辺りをキョロキョロと見渡す日本人の子ども。部屋にはテーブルがあって、その上にはお菓子の材料と道具が置いてあります。そこへやってきたのは、言葉の通じない同い年くらいの外国人の子どもでした。
2人に課せられたのは、モニターに映ったレシピを見ながらお菓子をつくること。しかし、そのレシピは英語と日本語が混ざっています。言葉が通じない子どもたちが、お互いの存在を気にかけながら奮闘していく姿に心打たれます。
これは、英対話を教える英会話教室「COCO塾ジュニア」が9日にリリースした動画。「オカシなお菓子づくり」と題し、“子どもは言葉の壁を越えられるか”を検証します。
台本なし、シナリオなしのドキュメンタリー形式で撮影された、約150秒の動画。言葉の通じない相手とコミュニケーションをとるために一生懸命頑張る、リアルな子どもたちの様子が収められています。
最初に映し出されたレシピはこうです。
「まずは『fresh cream』を泡立てよう。氷で冷えたボウルに『fresh cream』とサラサラの『refined sugar』を加え、『whisk』でグルグルまぜよう」。
日本人の子どもは何を泡立てるのか分からない。氷で冷えたボウルにサラサラの何を加えるのか分からない。反対に外国人の子どもは「fresh cream」をどうすれば良いのか分からないのです。
そんな状況の中でも、子どもたちは徐々に打ち解け、ジェスチャーを交えてお菓子づくりを進めていきます。笑顔もお互い見せ始めました。読めない英語を指で指し、「これは何?」と教えてもらう女の子の姿も。
子どもの本音は「悔しい」だった
こうして、出演した3組の子どもたちは皆、時間がかかりながらもステンドグラスクッキーを完成させたのです。微妙だった子どもたちの距離も、お菓子づくりが進むにつれてグッと近くなりました。できあがったお菓子は仲良く試食。そしてお別れの時間です。
日本人の子どもたちは、最後に感謝の気持ちを伝えたいのに、それを伝える術がありません。相手が話す英語は聞き取れない。はにかんだり「ハッピー…」と返すことしかできませんでした。
撮影後のアンケートで子どもたちから出た第一声は「言葉が分からず、自分の想いを伝えられなくて悔しかった」。お菓子を完成させた喜びよりも「もっと会話をして、一緒にお菓子づくりを楽しみたかった」と話します。どの子どもも「もっと英語を話せるようになりたい」と感じていたのです。
動画の最後は「言葉の壁は、越えられる。でも、もっと、伝えたいよね」というメッセージ。いやはや、なんとも良くできた動画です。