満島ひかりが8年間毎日やっている事は?きっかけは『ONE PIECE FILM GOLD』

2025/09/08
石井隼人

テレビアニメ『オッドタクシー』のクリエイターによるオリジナルアニメ映画『ホウセンカ』(10月10日公開)がついに完成!9月4日には新宿バルト9にて完成披露舞台挨拶が実施され、声優を務めた小林薫、戸塚純貴、満島ひかり、宮崎美子、ピエール瀧、そして木下麦監督が登壇した。

満員御礼の中で行われたこの日、現在の阿久津実を演じた小林は「ささやかな事が凄く大事で、幸せなことだと思わせる作品です。僕自身も作品を観た後はとても良い気持ちで帰りました」と手応え。普段の実写演技との違いを感じたそうで「役を演じた実感がないというか、スタンドマイクの前に立って画面を見て声だけを出すことは違和感を伴う。声だけの表現なので気合を入れようと踏ん張るけれど、それに疲れて終わった後は放心状態で家に帰りました」と熱演を報告した。

ちなみにピエールも収録後は徒歩で帰宅したそうだが、小林曰く「僕が感じたものと同じ放心状態を感じて徒歩で帰られたのかなと思ったら、ピエールさんは普段から歩いて帰っているとの事でした」と勘違いに照れ笑い。これにピエールは「単に僕は歩いて帰るのが趣味なので…。それを小林さんは勘違いされた」と笑わせた。

人の言葉を話すホウセンカを演じたピエールは、小林にアニメーション声優のイメージがなかったことから、アフレコ収録時には小林に対して台本のページの捲り方などをアドバイスしたという。だが「後から『あ、ジブリをやっている人だ…!』と思って。そんな方にアドバイスしたことが恥ずかしくなった」と反省。小林との共演を振り返り「2人で2日間声を当てさせていただき、濃密に芝居をする貴重な経験をさせていただきました」と感激していた。

過去の阿久津実を演じた戸塚は声優初挑戦。「普段の芝居とは違う作り方でした。先に薫さんの声が収録されていて、その声を聴いてから僕が過去の阿久津を演じるということで、2重にわからなくなった。でも薫さんの声を乗せた阿久津さんがヒントにもなって、そこに僕が繋げるような気持ちで臨めばいいのかと思った」と2年前に行われた収録を回想した。

過去の永田那奈を演じた満島は、かつて声優を務めた『ONE PIECE FILM GOLD』での経験に触れて「その時にアニメーションの現場に圧倒されて、日本の素晴らしいクリエイターはここにいたんだと思った。アニメの世界のスタッフたちに魅了されて、そこからアニメを学ぼうと思って8年くらい毎日何かしらのアニメをずっと観ているくらい、アニメを作る方に感動し続けていました」と告白した。

そんな満島は初共演の戸塚について「10年くらい前に何かの映画で拝見した時に、昔の役者さんが現代にタイムスリップしてきたような役者さんだと思って、白黒時代の若者みたいだなと勝手に思っていました。今回は良い意味で空っぽに感じる場面があって、それが愛おしく感じられます。空っぽな声が出てくるけれど、それが情報で自分自身を反芻して見ていない若者に感じられてとても良い。その阿久津の空っぽさに救われました」と独特な味わいに感動していた。

この日9月4日は小林74回目の誕生日。木下監督から小林の似顔絵イラスト、戸塚からは花束が贈呈された。このサプライズ祝福に小林は「こんなに嬉しい事はありません。このイラストは家宝にします」と喜色満面だった。

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石井隼人
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石井隼人

映画好きエンタメ系フリーライター。「来るもの拒まず平身低頭崖っぷち」を座右の銘に、映画・音楽・芸能・テレビ番組などジャンル選ばず取材の日々。ありがたいことに映画作品のパンフレット執筆、オフィシャルライター&カメラマンを拝命されたり、舞台挨拶の司会をしたり…何でもやります!

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