今、各メディアで注目を集めている、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いなのが、“チケットが取れない”“講談界の風雲児”とうたわれている人気講談師の神田松之丞さまでございます。来年、9人を抜いての真打ちに昇進も決まっております。
松之丞さまの登場によって講談の人気が再燃。明治以来、100年ぶりの講談ブーム到来とも言われております。オシャレ雑誌「Pen」からも特集本(ムック本)が出版されるほどでございます。
現在、ラジオパーソナリティとしても一目置かれる存在となっております。その番組が「神田松之丞 問わず語りの松之丞」(TBSラジオ)、日曜深夜に放送されております。小生も毎週聞いております。芸風は“荒削りな毒舌”でございます。
小生も、最初は悪口ばっかり言っている嫌な噺家だなぁと思っておりましたが、聞いているうちにクセになるのでございます。
最近、テレビでもちょくちょく見かけるようになってまいりました。先日のダウンタウンDX(読売テレビ系)では、「中学2年でED」ネタを披露されておりあましたが、編集後のオンエアからも想像できるレベルの滑りっぷりでございました。
そんな人気講談師の神田松之丞さまが先日、ラジオでご子息に絵本の読み聞かせをしたエピソードをお話されておりました。ご子息は、30冊ある絵本のうち、1冊にしか興味をしめさないとか…。
その1冊というのが、こちら。
「しろくまちゃんのほっとけーき」(作:わかやま けん 出版社:こぐま社)
人気のロングセラー絵本でございます。ご存知の方も多いのでは…。しろくまちゃんがママと一緒にホットケーキを作るシンプルな内容の赤ちゃん絵本でございます。
そのしろくまちゃんを日本一チケットのとれない男、超人気講談師が読み聞かせてくれるのでございます。日本一贅沢な読み聞かせに間違いナッシングでございます。
売れっ子は時間がないのでございます。その日は、どうしても講談の稽古をしたくなったのだとか。そこで、松之丞さまは、「きっとこの子は、絵本の絵だけを楽しんでいるに違いない」と考え、しろくまちゃんの絵本を見せながら、「赤穂義士外伝~忠僕元助」の稽古に入ったのだとか…。
そう、しろくまちゃんの絵を見せながら、「その時、赤穂義士47士のひとり、片岡源五右衛門が…」と講談の稽古を始めたのでございます。講談界の風雲児でございます。日本一チケットの取れない講談師でございます。
「俺ぐらいだと、忠僕元助がしろくまちゃんに聞こえてくるのでは…」と考えたのでございます。
しかし、結果は撃沈…。ご子息は「うわ~ん しろくまちゃんじゃない」と泣き出したのでございます。そこで、松之丞さまは、小さな子供でも、絵だけでなくストーリーも楽しんでいるんだなぁと、ちゃんと内容で選り好みをしているのだなと痛感されたそうでございます。
(文:絵本トレンドライター N田N昌)