不世出血が病気のサインに!歌手の藤あや子さんが早期検査の重要性を訴える!子宮体がんの啓発を目的としたセミナー開催

2024/12/20
マガジンサミット編集部

婦人科がんの中で認知度の低い子宮体がん。早期に治療を開始すれば比較的予後の良いがんであることから、早期に症状に気づき、医療機関を受診することが重要だといいます。

そんな子宮体がんの特徴や発症リスク、初期症状などついて理解を深めてもらうことを目的にアストラゼネカ株式会社は、12月13日(金)に「子宮体がんの早期治療へ向けて 見過ごされがちな不正出血、スルーしないために知るべきこと」と題したメディア向けのセミナーを実施しました。

セミナーでは専門医からの講演や、アストラゼネカが実施した子宮体がんの患者調査の結果解説とともに、子宮体がんの治療経験を持つ歌手の藤あや子さんを迎えてのトークセッションが行われました。

年々増加する子宮体がんの特徴や症状などを専門医が解説

はじめに、子宮体がんの特徴や症状、診断と治療などについて、東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座 主任教授である岡本愛光先生と、講師/診療医長の西川忠曉先生がそれぞれ解説を行いました。

子宮体がんは子宮の内部(子宮内膜)にできるものをいい、閉経後の50代から60代に多く、およそ80%が子宮の外に広がらない早期に見つかることが多い予後が比較的良い病気。しかし、20年前に比べて新規罹患数が約2倍に増えており、年々増加しているのだそう。その理由として、病気の認知度が低いこと、早期発見以外にワクチンなどの予防策がないこと、出産歴の減少などの女性のライフスタイルの変化が挙げられるといいます。

子宮体がんで最も多くみられる症状として、不正性器出血やおりものがあり、最も早期のステージであるI期でも9割近くに不正出血があるのだとか。その他、下腹部や腰の痛み、足のむくみなども症状としてあるそうです。

子宮体がんのリスク因子は、閉経が遅い、前がん病変(子宮内膜異型増殖症)がある、女性ホルモンの異常(月経不順、不妊症など)、妊娠や出産経験がない・または少ない、肥満や高血圧/糖尿病、リンチ症候群である(大腸がん・子宮体がん・卵巣がん・胃がんなどを発生するリスクが高い遺伝性のがん)などが代表的なもの。

検査は子宮内膜を軽くこすって細胞を採取する細胞診をはじめ、超音波検査が一般的。その内細胞診は痛みを伴うことがあるといいます。
その後子宮体がんと診断されると基本的には手術が行われ、進行や再発リスクに応じた薬物治療や放射線治療が行われるそうです。

子宮体がん患者調査で病気の知識不足が明らかに

子宮体がん患者さんにおける、受診前から受診~確定診断~治療の様子、日常生活への影響と子宮体がんに関する知識の実態を把握するためにアストラゼネカが行った調査結果がアストラゼネカ株式会社 オンコロジー事業本部 婦人科がん領域マーケティング ブランドマネージャー 吉野 実さんより紹介されました。

子宮体がんと診断される前、医療機関を受診したきっかけは「気になる症状があったから」(76%)が最も多く、受診のきっかけとなった具体的な症状では、「不正出血」(93%)が最多。

異常が見つかったもしくは症状を感じてから、婦人科を受診するまでの期間は「0~2週間」が37%で最も多く、また一方で51%の患者さんは1カ月以上かかったと回答。その理由として、「不正出血などの症状が子宮体がんと結びつかなかったため受診の必要性を感じなかった」の割合が55%で最も高くなったとのこと。

診断前に子宮体がんについてどの程度知っていたかを伺ったところ、「全然知らなかった」と回答した方の割合はなんと7割近くに。
診断前に知っていたら良かったと思う知識は「子宮体がんの初期症状」の割合が62%で最も高く、診断前により多くの知識を持っていたとしたら「もっと早い受診につながる」と回答した方の割合が61%で最も高いという結果になったそうです。

藤あや子さんが語る子宮体がんの経験談

セミナーの最後のパートでは、岡本先生、西川先生に加えて子宮体がんを経験された歌手の藤あや子さんが登壇され、「子宮体がんを体験されて思うこと、伝えたいこと」をテーマに、診断のきっかけや治療経験を通じて学んだことなどについてのトークセッションが行われました。
子宮体がんと診断された際、「まさか自分ががんになるとは…」という気持ちで重く受け止めることができなかったという藤さん。子宮体がんのことは全く知らなかったそう。

初期症状としては、不正出血があったそうですが、「そのうち止まるだろう」と子宮体がんかもしれないと思うことはなく、病気と結びつかなかったそうです。

その後、夫に相談し、病院受診を強く勧められたことから子宮体がんが発覚、すぐに気持ちを切り替え、手術へと至ったとか。早期検査と発見だったことから、退院や回復も早かったそうです。
「女性は我慢強く、また婦人科に行くこと自体勇気がいることですが、命が最も大事。自分の体を見つめ、気になる症状があれば1日も早く検査を受けて治療して欲しい!」と藤さんが強く訴えました。

西川先生は、「子宮体がんは認知度も低く、予防も確立されていない病気。これからも女性のライフスタイルの変化は続いて行くと思うので、社会全体で正しい知識を持っておくことが大事です。」

また岡本先生は、「早期発見と治療を行えば、子宮体がんは予後の良い病気。子宮頸がん検診は無料で行えますが、その際にプラスして超音波検査をぜひ受けて欲しい。また、かかりつけ医を持っておき、気になる症状があったら気軽に相談して欲しいと思います。」
とそれぞれメッセージを送りました。

晩婚化や出産の高齢化などに伴い、今後ますます増えていく可能性のある子宮体がん。不正出血が病気の1つのサインです。
ぜひ自分ごととして、ためらうことなく婦人科を受診する、そのような相談を受けた際に病院への受診を強く勧める心の準備をしておく必要がありそうです。

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