障がい者アートを展示する「第2回かながわともいきアート展〜生きること、表現すること〜」が赤レンガ倉庫にて開催

2025/11/01
マガジンサミット編集部

神奈川県は「第2回かながわともいきアート展〜生きること、表現すること〜」を11月1日から9日まで赤レンガ倉庫1号館2階スペースを開催する。

2016年、県立障害者支援施設「津久井やまゆり園」の事件を受け、二度と同じ悲劇が繰り返されないよう、神奈川県では「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定し、ともに生きる社会の実現を目指している。神奈川県では障がい者アート「ともいきアート展」を開催しており、今回2回目の開催となった。

10月31日には美術家・アートディレクターであり表現活動研究所ラスコー代表の中津川浩章氏による解説ツアーが行われた。中津川氏と実際の障がい者アーティストによる作品の説明も聞くことができた。

「夢想の森」の作者である田村伸介さんは「私は長年、絵を描いてきて世のため人のためって思わないと長く続かない、やっぱり自分のために描いていると年齢で絵を描くことをやめたくなってしまう。だから、世のため人のためっていつも思いながら描くとなぜか続くんです。みなさんも行き詰まる時があると思うんですけど、利他の精神に基づいて描いていった方がいいと思います。以上です」と力強くコメントした。

今回のともいきアートのフライヤーでも存在感が際立っている作品「金魚と彼岸花」の作者である飯塚月さん。

「この金魚の絵ってどんな気持ちで描かれましたか?」と中津川氏が聞くと「金魚が自由に泳いでる絵を描きたくて、私が自由にいろんなところに行けないので金魚に絵のなかに自由に泳いでもらって、またその絵がいろんなところで展示されることによっていろんなところに自分も足を運ぶことができるとおもうのでこの金魚を描きました」と口に。

「なぜモチーフを金魚にしたのか」という問いに対しては「金魚というのは人の手が入りすぎた観賞魚と言われていて、人がいないとふなに戻ってしまう。そういう部分ですごく不自由さを感じる魚だなと思っていて自由を描くにあたって金魚が良いかなと思って描きました」と語っていた。

ともいきアートの象徴絵画である「ともに生きる日本と世界の横浜」の作者横溝さやか氏にも話を聞いた。

「これは日本と世界のみなさんが(赤レンガ倉庫前に)集まっている絵です。津久井やまゆり事件をきっかけに描きました」と紹介。描くのにどれくらいかかったかを聞かれ、毎日4時間描いて3ヶ月くらいかかったと回答。注目してほしいところは世界の子どもたちだと話していた。

中津川氏は「障がい者アートは、作品見て良いなと思って背景を調べると(描くにあたった)ストーリーが良いんですよね。ストーリーを読んで初めて作品の意味とか込められた思いがはっきり見えてくる。一般の美術だと、美術史とかコンテストのコンセプトがあって見るばそれが分かってくるんですけど、障がい者アートはそういうコンセプトとは無関係にみなさん作品を創っているので、どちらかというと個人的な背景の物語を知ることが作品を知る手がかりになっていくんだろうなと思います」と解説した。

公募展では選考を通過した平面・立体作品約120点、招待施設展では約80点が展示されている。

展示会名:「第2回かながわともいきアート展〜生きること、表現すること〜」

会期:2025年11月1日(土)〜11月9日(日) 10時30分〜20時00分

会場:横浜赤レンガ倉庫1号館2階スペース

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