三井ホームは、共働き世帯が近年増加の一途にあることに注目。週1回以上の在宅勤務をした374人を対象に「コロナ禍における“共働き夫婦”の働き方と住まいに関する意識・実態調査」を実施した。その結果、多数の人にとって「夫婦ともに在宅勤務」となることが想定外だったという事実やワークスペースに不満を持つ人が多いという実態が明らかになった。
同調査では、在宅勤務の「想定の有無」について質問。「夫婦ともに在宅勤務/テレワークになることを想定していた」と回答した人は29.7%に留まり、約7割の人にとって「複数人の在宅勤務」は想定外の事態であったことがわかった。
また、家庭内でのテレワークについては、ひとりよりも「複数人の在宅勤務」経験者の方が家のワークスペースの場所(数)に関する不満が大きいという結果に。コロナ禍を経て望まれる“憧れのワークスペース”は「集中できる」「仕事と家事を両立しやすい配置」「防音効果が高い」「おしゃれなインテリア」など、ニーズが多様化している。
自由回答で家庭内ワークスペースの具体的な不満について尋ねると、回答者からは「生活音が気になる」(50代女性)、「2人で在宅になるとスペースがない」(50代女性)といった意見が挙がった。
「住宅の購入意欲」に関して質問すると、在宅勤務をきっかけに4割以上(44.4%)が「住宅・リフォームを検討、もしくは購入したい」と回答するという結果に。「複数人の在宅勤務」経験者ほどその意向は強く、5割を超える結果(53.2%)となった。
「戸建て購入検討」は、複数人在宅勤務経験者の方が、ひとり在宅勤務経験者と比較して高い数値に。「複数人の在宅勤務」経験者は戸建て購入の「検討をした/している」(41.8%)の割合が高く、ひとり在宅勤務経験者(26.7%)と比べ、15ポイント以上の差がついた。テレワークの増加が「マイホーム志向」を促進したといえそうだ。
コロナ禍を経て「これから自分の憧れの家をつくるとしたら、以前と比べてどの条件を重視しますか」」と質問すると、「家族それぞれの部屋がある」「ワークスペースがある」「LDKに限らずに色々な居場所がある」といった空間に関わる項目が上位に。「遮音性の高い部屋」「空調環境が良い」など家の環境に関わる項目にも支持が集まった。
この結果を受けて、同社は「コロナ禍を経て在宅勤務の希望は高まり、それに合わせて、自宅で仕事をしやすい個室やワークスペースがあることを理想とする人は増加傾向にあるようです」と分析。さらに「同時に、在宅勤務によって、家族とのコミュニケーションが増えたと実感している人も多く、今後は仕事と家庭内コミュニケーションの両立を前提とした住み心地の良さを追求した住宅を望む声がますます高まることが想定されます」とまとめている。