アンチエイジングの秘訣は“脂肪”にあり。増える男性美容整形の現場に潜入レポート

2021/08/11
マガジンサミット編集部

美容整形を希望する男性が増えているそうです。

リモート会議などをきっかけに自身の顔を客観的に見る機会が増えた、!SNSなどに加工写真をアップするようになり素顔とのギャップに違和感を覚える、気軽にネットで情報が集められるようなったなど、様々な理由から美容整形は女性のみならず男性にとっても身近な存在になりつつあるようです。

美容整形を施すことで、就職活動やビジネス活動が有利になるとも言われており、東京と大阪に美容整形外科を構える「グローバルビューティークリニック」の杉崎裕斗統括院長は「顔のイメージひとつで生涯年収が1憶円くらい変わるのではないか」と話します。

杉崎院長によると、クリニックに訪れる男性患者数は5~6年前にくらべ倍に増え、主に20代~30代は脱毛や肌質改善など、40代以上はアンチエイジングなどのニーズが高く、なかでも会社をしょって立つミドル世代の経営者らの依頼が多いそうです。

今回は、実際に「グローバルビューティークリニック」で「目の下のくま(たるみ)」の除去手術を受ける50代ビジネスマンの、カウンセリングから術中、アフターケアまでに密着し、男性美容整形の最前線を取材しました。

写真)取材を受けていただいた宮本さん。「グローバルビューティークリニック」東京院のエントランスにて。

男性は目の大きさより清潔感やスッキリ感

取材する宮本さん(54歳)は、大手メーカーから独立し個人事務所を構えるビズネスマンですが、40代の頃から目の下のくま(たるみ)がひどくなり、疲れて見えるのが悩みでした。

宮本「最近、「事務所、大丈夫?」とお得意先に聞かれて、冗談じゃないと。よほど深刻な悩みを抱えている表情に見えたのでしょうか、僕の“くま”のせいで会社のイメージまで悪くなるのは困りますから、スッキリさせようと思いました」

折しも先日、雨上がり決死隊の宮迫博之さんが、目の下のくまの除去手術を行ったとYouTubeチャンネルで報告をしたばかり。宮迫さんのトレードマークだった“くま”ですが、年齢とともに「悪いクスリでもやってるの?」と周りから心配されるほど悪目立ちしはじめ、悩んだ末に美容整形手術を受けることにしたそうです。

目の下のくまは、色素沈着もしくは筋肉や血管が透けて見えるケースと、下瞼の皮膚がたるみ、影をつくるケースの2種類があります。後者の症状の方が圧倒的に多く、宮本さんと宮迫さんの“くま”も、眼球自体の重みで押し出された眼窩脂肪(がんかしぼう)が目袋の膨らみとなってあらわれたものです。

2人とも生まれつき眼窩脂肪量が多く、若いうちは眼窩隔膜(がんかかくまく)のハリが強く、眼球と脂肪の押し出す力に対抗していますが、加齢とともにハリが弱くなると押さえつけていられずに、脂肪ごとたるんでしまったと考えられます。

今回、宮本さんは下瞼の内側から脂肪にアプローチする術式を選択。眼窩脂肪を除去した後、たるんでしまった眼窩隔膜を張り直し、そこに自身の太ももから採取した皮下脂肪を入れなおすという「下眼瞼脱脂」と「ナノCRF注入術」を組み合わせた手術を行います。

結膜側から脂肪を取り除くため傷が残らず、腫れや内出血も数日程度と極めて短くすむ他、純度の極めて高い脂肪細胞を注入するため脂肪が定着しやすく、ダウンタイムが短くすむなどの特徴がある術式だそうです。

くま(たるみ)除去手術開始へ

担当医師からの術前カウンセリングを受けた後、着替えてオペ室へ移動。手術自体は1時間30分程度で、静脈麻酔後、太ももから皮下脂肪を採取します。取り出した皮下脂肪は血液などの不純物を遠心濾過で除去した後、さらに粒子が細かい高純度脂肪細胞を抽出します。

写真)杉崎院長らのカウンセリングや説明を受けた後、オペ室へ。
写真)脂肪の採取量は100㏄ほど。フィルターにかけられて最終的には10~20㏄まで濃縮される。
写真)麻酔から覚めた宮本さん、自身の顔を確認。

近年、進化がめざましい脂肪注入

さて、こうした目の下のくま(たるみ)除去のような繊細な手術が手軽に施せるようになったのは、脂肪注入の発展と技術進化によるところが大きいそうです。

杉崎「脂肪注入の歴史は長く1980年代には実用化されていましたが、初期は採取した脂肪をそのまま入れていたため、そのほとんどが不純物で定着しませんでした。それが8年ほど前に、非常に細かく脂肪を粉砕する機器が誕生し、純度の高い脂肪が抽出できるようになりました。現在は、昨年登場した最新鋭の「ナノCRF」により、限りなく不純物がゼロに近い脂肪細胞を注入できるまでに進化しています」

写真)太ももから採取した脂肪を遠心分離機にかけ不純物を除去した後、さらに数種類のフィルターを通し何度も丁寧にこして「ナノCRF」が抽出される。

杉崎「濃縮しただけの粒子が荒い脂肪では、18G(ゲージ)という太い針の注射器で注入する必要があるため繊細な手術には不向きでした。しかし、脂肪をジェル状になるまでこした「ナノCRF」が誕生したおかげで、細い針で注入してなめらかに仕上げることができます。いちど手術をすれば半永久的に保たれること、自分の脂肪を注入するためアレルギー反応が少ないこと、違和感がなく自然な表情がつくれることなど、ヒアルロン酸では難しかったことが叶うようになります」

ただし、脂肪はいちど入れてしまうと修正が難しいため、腕の良い信頼できるドクターに任せられるか否かがカギとなるのかも知れません。

腕と想像力が必要なのが整形外科医

もともと心臓血管外科医からキャリアを出発させた杉崎院長ですが、ある日、レーシック手術を受け、視力が1日で劇的に回復するという体験を通して人生観が変わります。

杉崎「悩みを抱えている人の人生を、一瞬で良い方向へ変えられる美容外科医になりといと思いました。それに、美容外科は医者が医者を評価するのではなく、患者様が医者を評価する世界。臨床技術を極めたいと思う僕が目指す場所だと感じたんですね」

そんな杉崎院長が、もっとも大切にしているのが念入りなカウンセリングです。患者様と徹底的に話しあい、納得してもらったうえで手術を行います。

杉崎「美容整形は、医者と患者様の目指すゴールが一致しなければ、失敗やトラブルにつながります。美に対する基準は人それぞれで感覚的なものですから、どうしたら患者様の希望に近く、より正しい整形が施せるか、理論的に美醜を説明できるセンスや想像力が必要なんです」

写真)「グローバルビューティークリニック」杉崎裕斗統括院長。

術後は“意外”の連続?

さて、手術を終えた宮本さんは、1週間後に杉崎院長に術後の経過を診てもらいアフターケアを受けました。

写真)術後の経過を確かめるため、杉崎院長の診察を受ける。

宮本「術後、4日くらいは腫れていました。幸いコロナ禍で、誰とも会わずに自宅で仕事ができたので気持ち的には楽でしたね。術後は、気持ちがポジティブになったかな。とにかく人に会いたくなるんです。今はコロナ禍で我慢ですが、収束したら実現させたいプランが山ほどあります」

ちなみに、家族の反応は“ノーリアクション”だそうで、奥様は、手術の成功を喜んではくれたものの「新婚当時に戻ったみたい!」といったような反応は一切なく、宮本さんは「これが現実かも」と苦笑。そのかわり事務所のスタッフや仕事仲間の評判は良いそうです。

宮本「手術を受ける前まで気が付かなかったのですが、僕と同じように “目の下のくま(たるみ)”に悩む人は意外に多いようで、何人かに「もしかして受けた?」と聞かれました。普段から気にしているから僕の変化にも気が付くようで、冷やかしとかではなく、真剣に尋ねてくるので驚きました。隠すつもりはないので聞かれたら答えますが、自分から手術を受けたとは話さないです。ごく自然体でいるつもりです」

「もし、次回、美容整形を受けるならばシミ取りかな?」と宮本さん。あまり極端に様変わりしても違和感が生まれそうなので、今のところは現状で満足だそうです。

取材先協力:「グローバルビューティークリニック」東京院

場所:(東京院)東京都港区元麻布1丁目2−2 ヒルポイント元麻布1階

(大阪院)大阪市北区曽根崎新地1-4-20 桜橋IMビル 16F

時間:10:00~19:00 休日:水曜日 日曜日

詳細:https://global-beauty-clinic.com/

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