意外と「冷え」ている春夏!おすすめの鍋3選

2022/04/26
佐伯美佳

突然ですが、平熱は何度ですか? 36.0℃以下なら要注意! 「冷え」というと女性のイメージがありますが、実は男性も冷えには注意が必要なんです。春夏は冷房利用等からうっかり冷えが進行、不調が現れ深刻な病気につながることも……。そんな冷えた身体を一発逆転できるのが鍋。おうちはもちろん、キャンプやアウトドアシーンでもおすすめの春夏鍋を美味しく食べながら冷え対策しましょう。

■冷えは春夏から始まっている!男性も冷えていた!?

冷えは春夏から始まっており、実は男性も冷えているというのをご存知ですか?
春夏に冷えやすい理由は次のことがあります。

・新しい環境で緊張やストレスを感じ血行が悪くなる
・夏、冷房のきいた部屋で長時間過ごしている
・冷たい飲み物や食べ物をとる機会が増える
・暑さを避けるために車や電車で移動するなど、身体を動かさなくなる

心当たりのある人は多いのでは?

また、実は女性だけでなく、男性も冷えていることが判明。
1957年に行われた日本人の平均体温調査では、全体の約70%の人が36.9℃! 高いですよね。現代は家電の進化や交通機関の発展によって、運動不足の人が増加したことなどを背景に、日常生活や仕事でのストレスが多くなり、女性だけでなく、男性にも冷えを感じている人が増加しており、自覚がない「隠れ冷え性」「低体温」の人も増えているといわれているのです。

LINE株式会社が2020年12月に実施した調査では、「自分は冷え性だと思う」と回答したのは男性で41%、女性は75%にも上っています。また男性は10代がもっとも高く、57%が冷えを感じていることがわかりました。

出典:LINEリサーチ「LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査」(https://research-platform.line.me/archives/36982011.html)

生まれたときからエアコンのきいた快適な環境で過ごしがちな若い世代は、自ら体温調節をする機能が弱く、冷えを感じやすい傾向があるといわれています。

■冷えは身体に悪影響を及ぼす!

冷えは、放っておくと意外にも深刻な悪影響につながるといわれています。神奈川歯科大学大学院 統合医療学講座 特任教授 川嶋 朗先生は、平熱が36.0℃以下であれば、自覚症状がなくても、冷えと言えると述べています。
また、川嶋先生は、冷えによって血流が悪くなり、免疫力が低下すると解説しています。

「身体が冷えると、全身を巡る血液の循環が悪くなり、細胞に酸素や栄養素を届け、老廃物を回収する働きが滞ります。その結果、細胞の働きが悪くなり、新陳代謝が低下。身体の熱を産生する働きに悪影響を及ぼし、体温が下がります。体温が下がると免疫力が低下することが、基礎的な研究によって明らかになっています。異物を排除する免疫細胞の力が衰えると、病気と戦う力が弱くなり、生活習慣病などのさまざまな病気やメンタルの不調につながりやすくなります」(川嶋先生)

そして順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生は、冷えによって自律神経のバランスが崩れ、心身にさまざまな不調を招きやすくなると述べています。

「自律神経には『交感神経』と『副交感神経』の2種類があり、心身が緊張しているとき交感神経が優位に、リラックスしているときや睡眠中などは副交感神経が優位に働き、それぞれバランスを取りながら身体を最適な状態に保っています。
現代人は男女の別なく、ストレスを多く抱え、常に緊張に強いられ、自律神経の交感神経が優位に働いています。交感神経が優位になると、血管の緊張が増して収縮し、血液の流れが滞り、冷えを招きます。身体が冷えた状態が続くと、血流がさらに悪くなり、自律神経のバランスを崩す悪循環に陥りやすくなるのです。自律神経は、呼吸、心拍、血管、筋肉、内臓機能を調整する重要な神経であるため、冷えによって、そのバランスが崩れると、身体や心にさまざまな不調が現れやすくなります」(小林先生)

■春夏は「鍋」料理がおすすめ!

冷えは春夏にも油断大敵。今はコロナ禍で免疫力も高めたい時期ですから、しっかりと対策を。冷たいものをなるべくとらないようにしたり、服装に気を付けたり、冷房を控えめにするなどの基本的な方法の他におすすめなのが「鍋」。春夏に鍋?と思うかもしれませんが、実は春夏こそ鍋がぴったりな季節だったのです!

料理家の浜内千波さんと安井レイコさんは次のようにアドバイスしています。

●冷房で冷えた身体を温めてくれる

「暑い季節は、アイスクリームやジュース、アイスコーヒーやビール、冷やし中華やそうめんなど、冷たい食べ物や飲み物をとる機会が多くなります。エアコンのきいた部屋で、体が十分冷えているのに、さらに冷たい食べ物や飲み物をとると、胃腸がとても冷えてしまいます。これでは内臓の働きを悪くするだけでなく、代謝が落ちて免疫力の低下にもつながり、さまざまな病気を引き起こす原因に。鍋を食べることにより、冷房で冷えた身体を、一つのメニューだけで簡単にお腹の中から温めることができ、冷たくなりやすい手足の末端まで全身が温まります」(浜内さん)

●不足しがちな野菜をたっぷり補給

「春夏は生野菜を多く食べる傾向がありますが、生野菜はカサが多いわりに実は十分な量を摂取できていない可能性があります。春夏野菜は水分を含むものが多いので、鍋に入れるとカサが減り、栄養価の高い緑黄色野菜含め、たくさんの野菜を食べることができます。また鍋にすることで、肉や魚介、ダシの旨味が野菜に加わり、おいしさが増すため、自然とたくさん食べることができるメリットもあります」(浜内さん)

●春夏のアウトドアで「キャンプ鍋」を楽しめる

「春夏はキャンプやグランピングなどが盛り上がるシーズン。アウトドアでは調理が簡単で、家族や友だちと楽しく食べることができる『キャンプ鍋』が人気ですが、たっぷり作れて、どんな食材もおいしくできる『ちゃんこ鍋』をおススメします。朝晩に寒さを感じる時は、ショウガをたっぷり効かせると、冷え対策にもなります。また、味噌と甘酒を半々に入れて作る『豚汁』もおいしくてヘルシー。カレーやハヤシライスに味変しても、旨味と甘味がミックスされて、味に深みが増します」(安井さん)

■春夏におすすめの鍋レシピ3選

春夏にぴったりの鍋レシピ、浜内さんと安井さんそれぞれが教えてくれました! 早速作ってみましょう。

1.冷しゃぶイタリアーノ(イタリアンソースで食べる冷しゃぶ)

冷しゃぶイタリアーノ

安井さん考案のこのレシピは、夏にも食べやすい冷やししゃぶしゃぶです。豚肉、レタス、きゅうり、トマトなど、お好みの具をトマト味のタレにつけて、爽やかな味わいに。余熱で調理できるため、鍋ごと食卓に出せば、みんなでワイワイ楽しく大鍋を囲むことができます。シメは、スパゲッティやショートパスタを入れてスープパスタにすればより一層イタリアンに!

【材料】(2人前)
しゃぶしゃぶ用豚肉 200g
白ワイン・オリーブオイル 少々
にんにく 1片
コンソメ 1/2個
水 500ml
野菜:レタス、きゅうり、トマト、レモンの薄切り、ベビーコーン、カイワレ大根などお好みで

●トマトだれ
カットトマト水煮(缶詰) 1/2缶(約220g)
にんにく 1片
玉ねぎ 10g
パセリ 1/2本(約3g)
オリーブ 4個
タカの爪 1/2~1本
塩小さじ 1/4
こしょう 少々
レモン汁 小さじ1/2

【作り方】
(1)鍋に水を入れて火にかけ、白ワイン、オリーブオイル、コンソメを入れて沸騰直前になったら、薄切りにしたにんにくと豚肉を1枚ずつ入れ、フタをしたら2~3分で火を止めて冷ましておく
(2)トマトの水煮(缶詰)を潰し、そこにすりおろしたにんにく、玉ねぎとパセリ、オリーブとタカの爪のみじん切りにしたもの、塩、こしょう、レモン汁を混ぜてたれを作る
(3)(1)の湯が冷めたところで、氷を入れて冷やし、好みの野菜を盛って、(2)のソースを添えたらできあがり
(4)具を食べ終わったところで、鍋を火にかけ、残ったトマトの水煮、スパゲッティ(もしくはショートパスタ)を入れて茹でると、スープパスタの〆のできあがり。粉チーズをたっぷりかけて。

2.スタミナ鍋

スタミナ鍋

浜内さん考案の元気が出るレシピ。サニーレタスや豆苗、ニラなどを豚肉と一緒に食べる、しゃぶしゃぶ鍋です。豚肉×ニラのスタミナ抜群の栄養が夏の疲れを回復へと導きます。豚肉と一緒に、少し火の入った野菜を食べると、大量の野菜もあっという間に食べることができるそうですよ。また、味付けされた汁に豚肉をくぐらせるとアクが出にくく、汁もおいしく味わうことができます。シメは中華麺がおススメだそう!

【材料】
ニラ 100g
サニーレタス 1個
豆苗 1パック
豚ロース肉しゃぶしゃぶ用 200g
醤油 大さじ2
塩 小さじ1
酒 大さじ2
水 600cc
中華麺 1束

【作り方】
(1)ニラと豆苗は5cm幅に切り、サニーレタスは1枚ずつはがしておく。
(2)鍋に水、酒、塩、醤油を入れ溶かして一煮立ちさせ、
(3)野菜、豚肉をしゃぶしゃぶしながらいただく。

3.酸っぱ辛い鍋

浜内さん考案の、食欲を刺激する夏の暑い日にぴったりのレシピ。抗酸化作用のあるレモンに、脂質の少ないエビや豆腐のタンパク質を組み合わせたヘルシーな一品です。輪切りにしたレモンと唐辛子がポイントです。レモンは火を通すことで甘みが増し、酸っぱさがまろやかに。身近な食材を塩で味つけ、エスニック風に仕上げますが、ナンプラーやニョクマムなどを加えると、さらにエスクニックな味わいになります。シメは春雨で!

【材料】
エビ 10尾
豆腐 1丁
キャベツ 300g
もやし 200g
レモン 1個
唐辛子 3本
塩 小さじ2
水 600cc
春雨 30g

【作り方】
(1)鍋に水、塩を入れ溶かす。
(2)豆腐は一口大、キャベツはざく切り、レモンは薄切りにする。
(3)海老、豆腐、キャベツ、もやし、レモン、種をとった唐辛子を入れて
(4)蓋をして火が通ったらできあがり。

これからの温かい季節にも、男性も冷えは油断大敵!熱い夏も元気に乗り切るために、今から鍋で元気を蓄えておきましょう!

冷しゃぶイタリアーノ鍋

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この記事を書いた人

佐伯美佳

国内出版社のWeb媒体を中心としたライター。Web業界を経て、ライターとして独立・起業。健康・美容・グルメ・ライフスタイル・ビジネスのジャンルを中心に執筆中。思わず読みたくなり、読んだら得する情報を発信してまいります。

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