
3月8日は国際女性デーということで、今回は未来を選ぶ力をすべての女性が持てるように活動を続ける桜十字グループの取り組みを紹介します。
桜十字グループは、多くの女性の生殖に関する悩みを解決するため不妊治療を続けています。今回は国際女性デーにあわせ、現代の不妊治療の選択肢や最新のデータで見る日本の不妊治療の動向などを、医療法人社団東京桜十字 桜十字ウィメンズクリニック渋谷院長・金南孝氏監修のもと人々に向けて発信しています。
不妊治療を選べる時代に

不妊治療とライフプランの兼ね合いが取れないと考える方もいるかと思いますが、近年の不妊治療は大きく進化し、女性のライフプランに合わせた選択肢が増えています。
■体外受精:成功率向上のための新技術
先進医療技術により体外受精の成功率が向上。
費用の目安:1回あたり約30万~60万円(保険適用の場合、自己負担は3割程度)
■タイミング法:ホルモン検査やAI分析を活用したアプローチ
当院ではAI分析を用いていませんが、ホルモン検査を活用しなが ら、個々に合わせた適切な治療を提供しています。
費用の目安:1回あたり約5,000~10,000円
■社会的卵子凍結:キャリアと妊娠の両立を支援する選択肢
妊娠を希望する時期に備え、卵子を若いうちに保存することで、 将来的な選択肢を広げる手段として注目されています。
費用の目安:採卵・凍結費用約40万~70万円、年間の保存費用約 1万~5万円
■プレコンセプション・ケア:まず体の状態を「知る」ことから
若い世代が将来のライフプランを考え、健康維持に取り組むための新しい概念です。
費用の目安:AMH検査(卵巣予備能検査)約5,000~10,000円
日本の不妊治療に関するデータ

・体外受精の件数が世界最多(年間約6万件)
日本の体外受精の件数は世界でもトップレベル。これは高齢出産の増加や、不妊治療の保険適用などが影響していると考えられます。ただし、治療件数が多い一方で出生率は低下傾向にあるため、より広範なサポートが求められています。
・卵子凍結を選択する女性が5年間で2倍に増加
卵子凍結はキャリア形成を優先したい女性や、医学的理由で妊娠のタイミングを調整する必要がある人に有力な選択肢となっています。しかし、卵子凍結後の使用率は低く、実際に活用されるケースを増やすための支援策が必要です。
・6組に1組の夫婦が不妊治療を経験
不妊治療がより一般的になり多くの夫婦が取り組んでいます。これは晩婚化や生活習慣の変化による可能性があります。一方で精神的・経済的な負担も課題に。治療費の支援やメンタルヘルスサポートが求められています。
不妊治療のQ&A

なかなか人には聞きづらい不妊治療のことですが、今回は金南孝氏がその質問に答えてくれています。
Q1. 不妊治療って何歳までできるの?
A: 年齢制限は法律で決まっていませんが、一般的に45歳を超えると妊娠の可能性が低くなると言われています。 卵子の質が低下するため、体外受精でも成功率が下がります。ただし、健康状態や卵巣予備能によって可能性は異なるため、医師との相談が大切です。
Q2. 不妊の原因は女性だけにあるの?
A: いいえ、男女ともに原因がある可能性があります。 実際、不妊の原因の約半数は男性側とも言われています。 精子の数や運動率の低下、生活習慣の影響などが関係するため、夫婦で検査を受けることが重要です。
Q3. 不妊治療って全部自費?どれくらいお金がかかるの?
A: 2022年から体外受精や顕微授精の一部が保険適用に。ただし、一定の条件を満たした場合のみで、自由診療の場合は1回の治療で50万~80万円ほどかかることもあります。卵子凍結も基本的には自費で、採卵時に約40万円、保管費用が年間数万円かかります。
Q4. 体外受精で双子や三つ子が生まれることが多いって本当?
A: 以前は多胎妊娠(双子・三つ子)が多かったですが、最近は安全性を考慮し「単一胚移植」が主流です。 そのため、多胎妊娠のリスクは減少していますが、自然妊娠に比べると双子の可能性はやや高くなります。
Q5. 仕事が忙しくて治療に通えない…どうすればいい?
A: 不妊治療は通院頻度が高く、仕事との両立が難しいと感じる人も。最近はオンライン診療があるクリニックもあり、通院回数を減らせる場合もあります。 企業によっては不妊治療休暇やフレックスタイム制度があるため、職場に相談してみるのも一つの方法です。
多くの女性の幸せのため不妊治療を行う桜十字グループ。今後の活動にも期待したいです。
桜十字グループURL:https://www.sakurajyuji.jp

■監修
医療法人社団東京桜十字
桜十字ウィメンズクリニック渋谷 院長
金 南孝(きむ なむひょう)
医学博士、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、日本生殖医学会認定 生殖医療専門医、母体保護法指定医、検診マンモグラフィ読影認定医師、乳がん検診超音波検査実施・判定医師
国内有数の規模を誇るクリニックで長年にわたりトップレベルの妊娠率を記録し、多くの新しい命を誕生させてきたのちに現桜十字ウィメンズクリニック渋谷の院長に就任。
自身の体外受精の経験も経て、相手の立場になって正確な知識と技術で最良の治療を提案している。