ワンダーウーマンもきっと驚愕!アメコミ映画ファンがハマりそうな大人絵本とは?

2017/09/14
N田 N昌

この夏、注目を集めた映画といえば、「ワンダーウーマン」、そして「スパイダーマン ホームカミング」でございます。いずれも、DCコミック、マーベルコミックと、2大アメコミ映画でございます。

 

このアメコミ映画一番の特長が、主人公が他の主人公の作品にも登場する点でございます。「スパイダーマン ホームカミング」のなかでは、スパイダーマンがアイアンマンと面会いたします。さらに、ワンダーウーマンは去年公開になった「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の中で登場しております。

 

荒っぽい言い方をさせて頂くと、アメコミ映画イコール、登場人物が他の作品の中に入り乱れる、そんな感じでございます。そんな入り乱れているところが、それぞれの作品をより楽しいもの、深みのあるものにしております。

 

実は、アメコミ映画と同じように、登場人物が他の作品に登場している人気絵本もございます。有名なところでいうと、島田ゆか様の「バムとケロ」シリーズ。こちらの登場人物が、同じ島田様の作品「ガラコ」シリーズの中でも登場しております。

 

かばんうりのガラゴ
amazon.co.jpより

 

そんななか今月、絵本ファン驚愕のサプライズが!

 

たくさんの人気絵本を手掛ける児童文学作家のくすのきしげのり様が、児童文学の創作活動をスタートして30年目の節目を迎えたということで、自分の作品の秘密を大公開されてしまったのでございます。

 

くすのき様のHPには、「それぞれの作品や登場人物に深い関係があることを知っていただき、読者の皆様に、さらに作品の世界を楽しんでいただくことができますよう、作品の登場人物たちと共に願っています。……私の作品のヒミツは、こちらのPDFファイルでご覧ください。」と。

 

PDFを見てみると、なんと!これまでの作品の「登場人物&絵本相関図」が…。

 

 

これまで登場した絵本の登場人物が、他の作品の中でこんな役で登場していますよ、という相関図でございます。

 

絵を描いている人が一緒なら、「あれ?この人、あの絵本にも出ていたな…」と、気が付くのでございますが、くすのき様の場合は、絵本の「文」だけを担当、絵を描かれないので、作品によって絵を描かれている作家さんも違うため、分かりづらいかもしれません。そこが、逆に面白いところでもあるのでございますが…。

 

さらに!くすのき様の場合、登場人物が歳をとって大人になって他の作品に登場するするケースもあり、さらに分かりづらいのでございます。

 

ただ、そう言われて読んでみると、「なるほど!」「そういえば!」と、ちゃんと納得できるのでございます。腑に落ち感が楽しめるのでございます。得した気分になるのでございます。コレ、是非とも体験して頂きたいのでございます。“絵本を深読みする”は、大人絵本の大事な“たしなみ”の一つでもございます。

 

たとえば、今年4月に出版されたこちらのくすのき様の作品。

 

「ええたま いっちょう!」(作:くすのき しげのり 絵:吉田 尚令)

 

こちらの作品の中に登場する若いおまわりさんは2008年に出版された人気絵本「おこだでませんように」の主人公の男の子が成長した姿なのでございます。

 

「おこだでませんように」(作:くすのき しげのり 絵:石井 聖岳)

 

この相関図を見ながら、くすのき作品を読むと一層深みが増すこと間違いごじあません。絵本好きな方是非、相関図片手に読書の秋、「くすのきワールド」をたっぷり堪能されてみてはいかがでしょうか…。

(文:NN昌)

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N田 N昌
この記事を書いた人

N田 N昌

放送作家・ナンセンス絵本マニア 「有田とマツコと男と女」「レゴニンジャゴー(アニメ)」 「天才テレビくんMAX」「小島慶子のオールナイトニッポンGOLD」 など、テレビ・ラジオ番組の構成脚本を担当。

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