伝説のギャグ漫画『マカロニほうれん荘』。連載終了から39年経った今でも、一番好きだったマンガとして挙げる人は多い。私もその一人。大げさでなく“笑いのバイブル“だった。当時買ったコミック全9巻は今でも大事に本棚に並べてある。なんと、その「マカロニほうれん荘」の生原画の展示会を、東京・中野ブロードウェイで初めて開催すると、株式会社秋田書店が発表した。
<展示会名>
「マカロニほうれん荘展 - MACARONI IS ROCK ! - 」
<会期日程>
2018年5月19日(土)~6月3日(日)12:00~19:00
※水曜定休
<会場>
ギャラリー「Animanga Zingaro」
東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ2F
奇想天外、唯一無二のギャグマンガ
週間少年チャンピオンで1977年から’79年まで2年間連載した。たった2年で伝説を作ったのだ。
高校に入学した沖田そうじの下宿アパートが「菠薐荘(ほうれんそう)」、ここに2人のクラスメイトである落第生の、金藤日陽(きんどうにちよう・愛称きんどーさん)40歳と、膝方歳三(ひざかたとしぞう・愛称トシちゃん)25歳が転がり込み、同居生活するというところからスタートする。
普通のマンガなら、主人公が夢を叶えるとか、何か大きなテーマや謎、縦軸となる目標などがあるものだが、この作品にはそれがない。1話の中にそれなりにストーリーはあるが、その中でトシちゃんときんどーさんがハチャメチャな悪ふざけをしてドッタバタな展開で終わるのである。
笑わせることに特化したように、1コマ1コマがハードロックのような疾走感でリズムよく展開されてゆく。まるで「マンガは自由に何をどう描いてもいいでしょ?」と言わんばかりに、登場人物の衣装、場面などが好き勝手に変化する、ムチャクチャなマンガだった。
今から約40年前、過去に類を見ないこんな作風がバカウケしたのである。
多くの漫画家のバイブル
「マカロニほうれん荘」作者・鴨川つばめ、に影響を受けたであろう漫画家は作品を見てわかった。
例えば、江口寿史や鳥山明もリスペクトしていることがよくわかる。ギャグの展開や、キャラの変わり身などは読んでいて誰もが感じたはず。また当時、新連載したギャグマンガを読んで「これマカロニのマネしてる」と思う作品は沢山あって、友達とどれほどマカロニが凄いマンガかを談義したものだった。
このウェブ記事に、マンガの中身までは写せないが、今読み返してみても笑えるし、「どうしてこんな展開に持っていけるのだろう」と感心し唸ってしまう。
店内のBGMは”マカロニ”ロックンロール
そんな「マカロニほうれん荘」で印象深いのは、
1ページ目の表紙の絵が特に“エロい”こと。
戦争のパロディが多くしかも知識が深いこと。
ロックンロールが流れること。
などがある。ロックンロールが流れると表現したのは、作品の中にクイーン、キッス、レッド・ツェッペリン、エアロスミスなどのロックアーチストをパロディで登場させるシーンがとても多かったという意味。
今回の中野ブロードウェイでの展示会では、店内BGMに鴨川つばめさんが選曲したロックの名曲が流れるそうである。そんなマカロニロックを聴きながら、鴨川つばめ先生が描いた生原画が100枚展示され、オリジナルグッズや、もちろんコミックも販売される。できれば日本のギャグマンガ史に残るこの一作を読んで欲しい。
思い出す、様々なギャグやセリフ・・・
「ボク、トシちゃん25歳」
「トシちゃんかんげきー!」
「ちょー ちょー」
「おーおっほ! おっほおっほ!」(ゴリラダンス)
「あたしはきんどーちゃん」
「やーねー」
「ノオーッ!」
「たまりませんわん」
「キャイ~ン!」
「うーんなんだぁ」
私も、小学生時代へタイムスリップしに出かけるつもりだ。