人生100年時代と言われ、長い人生での時間を有意義に使う方法が模索されています。明治・大正時代までは平均寿命は44歳だったことを考えると、その倍以上の時間を使えるので、相当な長さです。人生としっかり向き合うためにはどのような映画を観るといいのでしょうか。
高齢者が主人公の映画が増えている
あまりにも長くなった人生。特に定年退職してから何をするべきかを「第二の人生」として真剣に考える人が増えています。新たに職に就いたり、起業する高齢者も増加しています。高齢者の恋愛や人生を考える映画も数多く出てきました。
映画「ジゴロ・イン・ニューヨーク」(2013)は年配男性が出張ホストのオーナーになるというもの、「マイ・インターン」(2015)は年配男性が新人社員として働き出すものです。とはいえ、若い世代には、リタイア後の人生は、自分とはかけ離れたものに感じてしまうようです。
命の残り時間を映画で味わう
人生100年と言われても、すべての人が必ず100年生きることができるわけではありません。余命宣告を受けた人が、限りある時間を有意義に生きようとする作品は、命の大切さをダイレクトに教えてくれます。
特に若くして余命宣告を受けた女性が最後の恋をしたいと行動を起こす「スウィート・ノベンバー」や「死ぬまでにしたい10のこと」や命尽きる前に結婚式を挙げることを夢見る「余命1ヶ月の花嫁」は、年代も近いので、若い世代も身近なこととして強いインパクを受けるはず。
黒澤明の傑作映画「生きる」
『VOGUE』2020年7月号では「100年時代を美しく生きるために今、必要なこと」という特集が組まれています。その中には「100年を生きるための映画&本100作品」という記事も。100作の映画のなかには黒澤明監督の「生きる」(1952)が入っていました。
とある役所のごく普通に生きていた職員が、ある日突然受ける余命宣告。けれどのその日から、彼は自分にできる最善を尽くそうと、生き生きと人生を歩み始めるという感動的な作品です。これと同様、里中満智子さんの漫画「6月4日月曜日」も余命短いことがわかった少女が一所懸命日々を大切に生きるストーリーでおすすめです。
100年はとても長く、だから多少日々を無駄遣いしてもいいのではと考える人もいるかもしれません。けれど、長い人生は1日1日の積み重ねなのです。人生についての大切なことをを、映画や本は教えてくれています。