今、世界的に日本酒が注目されているんです。その理由は、日本酒が特に魚介料理と相性が良いところに秘密があるようです。
世界に日本産食品の普及を推進する日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が、2019年10〜11月にニューヨークやロンドン、パリなどで、日本酒と魚介類のペアリングプロモーションを実施。その概要と共に、日本酒が魚介料理と合う理由やペアリングメニューをご紹介します。
■日本酒を欧米に普及するためのプロモーションを実施
JFOODOは2019年度、「Escape The Ordinary(日常からの脱却)」をコンセプトに、欧米市場に向けて魚介と日本酒のペアリングを提唱するプロモーションを、世界3カ国5都市のニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ロンドン、パリで開催しました。
現地の人気メディアとタイアップしたほか、影響力の高いソムリエや著名シェフを起用するなどして、日本酒がなぜ魚介と合うのかの動画配信や実食体験を提供しました。
10〜11月には、各都市の魚介料理店とコラボレーションをして、ポップアップイベントを開催。世界3カ国5都市合計で、約750人が魚介類と日本酒のペアリングを堪能。そのうち、約86%の人が今後も日本酒を飲みたいと回答したそうです。
■日本酒が魚介に合う理由
今後もますます日本酒の人気が世界で注目を集めそうです。欧米で日本酒が人気の背景としては、次の2つがあるといわれています。
●日本酒はうま味(アミノ酸)が多く魚介のうま味と合う
日本酒は世界中のお酒類の中で、最もうま味を豊富に含むお酒の一つです。JFOODOによると、ワインに比べ2~5倍ものアミノ酸(=うま味成分)を含んでいます。
日本酒のうま味と魚介類のうま味が一緒になるとうま味の相乗効果が起こり、魚介類の美味しさが倍増されるといわれています。
●日本酒の機能性
JFOODOによれば、日本酒は魚介に潜在する「不快なにおい」を引き起こさずに魚介本来の味を引き出す機能があるとしています。
よく、欧米では魚介料理に白ワインを合わせますが、ワインのぶどうは「鉄分」を含んでおり、また、多くのワインメーカーは「酸化防止剤」(亜硫酸塩)を保存料として使用します。この「鉄分」と「酸化防止剤」が魚介類と反応を起こし、魚の生臭いにおいを発生させてしまうのだそうです。
一方で、日本酒は「酸化防止剤」の使用が禁止されており、「鉄分」は精米の際に水からろ過されることから、その機能性に注目が集まっています。
■日本酒×魚介のペアリング
実際に、ニューヨークで展開された日本酒とシーフードのディナーメニュー例から、魚介料理と日本酒のペアリングを見ていきましょう!
●前菜
生牡蠣×「惣譽 辛口“Premium Dry Sake”」
オーガニックサーモンのタルタル×「黒龍 特撰吟醸 “Crystal Dragon”」
●一品目
クラブケーキ×「真澄 ひやおろし“Sleeping Beauty”」
タコのグリル焼き×「みやさか やわらか純米“Sake Matinee”」
●メイン
ロブスターのパスタ×「真澄 七號“Seventh Heaven”」
牡蠣やサーモン、タコなど、手軽に自宅でもできそうなものもあります。それぞれの日本酒も手軽に手に入りそう! 日本が誇る日本酒と魚介料理を再確認する意味でも、自宅で試してみてはいかがでしょうか?
【取材協力】
日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)
シーフード×日本酒の英国向けプロモーションサイト
「ESCAPE THE ORDINARY : The fresh harmony of Seafood & Sake」