったようです。
津田寛治・木下ほうかなど、実力派俳優のブレイクのきっかけを作った『痛快TVスカッとジャパン』のショートドラマでは、他人の男を欲しがる“最低女”を演じ、視聴者から意外すぎるほど演技がうまい!と注目されました。
実は、女優になってよかったかはまだわからない
一方、ここにきて天性のアイドル資質(太陽のような明るさ)が“足かせ”になっているようにみえるのが大島優子さんです。
大島優子さんは『紙の月』(2014)での演技が評価され、第38回日本アカデミー賞やヨコハマ映画『報知映画賞』などで助演女優賞に輝きました。女優として順風満帆と思われましたが、ここにきて、映画『ロマンス』とドラマ『ヤメごく』と立て続けにヒットに恵まれず、迷走気味だといわれています。
アイドル大島優子の“明るさ”を払しょくするかのように “ダーク”そして“大人”な役を選んで演じているようにみえますが、ファンにとっては違和感でしかないよです。
例えば、梅酒のCMでの着物姿は年季の入った演歌歌手のようだし、最近ではFRIDAY(フライデー)の表紙が老けすぎているなどとネットで騒がれました。
カバーガールを飾ったフライデーでは、疲れてる。明るかった優子はどこに? 48歳に見える…など、ファンからは散々の様子。
大島優子さんは、とにかくアイドルとしての輝きがある人です。AKBの10周年記念シングルでは、OGも復活していますが、そういった、ちょくちょく参加するOGとしての活動が眩しすぎて、女優としての活動を妨げているのかも知れません。
大島優子さんは幼い頃からキッズタレントとしても活動していたため、演技のキャリアは長いのですが、バラエティ番組『アカデミーナイトQ』にゲスト出演したとき、「俳優になってよかったと実感した?」との質問に、「×」を挙げています。
「まだわからない、自分に足りないものが多すぎて、それを実感しちゃいけないような感じ」と答えています。
周囲から賞賛されることについて突っ込まれると、「半分はウソかもと思っちゃう」とあくまで謙虚な姿勢を崩していません。胸中いろいろあるようです。
AKBでは、トップを飾った大島優子さんだからこそ、その後の女優活動には、さまざまな意見や制約もあります。対してAKBとしての知名度が低かった分、その実力を自由に開花させつつある川栄李奈さん。それぞれの活躍から目が離せませんね。