「ふえるわかめちゃん」などを主力商品とする理研ビタミン株式会社が震災後、産地や品質の安全・安心を表す産地判別検査合格マークを取り入れた流れとは?

2022/02/07
マガジンサミット編集部

2月に入り、まだまだ寒波が続く中「わかめシーズン」に突入。今回は、大型スーパーでよく見かける「ふえるわかめちゃん」についている産地判別検査合格マークについて理研ビタミン株式会社の担当者にお話しを伺った。消費者が安心して購入できるように自社商品につけた経緯には様々な思いや願いが込められていた。

-産地判別検査合格マークと業の活動方針とは

「①安全・安心 ②海と海藻の研究 ③海藻の魅力を発信 ④お客様や産地をときめかせたい、という4つの活動方針があり、それを進めていく中で産地や生産者にとってより良くなる取り組みとして産地判別検査合格マークが始まりました。

産地判別検査合格マークは自社でつくり導入したマークであり、自社検査での合格マークになっています。

-使用経緯について

「2011年の東日本大震災で、日本のわかめの最大産地である「三陸産のわかめ」の多くが津波で流出してしまいました。この影響で市場規模が縮小し、海外産の商品の構成比も高くなりすぎてしまった為、あらためて各産地の質の良いわかめを、しっかりとした表示で販売していくことで市場を復活させようと考え始めました。

そのためには、しっかりしたトレーサビリティと、それを科学的に裏付ける産地判別の技術が必要です。当社は2011年から外部研究機関との共同研究で、わかめの微量元素組成分析による産地判別技術を開発し、2018年に特許を取得しました。これで20194月にようやく産地判別検査合格マークの使用を開始することができました。」

-産地によるわかめの特徴

「一般的に三陸産はしゃきしゃきして歯応えがあります。鳴門産はなめらかでしゃきしゃきもしていて、韓国産はなめらかになっており産地によって異なる歯応え等は異なります。

ただ、なかなか若い人に届かないところもあるので、小学生に向けての食育授業として、学校に実際に行ってわかめのよさを伝える活動を現在行っています。

-産地判別検査合格マークで伝えたい内容とは

「本質的にはマークの表す意味は安全と信頼だが、産地判別検査合格マークをきっかけとしてわかめが色々な海でとれることに気づいてもらい、歯応えなども産地別で楽しんでもらいたい。そしてマークにより、安全を保証するのでお客様には安心して買ってもらいたい。生産者の方にはその産地のものとして適切な価格で売っているということも示し、市場や適切な価格を守っていきたい。」

-今後の取り組みは

「当社は「ふえるわかめちゃん」という乾燥わかめのトップブランドを持つメーカーとして、お客様にはわかめをもっと知って、もっと食べてもらえるような取り組みをしていきたいと考えています。例えば5月5日は実は「わかめの日」で、キャンペーンを行うなどして、わかめに注目していただく機会を作ります。また、原料となるわかめは全て養殖で、生産者の方の高齢化や気候変動の影響など、産業としての課題があります。当社はわかめの研究にも力を入れていますので、安定したわかめの生産を支えられるよう、各産地の皆さんと取り組んでいきます。」と話してくれた。

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