
9月2日(水)、東京・有楽町のコニカミノルタプラネタリア TOKYOにて、ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社による「栄養花火-もうひとつのハザードマップ」発表会が開催された。本プロジェクトは、ゼスプリが掲げるブランドプロミス「Grown for Good(育てたいのは、いい未来。)」に基づき、成人の約3人に1人が栄養不良状態にあるという日本の深刻な課題を解決するために始動したものである。
冒頭、安斉一朗代表取締役社長は、自覚しにくい「隠れ栄養不良」が生活習慣病などの深刻なリスクに繋がる現状を「見えない災害」と定義し、栄養状況を可視化することで行動変容を促したいとの強い意志を語った。

続いて、会場である「コニカミノルタプラネタリア TOKYO」のドーム空間をフルに活用した、「栄養花火」の特別投影演出が行われた。プラネタリウムの星空に、全国47都道府県の栄養状況や課題を可視化した「栄養花火」が大スケールで次々と打ち上げられた。かつて疫病退散や人々の健やかな暮らしを願って打ち上げられた花火の歴史になぞらえ、栄養不良のない未来への願いを込めた幻想的かつ色鮮やかな光の演出に、会場全体が包まれた。
データという一見無機質な数字が、夜空を彩る大輪の花として表現されることで、参加者は自身の居住地や故郷の栄養環境に自然と目を向けることとなった。

続いて登壇した猪股可奈子 アジアパシフィックマーケティング本部長からは、約1万人を対象とした大規模調査の詳細が紹介された。本プロジェクトでは、BMIだけでなく食環境、経済的環境、情報環境、個人の生活習慣、摂取栄養素など89項目の指標を分析し、各都道府県の状況を花火の大きさや色で表現している。調査の結果、過体重傾向は東北や九州の一部に多く、低体重傾向は都市圏や中国地方で目立つなど、地域ごとの顕著な違いが明らかになった。
さらに猪股氏は、日常の備えとして「栄養版ローリングストック」を提唱。パックごはん、魚の缶詰、冷凍野菜、そして果物といった栄養バランスを整えやすい食材を日頃から常備する「365日の栄養防災」という新たな習慣を提案した。

後半のトークセッションでは、データ監修を務めた日本栄養大学の武見ゆかり教授と麻布大学の五味達之祐特任助教が加わった。武見教授は、個人の努力だけでなく「自然に健康になれる環境づくり」という環境アプローチの重要性を指摘。五味助教は人間行動学の視点から、個人の食行動がいかに周囲の物理的・社会的環境に無意識に左右されているかを解説した。今回の「栄養花火」によって、地域の環境を可視化したことは、個人や自治体が現状を把握し、対策を講じるための大きな「気づき」になると評価した。

また、子供の頃に家族と食事をする頻度が高い地域や、家庭にいつも果物がある地域では、大人になってからの栄養リテラシーが高いという相関データも示された。武見教授は「家庭の食環境を整えることは、今日から始められる最初のアクションである」と述べ、五味助教は「意識を変えるのではなく、家の中に置くものを変える仕組み作りが重要である」とアドバイスした。
本発表会で公開された「栄養花火」特設サイトでは、誰もが自地域の栄養状況を確認でき、集計データもオープンデータとして活用可能となっている。







