日本では緑茶や麦茶、中国のウーロン茶やジャスミン茶、インド、イギリス、アイルランドなどで特に飲まれている紅茶など、世界ではその国よって様々なお茶が飲まれています。
南米も例外ではなく独自のお茶文化が根付いています。そのお茶というのが“マテ茶”です。
今回は、アルゼンチンを代表するお茶である“マテ茶”を紹介されていただきます。
スーパーではレジの一番近くを陣取り、その数70種以上!
(スーパーの棚にギッシリと並ぶマテ茶。)
アルゼンチンの人たちは、本当にマテ茶が好きです。街中では老若男女問わず、独特なマテ用のカップと、お湯を入れたポットを持ち歩いている人を多くみかけます。その人気を示すかのように、スーパーでは最もレジに近い棚にマテ茶が陳列されています。
私の行ったスーパーでは、茶葉だけでも70種類以上にもなり、さらにはティーバッグのものも並べられていました。価格は、500グラムで25アルゼンチンペソ(約170円)ほどでした。
現地人直伝!マテ茶の正しい淹れ方
①カップに直接お茶ッパを入れる
マテ茶が、緑茶や紅茶などと違う点は、急須やポットを使わず、直接マテ茶をカップに入れていきます。その量も多く、カップをトントンとして茶葉を詰めながら、5割くらい茶葉をいれます。
②アルゼンチンのマテ茶ならではの“砂糖”
アルゼンチンのマテ茶がブラジルのマテ茶と違う点はこの“砂糖”です。
この時は、小さじ1の砂糖を入れていましたが、飲みながら甘さが弱くなるとその都度足していました。
③ココがポイント!手でフタをしてカップをシェイク!
ココがアルゼンチンのマテ茶づくりのポイントです。茶葉と砂糖を混ぜるために、手でフタをしてカップをシェイクしていきます。この“手でフタをする”ということがポイントで、この手順には茶葉と砂糖を混ぜるということももちろん含まれているのですが、大切なことは「茶葉についている粉を落とすこと」だそうです。
手でフタをするので、シェイクした時に細かい粉が手のひらに付きます。これを2~3回繰り返し、茶葉が綺麗になったら準備完了です。
④茶葉には傾斜をつけて、乾いてる面を持たせる
お湯を注ぐ際、カップを大きく傾け、茶葉に傾斜をつけるようにします。そして、茶葉の深いほうにめがけてお湯を注ぎます。「なんで乾いている部分を作るのか」について質問したのですが、現地人も「理由は知らない」とのことでした。
お湯を入れたら、先端に茶こしがついた独特なストローを入れて出来上がりです。
⑤注意は“熱さ”と“マテ茶のマナー”
マテ茶で注意することは、まずは“熱さ”です。むちゃくちゃ熱いです。熱湯を金属のストローで飲むので、とにかく熱いです。ご注意を。
そしてもう一つが“マテ茶のマナー”です。
アルゼンチンのマテ茶は、一つのカップを使っての回し飲みが基本のようで、1人が飲んだら次の人、その人が飲み終わったら次の人というように、1杯飲むごとにカップを回していきます。なので、1杯飲んでから続けて飲むのは厳禁です。そして、「もう要らない!」となったら「Gracias!!」とお礼を言って、ごちそうさま宣言をします。
このお礼を言わない限りマテ茶の順番が回ってきます。なんとなく、カラオケのマイクのようなルールです。
ちなみに、ブラジルのマテ茶は…
(リオグランジドスーのマテ茶“シマホン”)
この“マテ”というお茶は、ブラジルの南部・リオグランジドスーでも飲まれていて、リオグランジドスーでは“シマホン”とい名前で呼ばれています。リオグランジドスーのシマホンと、アルゼンチンのマテの違いは、
シマホン:シマホン用のカップは形が決まっている。砂糖を入れない。
マテ:人によってカップは様々。砂糖を入れたり、入れなかったり。
といった感じです。アルゼンチンのマテは、砂糖を入れる淹れ方を紹介しましたが、甘いものが苦手な人は砂糖なしで淹れているそうです。
シマホンはリオデジャネイロやサンパウロでは見ることができません。ペットボトルで、砂糖も加えられたマテはリオデジャネイロ、サンパウロのどちらでも売っていました。
ちなみに、シマホンの味はすごく苦いです。