【パリオリンピック女子パーク】開心那が2大会連続銀メダル!金メダルは2種類の540などを決めたアリサ・トルー、銅メダルはスカイ・ブラウン

2024/08/07
放送作家 小嶋勝美
 
 
 
 
 
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8月6日にフランス、パリ中心部に位置するコンコルド広場で開催された、パリオリンピック、スケートボード女子パークで開心那(15歳)が東京オリンピックに続き2大会連続銀メダルを獲得!

金メダルはオーストラリアのアリサ・トルー(14歳)、銅メダルはこちらも2大会連続でイギリスのスカイ・ブラウンとなった。他にも日本勢は草木ひなの(16歳)が決勝に進出し、最後まで攻めきったが惜しくもフルメイクの滑りを見せることができず8位。

東京オリンピックの金メダリスト、四十住さくら(22歳)は悔しい予選敗退となった。

他にも話題になったのは、11歳11カ月でパーク種目の最年少出場となった、中国の鄭好好(セイ・コウコウ)。こちらはパリオリンピック全競技の中でも最年少選手。スケートボード競技の最年長出場は、男子パークに出場予定のイギリス、アンディ・マクドナルドで51歳。二人の年齢差はなんと40歳だ。

いかにスケートボードが年齢問わずに愛されるスポーツかが表れている。

ちなみに、東京オリンピックの時の最年長出場はデンマーク代表のルーン・グリフバーグ(当時46歳9カ月)だったので、約5歳もスケートボード競技の最年長記録が更新された。

さらにちなむと約25年ほど前、筆者が高校生の時に初めて買ったスケートシューズが当時AIR WALK(エアウォーク)から発売されていたアンディ・マクドナルドモデルだったのは何とも感慨深い。

【世界ランキング上位を占める“ニッポン”】

 
 
 
 
 
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パーク女子の世界ランキングは1位が東京オリンピック銀メダリストの開心那、2位がオーストラリアのアリサ・トルー、3位は東京オリンピック金メダリストの四十住さくら、4位はイギリスのスカイ・ブラウン、5位に草木ひなのとなっている。1か国3人までの出場枠があるため、今大会出場できなかったが、6位は長谷川瑞穂、19位に菅原芽依と続く。

※パリオリンピックスケートボードは1種目22名が出場(その内ホスト国枠、各大陸枠、ユニバーサリティ枠が確保されている)、1か国最大3人まで。

ちなみに2位のアリサと4位のスカイもお母さんが日本人とのことで、日本に非常に近いルーツを持っている。

スケートボードのパーク種目は、45秒間自由にコース内を滑りながら技を披露するランを3本行い、その内のベストスコアで順位が決まる。技を失敗した時点で試技はストップとなり、採点は100点満点で小数点以下2桁まで。

【金メダリストを襲った波乱の予選】

 
 
 
 
 
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予選ヒート1にはまさかの日本勢3人(草木ひなの、開心那、四十住さくら)が出場。

ラン1本目。
トップバッターとなった草木はジャンプボックスでバックサイド360、得意のサランラップエア、サランラップテールなどを決めるが、残り17秒でアーリーウープ バックサイドエアをミスしてフルメイク(ミスなく滑りきること)できず。

続いて出場の開は、ジャンプボックスについたレールでバックサイドフィーブルグラインド、コーナーでフロントサイドノーズグラインド、バックサイドテールスライド、エクステンションボックスでフロントサイド スミスストール、バックサイドノーズグラインド、ステイルフィッシュディザスター、バックサイドクレイル、ジャンプボックスをインディエアで越えて、最後は5-0グラインドフェイキーなどをフルメイク。

パリオリンピック予選ツアー大会から変わらない、安定感のある滑りで85.04点を獲得。

5人目の滑走者は、東京オリンピックでは6位だったアメリカのブライス・ウェットスタイン(20歳)。緊張からか、序盤でバックサイドフィーブルグラインドをミスしてしまうが、オリンピックの舞台を楽しむ姿は変わらない。

6人目、最終滑走者の四十住。
バックサイドエア、ファストプラントバリアル、フロントサイドスミスグラインド、ヒールフリップインディ、ジュードーエア、フロントサイドリップスライドtoスミスグラインド、バックサイドテールスライド、ジャンプボックスレールにバックサイドボードスライド、最後はバックサイド360オーリーなどをフルメイク。79.70点を獲得。

ラン2本目。
草木は1本目に失敗したアーリーウープのバックサイドエアを体勢を崩しながらもメイクするが、バックサイド540で失敗。3本目に全てをかける。

続いて首位の開は1本目にフルメイクしたラン構成に加えて、ラストトリックではオーリーtoウォールライドを決め、またもフルメイク。さすがの安定感と、どんなセクションにも対応できる開ならではのスキルの高さを見せ、88.07点。1本目のランからさらに3点伸ばし首位をキープ。

5人目、ブライスはファストプラント、トランスファーからのバックサイド50-50グラインド、リーンtoテール、フロントサイドリップスライド、ジュードーエア、バックサイド50-50グラインドフェイキーアウト、キャバレリアルオーリー、ジュードーディザスターなど決めるフルメイクの滑りで75.22点を獲得。暫定3位につける。

6人目の滑走者、暫定2位の四十住はヒールフリップインディをミスしてしまう。

ラン3本目。
ここでミスしたら予選敗退の草木。
かなりのプレッシャーがかかるシーンにも関わらず、笑顔のスタートはさすがの一言。

ジャンプボックスでバックサイド360、サランラップエア、サランラップテール、アーリーウープ バックサイドエア、バックサイド540、バックサイドロックンロール、最後はフロントサイドフィーブルグラインドなどを完璧に決めきるフルメイクの滑りを見せると、85.11点を獲得し、暫定2位につける。

最後はしっかりフルメイクするところに、ここまでのオリンピック予選ツアーを戦い抜いてきた強い精神力がうかがえた。

開は途中フロントサイドスミスストールをミスしてしまうが、暫定1位。

5人目、ブライスの最終滑走。
フロントサイドノーズブラント、オーリーアップからのフロントサイドリップスライド、ファストプラント、マドンナディザスター、ジュードーエア、バックサイド50-50グラインドフェイキーアウト、キャバレリアルオーリー、フロントサイドに飛ぶジュードーエアなどをフルメイクすると、85.65点を獲得し暫定2位に。

6人目の滑走者、暫定4位の四十住はファストプラントバリアルを失敗してしまい、順位は変わらず。

ヒート1は暫定トップが開、2位にアメリカのブライス、3位が草木、4位が四十住で残りの選手を待つ。

 
 
 
 
 
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予選ヒート2には、世界ランキング7位ブラジルのライカ・ベンチュラ(17歳)、東京オリンピック10位ブラジルのイサドラ・パチェコ(19歳)、今大会最年少出場の11歳、中国のセイ・コウコウが出場。

ライカはバックサイド540、バックサイド360など高いレベルの滑りを見せるが、3本ともフルメイクのランを見せることができず。

イサドラは1本目にインバート、オーリーアップのフロントサイド5-0グラインド、フロントサイドクレイル、インディエア、オーリーアップのフロントサイドスミスグラインド、ステイルフィッシュエアなどをフルメイク。82.07点を獲得して暫定4位に。

この時点で四十住は暫定5位に。

最年少、セイ・コウコウは2本目、3本目でキックフリップインディを狙うが決めきれず。
ヒート2終了時点で暫定順位は、1位が開、2位がブライス、3位に草木、4位にイサドラ、5位に四十住でヒート3を迎える。

 
 
 
 
 
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ヒート3には世界ランキング2位オーストラリアのアリサ・トルー、東京オリンピック銅メダリスト、イギリスのスカイ・ブラウンが登場。

アリサはラン1本目ではフルメイクの滑りを見せられなかったが、2本目のランではジャンプボックスでバックサイド360、ウェドル(ミュート)540、マドンナ、フロントサイドスミスグラインド、フロントサイドエア、バックサイドエア、バックサイド50-50グラインド、フロントサイド50-50グラインド、フロントサイドノーズグラインドフェイキー、スイッチメロン、ウェドルキャバレリアル、バックサイド5-0グラインド、フロントサイドリップスライドをしっかり決め、82.95点を獲得し暫定5位につける。
この時点で四十住は7位に後退。

スカイは1本目のランで、スタイルの入ったインバート、アーリーウープ フロントサイドエア、バックサイドテールスライド、アーリーウープ バックサイドエア、高さのあるステイルフィッシュエア、スパインでフロントサイド360などフルメイクの滑りを見せ84.75点を獲得し暫定4位につける。

本人のインスタグラムで、パリ入り直前に肩を脱臼していたことを明かしており、今年2月に膝の靭帯も痛めていたことも相まって、万全ではないにも関わらず素晴らしい滑りを見せた。

ヒート3を終えた時点で、暫定1位が開、2位がブライス、3位に草木、4位にスカイ、5位にアリサ、6位にイサドラ、7位に四十住と続き、ヒート4の滑りを待つ。

 
 
 
 
 
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ヒート4には女子パーク出場者で最年長となるブラジルのドラ・バレラ(23歳)、スペインのナイア・ラソ、フィンランドの新星ヘイリ・シルビオ(13歳)などが出場。

ラン2本目にナイアがバックサイドテールスライド、コーナーでのバックサイドリップスライド、オーリーアップからのフロントサイドリップスライド、ジャンプボックスでのバックサイド360、バックサイド5-0フェイキーなどフルメイクのランを見せ82.49点を獲得し暫定6位。
ここで四十住が8位に後退。

直後、ヘイリのラン2本目。
ジャンプボックスでバックサイド360、ウェドル(ミュート)540、ウェドルエア、フロントサイドエア、フロントサイドクレイルスライド、スパインでフロントサイドリップスライド、ジャンプボックスをインディエア、コーナーでフロントサイドスミスグラインド、バックサイドエアから、最後はジャンプボックスレールでバックサイドボードスライド、インバートを続けて決めると83.42点を獲得。

暫定5位につけると、ここで四十住が9位に陥落し、予選敗退が決定する。ヘイリは得点が表示された瞬間、涙を見せて喜ぶ姿を見せた。

ドラは2本目のランでインバート、ジャンプボックスでバックサイド360、ヒールフリップインディなどフルメイクのランで82.29点を獲得し、ここで暫定8位につける。

最終的には予選1位が開、2位にブライス、3位が草木、4位にスカイ、5位ヘイリ、6位アリサ、7位ナイア、8位ドラという結果になり、四十住は残念ながら10位で予選を終えた。

【東京大会越えのハイレベルな戦いとなった決勝】

 
 
 
 
 
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決勝はかつてないハイレベルな戦いに。

ラン1本目。
ブラジルのドラ・バレラがジャンプボックスレールでのバックサイドフィーブルグラインド、インバート、ジャンプボックスでバックサイド360、ジャンプボックスでのヒールフリップインディなどフルメイクの滑りを見せ、85.06点。

スペインのナイア・ラソは、後半のジャンプボックスでのバックサイド360をミスしてしまい、59.85点。

オーストラリアのアリサ・トルーはジャンプボックスでのバックサイド360、ウェドル(ミュート)540、マドンナなどを決めるが、途中バックサイド50-50グラインドでミス。得点は35.53点。

フィンランドのヘイリ・シルビオはジャンプボックスでのバックサイド360、ウェドル540など高難度のトリックを決めたが、後半にジャンプボックスレールでのバックサイドボードスライドフェイキーをミスしてしまい71.40点。

イギリスのスカイ・ブラウンは、インバート、アーリーウープでのエアに加え、ジャンプボックスでのキックフリップインディなどを決め、ブザー後のフロントサイド360はミスしてしまうが、得点は80.57点を獲得。

草木ひなのは、1発目にジャンプボックスでのサランラップ360をミス。

アメリカのブライス・ウェットスタインは、フロントサイドノーズブラント、ギャップ越えのフロントサイドリップスライド、ファストプラント、ジュードーエア、フロントサイドのジュードーエア、キャバレリアルオーリー、ブザー後にはなったがスパインでのノーズブラント トランスファーなどを決めると88.12点を獲得し、暫定首位に。

開心那は、ジャンプボックスレールでバックサイドフィーブルグラインド、コーナーでのフロントサイドノーズグラインド、バックサイドテールスライド、インディエア、エクステンションボックスでフロントサイドスミスストール、バックサイドノーズグラインド、スパインでバックサイドフィーブルグラインド トランスファー、リーンtoテール、ステイルフィッシュディザスター、バックサイドクレイル、ジャンプボックスをインディエアで越えて、最後はオーリーからのウォールライドを決め、見事にフルメイク。

大舞台でも安定した滑りを見せるとともに、女子では唯一のウォールライドを見せ91.98点を獲得。
一気に暫定トップに躍り出る。

ラン2本目。
暫定3位のドラはクォーターパイプでヒールフリップインディ、ジャンプボックスでのバックサイド360などを決めるが、ラン後半のジャンプボックスでのヒールフリップインディをミスし、得点は伸ばせず。

ナイアは2発目のトリック、バックサイドテールスライドをミス。

アリサはジャンプボックスでのバックサイド360、ウェドル540、マドンナ、キックフリップインディ、フロントサイドノーズグラインドフェイキーからスイッチメロンでジャンプボックスを越え、フロンサイドキャバレリアルインディなどを決め90.11点を獲得し、開に続いて暫定2位につける。

ヘイリは1本目のランと同様、後半のジャンプボックスレールでのバックサイドボードスライドフェイキーをミスしてしまい71.56点

暫定5位のスカイはインバート、アーリーウープ フロントサイドエア、バックサイドテールスライド、バックサイドエア、フロントサイドスミスグラインド、アーリーウープのバックサイドエア、フロントサイドタックニー、フロントサイド50-50グラインド、スパインをブラントで越えて、バックサイド50-50グラインド、ジャンプボックスでキックフリップインディ、ステイルフィッシュエア、最後はスパインをフロントサイド360で越えてフルメイク。得点91.60点で暫定2位につける。

暫定8位の草木。
ジャンプボックスでのサランラップ360を決めるが途中、キックフリップインディをミスしてしまい得点は17.86点。

暫定4位のブライスはランの途中でミス。

暫定1位の開は1本目のラン、後半のジャンプボックスでのインディエアをキックフリップインディに変えて狙うもミス。

ラン3本目。
暫定5位のドラはジャンプボックスレールでのバックサイドフィーブルグラインド、クォーターでのヒールフリップインディ、ジャンプボックスでバックサイド360、ジャンプボックスでのヒールフリップインディなど1本目のランからさらに難易度を上げたランを見せ、89.14点を獲得し暫定4位につける。

暫定7位、まだフルメイクの滑りを見せていないナイアは、バックサイドテールスライド、フロントサイドのクレイルスライド、コーナーでのバックサイドリップスライド、トランスファーからのフロントサイドリップスライド、ジャンプボックスでのバックサイド360など、フルメイクの滑りを見せ86.28点を獲得し暫定6位に。

暫定3位のアリサは、ジャンプボックスでのバックサイド360、ウェドル540、ボディバリアル540、フロントサイドエア、キックフリップインディ、バックサイド50-50グラインド、スパインをフロントサイド50-50グラインド、フロントサイドノーズグラインドフェイキーからスイッチメロンでジャンプボックスを越え、フロンサイドキャバレリアル インディ、最後はエクステンションボックスでフロントサイドノーズブラントから180アウトを決める滑りを見せると、93.18点を獲得。
大逆転で暫定トップにつける。

暫定7位のヘイリは、ウェドル540などを決めると1本目、2本目で外したジャンプボックスレールでのバックサイドボードスライドフェイキーアウトを決めると、立て続けにフェイキーウェドル540を決めるフルメイクの滑りを見せる。
しかし、最後のフェイキー540がコーピングを越えず、高さが出せなかったためか得点は90点台に届かず、88.89点で暫定5位に。

暫定3位、スカイはインバート、アーリーウープのフロントサイドエア、バックサイドテールスライド、バックサイドエア、フロントサイドスミスグラインド、アーリーウープのバックサイドエア、フロントサイドタックニー、フロントサイド50-50グラインド、スパインをブラントで越えて、バックサイドリップスライド、ジャンプボックスでキックフリップインディ、ステイルフィッシュエア、スパインをフロントサイド360で越えて、見事フルメイク。得点を伸ばして92.31点で開を抑え、暫定2位につける。

暫定8位、あとが無くなった草木は最後まで攻めの姿勢を崩さない。

ジャンプボックスでのサランラップ360、バックサイドエア、キックフリップインディ、フロントサイドエア、サランラップtoテール、バックサイドエア、アーリーウープのバックサイドエア、フロントサイド5-0グラインド、最後は草木のニュートリックとなるボディバリアル540にトライするも、残念ながら失敗。

見ているこちらも本当に悔しいラストランとなったが、最後まで笑顔でオリンピックの舞台を楽しむ、鬼姫ならではの姿を見せてくれた(69.76点)。

暫定6位のブライスは最後、キャバレリアルディザスターにトリックの難易度を上げるが惜しくもミス。

暫定3位、最終滑走者となる開は笑顔で最後のランへ向かう。

ジャンプボックスレールでバックサイドフィーブルグラインド、コーナーでのフロントサイドノーズグラインド、バックサイドテールスライド、インディエア、エクステンションボックスでフロントサイドスミスストール、バックサイドノーズグラインド、スパインでバックサイドフィーブルグラインド トランスファー、リーンtoテール、ステイルフィッシュディザスター、バックサイドクレイル、2本目に外したジャンプボックスでのキックフリップインディを決め、最後はウォールライドを完璧にメイク。

最後の最後までフルメイクのランで終えるタフな精神力と安定抜群のスタイリッシュなトリック構成の滑りを見せ、92.63点を獲得。アリサの得点には届かなかったが、見事2大会連続銀メダルを獲得した。

イギリスのスカイ・ブラウンも、2大会連続での銅メダルを獲得。2種類の540と、高難度のフェイキートリックなどを見せたオーストラリアのアリサ・トルーが金メダルに輝く結果となった。

【代名詞に加え、誰も攻めなかったセクションも攻略!開心那】

 
 
 
 
 
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スタイリッシュで、ミスのない安定した滑りが持ち味の開は予選1本目でフルメイクの滑りを見せると85.04点を獲得。予選2本目では、ラストトリックで誰も攻めなかったセクションでウォールライドを決めるとさらに得点を伸ばし、88.07点を獲得し首位で決勝に進出。

決勝1本目のランからフルメイクのランを見せ、いきなり90点越えの91.98点を獲得し暫定首位に立つ。しかしその後、アリサ・トルー、スカイ・ブラウンに順位を抜かれると、迎えた3本目のランではさらに攻めたランを見せる。

ジャンプボックスレールでバックサイドフィーブルグラインド。
コーナーでのフロントサイドノーズグラインド。
バックサイドテールスライド、インディエア、エクステンションボックスでフロントサイドスミスストール。
バックサイドノーズグラインド、スパインでバックサイドフィーブルグラインド トランスファー、リーンtoテール、ステイルフィッシュディザスター、バックサイドクレイル。
ジャンプボックスでのキックフリップインディを決め、最後はオーリーアップからのウォールライドを完璧にメイク。

最後のランまで強い精神力と、全てのトリックの着地が完璧なさすがの安定感を見せて92.63点を獲得。2大会連続となる銀メダルでパリオリンピックを終えた。

【五輪を機に進化のスピードが加速するスケートボード】

 
 
 
 
 
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東京オリンピックの時に勝敗を分けたのは、金メダルを獲得した四十住さくらのバックサイド540とオーリー540という、2種類の540スピントリックを入れた構成だった。

今大会は、オーストラリアのアリサ・トルーがウェドル540とボディバリアル540という2種類の540に加え、キックフリップインディ、スイッチのエア(メロン)とさらにはフェイキースタンスからフロンサイドキャバレリアルインディ、最後にフロントサイドノーズブラントから180アウトと、東京大会に比べて女子パークシーンの技の進化がさらに加速したことを象徴するような大会となった。

4年後のロサンゼルス大会では、一体どんな進化が見れるのだろうか。
想像もつかない世界を見せてくれる女子パーク選手の滑りを楽しみに、4年後を待ちたい。

【日本勢の強さ】

 
 
 
 
 
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一昔前と違い、SNSの普及に伴って世界中のトップスケーターのトリックをリアルタイムに追うことができるようになったのは言うまでもないが、女子スケーターは男子スケーターに比べてフィジカルが高くない分、パーク種目の大きさのコースにいかにエアトリックやフリップトリック、リップトリックなどの高難度トリックが対応できるかがポイントになる。

海外勢に比べて体格が大きくなくて重心が低く、スケートボードが持つ独特の繊細さが求められる中で、日本人は器用で俊敏性が高いという部分がポイントになると考えている。

加えて重要なのが、東京オリンピックの少し前あたりから、X Gamesなど海外の主要コンテスト出場への門をこじあけ、結果を出してきた先人たちの努力と、そういった最高峰の大会に出場して勝つため、ひたすらコツコツと努力を続け、1カ国3人までしか出場できないオリンピックという狭き門に向かって切磋琢磨し、過酷な練習を積み重ねて自分越えを続けてきた強い精神力はもうどんな大会でも強みになるだろう。

スケートボードが持つ本来の“楽しむ”という文化を大事にしつつ、日本勢特有の強い気持ちと切磋琢磨してきた歴史がスケートボード強豪国へと進むことができた一つの理由だと感じた。

【パリオリンピック女子パークリザルト】

 
 
 
 
 
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1位 アリサ・トルー(オーストラリア)–93.18
2位 開 心那(日本)–92.63
3位 スカイ・ブラウン(イギリス)–92.31
4位 ドラ・バレラ(ブラジル)–89.14
5位 ヘイリ・シルビオ(フィンランド)–88.89
6位 ブライス・ウェットスタイン(アメリカ)–88.12
7位 ナイア・ラソ(スペイン)-86.28
8位 草木 ひなの(日本)–69.76

以下予選敗退順位
9位 イサドラ・パチェコ(ブラジル)–82.07
10位 四十住 さくら(日本)–79.70
11位 ルビー・トルー(オーストラリア)–77.89
12位 ライカ・ベンチュラ(ブラジル)–76.24
13位 ルビー・リリー(アメリカ)–75.07
14位 リリ・シュテファジウス(ドイツ)–74.40
15位 ロラ・タンブリング(イギリス)–73.85
16位 エミリー・アレクサンドラ(フランス)–73.48
17位 フリア・ベネデッティ(スペイン)–70.27
18位 セイ・コウコウ(中国)–63.19
19位 ミナ・ステス(アメリカ)–54.71
20位 フェイ・エバート(カナダ)–51.82
21位 ナナ・タブレ(フランス)–42.33
22位 アヤ・アサカス(モロッコ)–13.68

文 小嶋勝美
スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。
約10年間芸人として活動後、現在は放送作家としても活動中。

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この記事を書いた人

放送作家 小嶋勝美

お笑い芸人として活動後、放送作家に転身。 スポーツ番組やバラエティ番組などに携わる傍ら、20年以上続けている大好きなスケートボードのライターとしても活動。 コンテスト記事の他、スケボーの情報や面白い発見を伝えていくと共に、スケートボードが持つ素晴らしさを多くの人に広めていきたいと思っています

放送作家 小嶋勝美が書いた記事

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