
シロアリ対策をはじめとした総合ハウスメンテナンスサービスを提供する株式会社アサンテは、約半世紀にわたりシロアリの被害から木造家屋や建築物を守ってきた。日本には各地に昔から親しまれている神社仏閣などの歴史的木造建築物があるが、残念ながらシロアリ被害に遭うこともあり、定期的なメンテナンスが欠かせない。
そこで、株式会社アサンテはこれまで培った技術とノウハウを活かして日本が世界に誇る歴史的木造建築物をシロアリなどの害虫から守る「木の文化継承プロジェクト」を発足することとなった。発足にあたり、1300年以上の歴史ある神田明神で記者発表会が開催された。
発表会前には神田明神の本殿にて祈祷も行われた。

発表会には株式会社アサンテ代表取締役社⻑ 宮内 征氏が登壇。「私たちが事業を展開する上で、社会的使命が2つあります。シロアリの被害にあってしまうと地震などの震災の時に耐久性が落ちてしまうため、ハウスメンテナンスを通して家の耐久性をあげること。もう一つは日本が誇る、木の文化を守り、後世に繋げていくことです」と語った。

その後は神田明神の広報の加藤氏が登壇。
「神田明神では境内の文化財を50年、100年と後世の人々に伝えていこうと1300年プロジェクトに取り組んでいます。社寺建築については木材は切っても離せないものです。今回、調査する木造の随神門は江戸時代につくられたものでしたが、関東大震災で焼けてしまい、昭和50年に再建された建造物です。こちらも木造の大切な建物ですので、文化財として後世に残していきたいと思っています」と話した。

株式会社アサンテは次の3つの社会課題解決に向け「人と技術を育て、人と家と森を守る」を経営理念としている。その3つの中の1つ目は家の耐久性を向上させそこに住む人を守る。2つ目は人々の大切な財産である家を守る。3つ目は家を長持ちさせることで廃材の発生や必要以上の森林伐採を防ぎ自然環境を守ることだ。シロアリ対策全国シェアNO.1を誇り、60万軒以上の実績と神社仏閣に関しては226軒の施工実績を持っている。

約3軒に1軒がシロアリの被害があり、震災時にはシロアリ被害がある家屋の全壊率は9割以上、被害のない家屋の約4倍の結果となった。シロアリ被害にあうと、木や土台は例えるならば骨粗しょう症の状態。強い力を加わると簡単におれてしまうリスクがある。そのため予防の必要性がある。

このシロアリの被害は神社仏閣にもある。式会社アサンテは今までも静岡県の静岡浅間神社など日本各地の歴史的木造建築の保全活動を行なっている。その他、木を枯らす原因ともなるクビアカツヤカミキリなどの害虫駆除も行なっている。
このような経験・技術から木の文化を守り、後世に伝えていくため「木の文化継承プロジェクト」を開始した。これは文化財の保全だけでなく、桜の名所などにも貢献していく予定だそう。

記者発表会当日には神田神社 随神門のシロアリ調査を行った。今回の調査にはシロアリ探知犬が採用された。株式会社アサンテにはシロアリ探知犬2頭が活躍している。2006年にアメリカから導入し、現在では日本で生まれたビーグル犬を国内で育成、活躍している。通常の調査では人が床下に入って行うが、探知犬は床や壁の中にいるシロアリを室内から探知できる。そのため床を剥がして調査しなくてもいいメリットもある。そのため神社仏閣などの調査に適しているのだ。

今回、調査に登場したのがシロアリ探知犬のサラとアリス。


シロアリやエサなどが入った入れ物をいくつか用意してシロアリがどこにあるのかわからないようにしても、シロアリをニオイで探知。訓練のデモンストレーションを見せてもらうと、何度やっても的確に当てる姿がすごかった。

実際に神田明神の随神門をシロアリ探知犬が調査すると、今回はシロアリはいなかった。このように重要文化財を破壊することなく調査できるのは素晴らしい。

今後もこの可愛いシロアリ探知犬のサラとアリスの活躍により、日本の多くの重要文化財が守られていくことだろう。