漫画「解体屋ゲン」の主人公・ゲンが解体工事の現場のおそろしさを解説!

2025/08/20
佐伯美佳
©解体屋ゲン

漫画「解体屋(こわしや)ゲン」は、『週刊漫画TIMES』で1,000話以上も連載する大人気漫画です。冴えない孫請け解体業者でありながらも、本当の顔は爆破解体技師であるゲンの生きざまと共に建築業界の問題にも迫るリアルな作品。

先日は、主人公のゲンがある解体業者のイベント参加し、現場のリアルな課題に迫りました。解体工事の現場では、金属片やコンクリート片が飛散することで起きている事故が深刻なものとなっています。ゲンとの関係と共に、その課題を解決する方法をご紹介します。

■解体工事に潜むリスクとは?

近年、建物の老朽化などから解体工事が増えています。そうした中、解体に伴う金属片やコンクリート片が飛散し、通行人や近隣住民を巻き込む事故“公衆災害”のリスクが重要な問題になっています。

その問題を解決するために立ち上がったのが、解体工事業 株式会社TOBIHIRO。解体工事における飛散防止工法「Cage System(ケージシステム)」を開発・販売しています。

「Cage System」は、解体現場の上部を強化ネットで囲うことで、飛散物リスクを最小限に抑えられる画期的な製品。

「Cage System」
「Cage System」

2025年7月15日には「Cage System」の発表会を開催し、代表取締役社長 小林 浩二さんが「Cage System」の誕生秘話やメリットを紹介しました。

さらに、このイベントには、「解体屋ゲン」の主人公、ゲンも動画出演しました。

「Cage System」の特徴を解説するゲン(©解体屋ゲン)
「Cage System」の特徴を解説するゲン(©解体屋ゲン)
「Cage System」の特徴を解説するゲン(©解体屋ゲン)
「Cage System」の特徴を解説するゲン(©解体屋ゲン)
「Cage System」の特徴を解説するゲン(©解体屋ゲン)
「Cage System」の特徴を解説するゲン(©解体屋ゲン)

■解体屋ゲン99話に「Cage System」が登場!

実はこの「Cage System」、解体屋ゲンの99話に登場しているんです。実際に取材をして制作した作者・星野茂樹さんと作画の石井さだよしさんがインタビューで次のように回答してくれました。

解体屋ゲン99話より(©解体屋ゲン)
解体屋ゲン99話より(©解体屋ゲン)

●「Cage System」を描いた経緯は?

星野さん「小林社長の出会いは、Xで企業向けクラウドファンディングを行ってる最中。解体業ということで『解体屋ゲン』にも直結し、『Cage System』のすごさも一目でわかったので、すぐに取材を申し込みました。話を聞いてるうちにストーリーがすぐに浮かびました。株式会社TOBIHIROの皆様はキャラが立っていたのでマンガにしやすかったです」

石井さん「絵を描いているときに、これまでの養生と違って、細かいところまで気を遣っているということがよくわかりました」

ある日、小林社長のもとに、星野さんから「Cage Systemを漫画に登場させたい」と直接DMが届いたのだそう。「こんな風に現場の安全を守るシステムがあるなら、ぜひ漫画で紹介したい」との申し出に、心を動かされた小林社長。

「解体屋ゲン」が築いてきた信頼と、小林社長の「現場を変えたい」という想いが合致し、コラボレーションが実現したそうでした。

■「Cage System」の誕生秘話

「Cage System」
「Cage System」

イベントでは、小林社長が「Cage System」の誕生秘話やメリットなど、熱いトークを繰り広げました。

●「Cage System」の誕生秘話

小林社長は、解体現場の第一線で活躍しながら27年間、解体業界に携わってきた中で、これまで”鉄筋が飛んでタクシーのフロントガラスを突き破った事故”、”破片が高級車に直撃し大きく凹ませた事故”などを目の当たりにしてきました。これらの人災には至らず表沙汰にならない事故は数えきれず起きているそうです。また社長自身も防音パネルの落下で大怪我を経験したこともありました。

そこで「このままではいけない、命を守るシステムが必要だ」と強く感じ、現場を離れてシステム開発に着手。全国から株式投資型クラウドファンディングで2,400万円の支援を受け、「Cage System」を誕生させました。

「単なる製品ではなく、二度と同じ過ちを繰り返さない」という強い願いが込められているといいます。

■「Cage System」のメリット

「Cage System」は、現場全体を包み込む“全方位飛散システム”です。

このシステムは、移動や解体作業を簡易にしながらも安全性を高める工夫がなされており、特にケージが上下する際には、作業員が足場の上で作業できるため、重機作業との同時進行が可能。これにより、工期の遅れや接触事故のリスクも削減しています。

また、養生ネットは試験により安全性が確認されており、導入のしやすさについても高い評価を受けています。

作業の流れを妨げることなく、現場の安全と効率を確保する革新的なシステムが解体工事の新しい標準を確立することが期待されています。

このシステムはすでに全国の180か所で導入されているといいます。

現場の声によると、作業員は毎日安心して作業できる環境が整備されており、公衆災害のリスクを大幅に削減しています。

■まとめ

すでに多くの大手デベロッパーやゼネコンでは「Cage System」が導入されており、安全意識が高まっています。しかし、全国にはまだまだ安全対策をしたくてもできない現場が多く存在するため、同社はこうした養生や安全装備を普及させ、事故が起こる前に備える文化を広めたいと締めくくりました。

「事故が起きてから後悔するのではなく、初めから取り組んでいて良かったと思える現場を増やすことが私たちの願いです」(小林社長)


冒頭画像クレジット:©解体屋ゲン

漫画「解体屋ゲン」の主人公・ゲンが解体工事の現場のおそろしさを解説!

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この記事を書いた人

佐伯美佳

国内出版社のWeb媒体を中心としたライター。Web業界を経て、ライターとして独立・起業。健康・美容・グルメ・ライフスタイル・ビジネスのジャンルを中心に執筆中。思わず読みたくなり、読んだら得する情報を発信してまいります。

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