第三次雑貨ブームを牽引するフライング タイガー コペンハーゲンと日本の雑貨店史

2017/01/20
マガジンサミット編集部

今、巷は第三次雑貨ブームだといいます。つまり過去には第二次、第一次雑貨ブームがあった訳ですが、思い返すと、さまざまな形態の雑貨店やドラッグストアが誕生し、私たちの生活スタイルを牽引してきました。

 

日本の雑貨店の草分けは、1966年に銀座にオープンした日本初のアメリカンスタイルドラッグストア『ソニープラザ(Sony Plaza)』(現、プラザ(PLAZA))だとされています。まだ輸入制限が厳しく、今のように簡単に仕入れができなかった時代に、世界各地の商品を取り揃えたソニプラの新しさは、大衆の心を鷲づかみにしました。

 

日本の雑貨店ヒストリーで忘れてならないのは、1976年にDIYの流れをくみ誕生した『東急ハンズ』です。雑貨や日用品、パーティグッズなどを広いフロアに網羅し、作る楽しさや選ぶ楽しさを提案。そのコンセプトは『無印良品』『ロフト』などに引き継がれてゆきます。

 

第二次雑貨ブームは1990年代に展開しはじめた『Francfranc(フランフラン)』に代表される、ファッション性が高く、心地よいライフスタイルを提案する“オシャレ生活雑貨店”の台頭です。

 

アパレル的な要素を取り込んだ『ITS'DEMO (イッツデモ)』や、カフェを充実させた『Afternoon Tea(アフタヌーンティー)』(創業は1972年)などがブレイクする一方で、『ダイソー』や『キャンドゥ』などの、バブル崩壊後の徹底した低価格路線の雑貨も急成長を遂げます。

 

 

そして、これら“低価格”“オシャレ”というふたつのキーワードを内在し、北欧から上陸してきたのが『Flying Tiger Copenhagen(フライング タイガー コペンハーゲン)』や『IKEA(イケヤ)』などです。第三次雑貨ブームは、これら北欧組が牽引するカタチで今に続き、最近では“プチプライス雑貨”などと呼ばれているようです。

 

北欧系雑貨の代表、フライング タイガー コペンハーゲンは、1995年にデンマークで誕生し、現在、ヨーロッパを中心に世界30の国と地域749店舗を展開しています。その特徴はなんといっても、毎月、数百種類のアイテムが登場する商品の豊富さにあります。

 

北欧は、長い冬を過ごすため室内の生活を大切にし、気持ちが明るくなる色彩やデザインを好みます。また、ヨーロッパの辺境地であった北欧は、産業革命の影響をダイレクトに受けず、北欧雑貨が他とは違う個性を維持できた理由の一つだと考えられています。

 

※自然を感じさせる木目調のビンテージインテリア。ビビットな色彩が日本人の感性と馴染みやすく、どこかなつかしい北欧スタイル。

 

今や、雑貨店はショッピングセンターや百貨店、大型スーパーなどのテナント誘致も多く、アパレル、化粧品をしのぐ集客力とさえ言われ、商業施設における重要な売り場となっています。

 

※2月14日に新オープンする、埼玉県越谷市のイオンレイクタウンkazeの「Flying Tiger Copenhagenイオン レイクタウンストア Kazeストア」Kazeモールの利点を活かした小型のサテライト店舗。

 

雑貨店の楽しさは、広い店内を回遊し、選ぶ、見つける、といった出会いと発見にあります。しかし、最近は大型店舗だけでなく、店舗面積や営業時間において柔軟性を持たせた小型のサテライト店舗が人気です。憧れのブランド雑貨が、より身近な“我が街”で買えるのは嬉しいことですね。

 

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