上野の国立博物館で10月まで催されている特別展「深海2017」。昨今の深海魚ブームもあり大盛況ということです。中でも普遍的に人気なのがダイオウグソクムシ。グロテスクな見た目であるため愛でる理由は分かりませんが、その生態はなかなか興味深いものを感じます。中でも目を引くのが「少量のエサで長時間活動できる」こと。
そこで他に燃費のいい生き物がいるのか調べたところ、珍しいものから、身近なものまでたくさんいたので紹介します。
ダイオウグソクムシ
世界最大のダンゴムシの仲間で体長19~36センチほど。エサとしているのは海底に落ちてくる魚などの死体であるため「海の掃除屋」と呼ばれています。約2か月に1度のエサの摂取で生きていけるといわれていますが、鳥羽水族館で展示されていたグソクムシは5年間何も食べなかったそうです。
アリジゴク
縁の下などにすり鉢状の巣をつくるウスバカゲロウの幼虫・アリジゴク。巣にはまったアリの体液を吸っていますが、非常に飢餓に強く、1度満腹になると1~3か月は飲まず食わずでいられるそうです。また、幼虫時にはフンはせずため込み、羽化したときに溜まった物を排泄します。
アオダイショウ
日本のほとんどの場所に生息している、無毒の蛇・アオダイショウ。全長1~2メートルで、日本に生息する蛇の中では大きい部類に入りますが、エサは少量。ネズミ一匹なら、1週間はもつそうで、1、2か月絶食・拒食することもあるそうです。
ナマケモノ
ご存知、世界一動きが遅い動物。体長60センチ、体重4キロほど。その昔、エサを摂っているところを見ることができなかったため、風から栄養を摂っていると思われていました。もちろん、栄養は摂っており、木の芽や葉っぱ、水分は木の実からの摂取。1日わずか8グラムしか食べないそう。8グラムといえばパチンコ玉2個分にも満たない重さなります。
ホライモリ
スロベニア近郊の洞穴の水中に生息。蛇のように細長く20~30センチ。四肢があり、長いウーパールーパーみたいな生き物。その見た目から、ドラゴンの幼体ともいわれています。エサはカタツムリや昆虫、エサが少ない環境に適応しているため、なんと10年食べなくても生きていけるんだとか。また寿命も平均約70年、長生きしたものだと100年という記録もあるそうです。
ダイオウホウズキイカ
体長14メートル、体重500キロほどあり、ダイオオイカよりでかいかもしれないと言われるダイオウホウズキイカ。南極海の深度2000メートルに生息しているというこのイカ。生態は分かっていないことも多いのですが、研究者によると、こんなにの巨大イカなのに、5キロのアイナメ1匹で200日生きると報告しています。これは捕食する際、エネルギーを使わないように漂い、近寄ってきた魚を食べるようにしているからだそうです。
さて、少食で燃費のいい生き物をいろいろ紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
中にはペットとして飼える生き物もいるので、飼いやすいかも。とはいえ、アオダイショウのエサは冷凍マウス……、ちょっと初心者にはハードルが高いかも??