農家専門の婚活サイト設立者・岩立さんが伝える、「農家の嫁という就職はいかが?」

2017/06/28
放送作家 鴨島妙実

婚活という言葉が一般的になった昨今、驚くほどたくさんの婚活方法が登場しています。結婚相談所や婚活サイトでの活動のほか、特にお見合いパーティーはイベント化、ニッチ化が顕著で、料理婚活、バス旅婚活、オタク婚活といった趣味を共有するものや、職業を絞った自衛隊婚活など、さまざまな企画が開催されています。

 

そしてついに、「田舎暮らしをしたい」「農業をしたい」という女性と、農家の後継ぎをつなぐ、究極にニッチな婚活サイトが登場しました。その名も「Raitai(ライタイ)」。蕾(つぼみ)と苔(こけ)に由来し、どちらも“芽吹く”意味があることから、良縁が芽生えることを表現しているそうです。

 

岩立友紀子さん

 

しかし、なぜ「農業専門」というニッチ過ぎる分野に参入したのでしょうか? サイトを立ち上げた岩立友紀子さんに、お話をうかがってきました。

 

―いきなり失礼ですけど、見た感じ、農家っぽくないですね() 丸の内に居そう。

 

そうですか? 実は昔、丸の内OLでした()

 

―確か証券会社にお勤めだったとか。

 

はい。1年半くらい勤めていましたが、働いているうちに、もっと手ごたえというか、手触りがほしかったんです。人って、食べ物を食べて生きているじゃないですか。だから、食べるものを作る方が、実体のある仕事だなと思って、それって農業だな、よし、農業やろう! と、証券会社を退職しました。

 

その後は、宮崎県の農業法人に就職して、農業の基礎を学びました。1年間の研修を経て、これからどうしよう、どこで農業をしよう、と模索していたんです。あちこちの農家さんに短期就農させてもらったり、農業体験イベントに出てみたり、転々としたのですが、なかなかうまくいかなくて…。それで、「とにかく自分でやってみよう!」 と、柏市に畑を借りて、1人で農業を始めました。

 

1人で農業を始めたんですか! 大変だったんじゃないですか?

 

大変でしたよ()。筋力・体力面はかなりきつかったですね。1人だと時間も足りないし、効率も悪い。とにかく仕事が多くて、考えている暇もなかったです。夜中まで野菜の袋詰めをしている私を見て、両親が手伝ってくれたこともありました。

 

農業って、女性が一人でやるにはやっぱり厳しいです。

 

―それでも辞めなったのは何故ですか?

 

私にとって、農業とは「生き方」なので、農業を辞めることはまず考えられませんでした。だから「家族で農業をしたい」と考えるようになったのも自然だったかなと。農家に嫁ぐのもアリかなーと思って、農業婚活イベントに参加したところ、農家の長男である主人と出会ったんです。

 

 

―なるほど! 転職と結婚が同時に叶ったんですね。とても理にかなっていますね。

 

はい! 主人と出会って結婚できたことで、「これで一生農業ができる!」 と、すごく安心しました。

 

私みたいに農業をしたい女性は、実はけっこう居るんですよ。農業専門の就職イベントで相談員もしているのですが、相談に見える方も、3~4割は女性です。

 

でも、女性が農業をやる大変さは身をもって経験していたので、安易に農業を勧められなかったんですよね。せっかく興味を持ってくれたのに、実際就農した後のロードマップを提示してあげられなくて…。ずっともどかしかったんです。それで、女性が永く農業に携わるには「農家の嫁」になるのが一番だって痛感して、農家の人とのマッチング、つまり婚活だったらお手伝いができるって思ったんです。

 

―岩立さんご自身がロールモデルなんですね。サイトに登録している女性も、ご結婚前の岩立さんのように、就農を希望している方々ですか?

 

「農業をしたい!」と強く思っている、というよりも、「農家へ嫁ぐのもアリだな~」と考えている人ですね。普段は一般の会社に勤めていて、いずれは田舎暮らしがしたい、という感じでしょうか。

 

「農家に嫁ぐ」が選択肢に入ってくる人たちなので、年齢もさまざまですが、傾向としては20代後半~30代が多いです。関東エリアの他は、札幌や福岡の女性は多いです。地方都市は、男性が仕事で地元を離れてしまうことが多いので、独身の女性は多いですから。

 

―そうなんですね。反対に男性側は、農家の後継ぎということですが、傾向や特徴などありますか?

 

農家の男性は、畑や野菜と向き合っている時間が長いので、女性と話すのに慣れていない人が多いんです。よく言えば職人気質というか。でも、コミュニケーションって婚活する時だけじゃなくて、結婚後も、夫婦で協力して家庭を築く上では必要不可欠ですよね。だから、お相手とどんな風に話を進めていったらいいのか、など、サポートさせていただくこともあります。

 

―サイトでは具体的にどんな風に活動をするのですか?

 

身分証明書のコピーや独身証明書(本人が独身であることを公的に証明する書類で、本籍地のある区市町村で発行してもらえます。)など、婚活に必要な書類を提出していただいたら、サイトに登録している異性のプロフィールが見られるようになります。

 

気になるお相手がいたら、「気になる!」ボタンを押して、お互いが「気になる!」同士になったら、メッセージをやりとりして親交を深めます。そして、「会ってみよう」となったら、初めて会う約束をするのですが、緊張しちゃうな、心配だな、という場合は、管理人の私も同席します。

 

―実際に会って、また会いたいな、となったらご交際に発展していくのですね。これまでにあった具体的な成果などはありますか?

 

サイトがオープンして3ヶ月以上たちますが、もう実際にお2人でお会いされている方が、把握しているだけでも6組誕生しています。あと、サイトではありませんが、主催している「田舎de婚活」という婚活イベントは、7年で11組を成婚につなげました!

 

出典:https://noukon.org/

 

―完全におせっかいオバチャンですね() 今後はどんな展開を考えていますか?

 

まずは成婚カップルをたくさん出すことです。そのためには、活動する方を増やす必要があるので、農家の嫁のリアルを伝え続けたいし、例えば講演にも、どんどん出かけていきたいと思います。あとは、リアルで会える農業婚活イベントも、いろいろな人に興味を持ってもらえるよう、新しい企画を実施していきたいです。幸せな夫婦をたくさん生み出したいですね。

 

初めてお会いした岩立さんは、とにかくよく笑う、元気な方でした。お話をうかがえばうかがうほど、底なしの行動力に圧倒されます。

 

今までの婚活にはないタイプのサイトですし、始めるのに不安は無かったのか、うかがうと、「もちろん不安が無かったわけじゃないですけど、私、けっこう頑固なんで()やるって決めたらやっちゃうんです。できなかったらどうしよう、と考えるより、できるにはどうしたらいいだろう、しか考えていないんです。」と、サラリとおっしゃるのが印象的でした。

 

そんな岩立さんのサポート下だったら、何かと不安の多い婚活も、安心して取り組めることでしょう。田舎暮らしや農業に興味があって、なおかつ婚活中という方は、Raitaiで活動してみてはいかがでしょうか?

 

農業専門婚活サイト「Raitai~恋の種まき~」 https://noukon.org/

農家の嫁のリアルが分かるブログ http://oikonoukanoyome.hatenablog.com/

 

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放送作家 鴨島妙実
この記事を書いた人

放送作家 鴨島妙実

ラジオ番組の構成や、コラムを執筆中。 「ADVANCE EARTH(NACK5)」や「マイナビ学生の窓口」などに参加。 明日が1ミリでも楽しい日になるような情報をご紹介したいと思っています。趣味は大喜利(のお題作り)。

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