煌びやかな21プログラムが登場!「スマートイルミネーション横浜2019」レポート

2019/11/03
岸豊

横浜市・みなとみらいの象の鼻パーク、象の鼻テラスほかにて「スマートイルミネーション横浜2019」が、11月1日から4日にかけて開催されます。初日の1日にプレスツアーが行われ、アートディレクターの岡田勉さん、そしてアーティストさんが、制作の舞台裏や見どころなどを明かしてくれました。

同イベントは、環境や省エネ技術、そしてアートの創造性を融合することで、横浜の新たな夜景を作り出すことを目的とした国際アートイベント。9回目となる今年は、11月1日~11月4日の4日間にわたって開催されます(17:30~21:30)。

テーマは「スポーツ・からだ・エモーション」。自転車をこいで光を作り出すことができるA12「たまごプロジェクト」(ミラーボーラー)、キラキラ輝く卓球台で夜の卓球をエンジョイできるA19「ルミナスピンポン」(原倫太郎+原游)、子どもたちからアイディアを募って作られたA2「チャレンジ!!象~ン-~子どもクリエイターと考えたスマイルコース~」 (髙橋匡太)など、魅力的なプログラムの数々が展開しているんです。

個人的に印象に残ったのは、A12「たまごプロジェクト」です。自転車をこぐことで照明がつく仕掛けになっていて、若者たちから中高年までが、たまごをピカピカに光らせようとハッスルしていました。

また、最も大きなプログラムであるA2「チャレンジ!!象~ン-~子どもクリエイターと考えたスマイルコース~」-(髙橋匡太)にも注目です。「みんな自由に発想する」と頬を緩める高橋さんの言葉通り、子どもらしい、自由な発想をたくさん見ることができます。とある子は、「味のり」をデザインに落とし込んでいますよ(なんと斬新なアイディア!)。ぜひ探してみてください。

プレスツアーの終了後、初回からアートディレクターを務めてきた岡田勉さんに、9回目の開催を迎えた心境を問うと「テーマが普遍的だから続けられているのかなと思うんですね」とコメント。「イルミネーションをもちろん作っているんですけど、それよりも先に、我々の明日からの生き方とか、暮らし方みたいなことを、皆で考えようっていうことで始めたイベントなんですね。もう一個は、もともとは、アーティストの創造性が、実社会でどうやって機能するかっていうことを、実感するための手段の一つとして、光を使ってみようということから入ったんです」とも語ります。

そんな構想をしている最中に発生したのが、東日本大震災でした。「大変な時だったんですよね。街は暗くなっちゃうし、危なっかしいし」と当時を振り返る岡田さんは「光を灯して皆さんを勇気づけたいってこともあったし、今までの暮らしが、スイッチを点ければ電気がつく・快適であるみたいなことに、疑心暗鬼にならなきゃいけないような状況が起きたんですよね、あの時に。そのことをきちんと考えていかないといけない局面になったんだなっていうことを強く感じたので、スマートという言葉をつけて、スタートを切ったわけです」と、“始まり”を紹介。

「今日生きている我々自身みんなが共通して持っている課題だし、問題だと思うので、そういったことをテーマに掲げてきていますから、続けてこられているのかなと思うんですよね」と考えを明かしたうえで「皆が課題として持っていなきゃいけない問題だと思います」とも語った岡田さん。

最後にメッセージをお願いすると「人間だけじゃなくて、地上に生きている生物の大半が、光を頼りに生きていますからね」「(光は)欠くべからざる要素の一つですよね」としたうえで「やれば皆さん楽しそうだし、それぞれなりの楽しみ方をして、持ち帰っていただくわけですけど、こうしたことが何かの役に立ってくれれば、嬉しいなと思っています」と、イルミネーションに対する思いを明かしてくれました。

【フォトギャラリー】

A1「The Cityscape and an Individual」(東京藝術大学大学院 美術研究科デザイン専攻 空間・演出研究室)

A2「チャレンジ!!象〜ン-〜子どもクリエイターと考えたスマイルコース〜」(橋匡太)

A3「オリンピクト」(城西国際大学メディア学部クロスメディアコース チームC)

A4「Movement act」(小野澤峻)

A5「Blink-Blink」(森田葵衣)

A6「Light line」(横浜市立大学鈴木伸治研究室)

A7「縁」(城西国際大学メディア学部クロスメディアコース チームA)

A8「光のらくがき」(株式会社中川ケミカル)

A9「痛い×アート」(石井結実)

A10「蹴鞠装置」(日下淳一)

A11「Waves」(東京大学 筧康明研究室)

A12「たまごプロジェクト」(ミラーボーラー)

A13「横浜にヒカリを」(城西国際大学メディア学部クロスメディアコース チームB)

A14「発光ジャングルジム」(チームソラ)

A15「ポンプDEイルミ vol.shadows」(松本大輔+原田弥+)

A16-「TENUN TEDUH(トゥヌン・テドゥ)」(サリタ・イブノー)

A17「ひかりおくり」(武内満)

A18「シルクルーム」(多摩美術大学×ヒビノ株式会社)

A19「ルミナスピンポン」(原倫太郎+原游)

A20「キラリと光るリストバンドを作ろう!」(株式会社中川ケミカル)

 

また、A21「船上茶会『聖なる灯』」(徳永宗夕+日下淳一)では茶の湯を楽しめます。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

岸豊
この記事を書いた人

岸豊

フリーランスのライター/フォトグラファー。1991年生まれ。写真を撮ることが大好きです。Nikon D850、F6、F3を愛用しています。中判も大判も欲しい。 ホームページ→https://www.kyphotography.online/

岸豊が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop