スケート業界のなかに「スケートボードはスポーツではない」と言い切る人達もいます。そもそもスケートは競う物ではなく楽しむもの…など理由はいろいろあるのですが、平たく言うとスポーツになると“ダサいから”。ゆえにスケートボードのブランドはカッコ良くないと生き残れません。
そのため、アメリカでスケーターを中心に人気になった後、日本にその“カッコ良さ”だけが輸入されてきてブランドの本質を知らない人が多い気がします。
そんなブランド達を紹介するファッションとスケートボードの“スベらない関係”シリーズ。今回は“靴”とVANSを愛し創りあげてきたスケーター達に焦点を当てて紹介してみたいと思います。
ブランド設立50年。老舗スケートシューズブランド
VANS japan HP: http://www.vansjapan.com/history/
1966年にカリフォルニア州アナハイムにてポール・ヴァン・ドーレンとその仲間達がお店を設立した“VANS”。その名前の由来は「ヴァンとその仲間達」という意味があります。
1970年代にはスケートボーダー達の間で人気となり、世界初のスケート専用シューズを発売、数々のレジェンドスケーター達をサポートしていく靴となっていくのです。日本でも大人気のVANSですが、履いている人の9割はVANS所属のライダーを知らないと思います。
そこで!VANSを履くなら知っておきたいVANSを支えてきたレジェンドスケーターを紹介したいと思います。まずはスケート界の真の伝説と言われる、トニー・アルヴァから。
生ける伝説トニー・アルヴァ
サーフスタイルをスケートに取り入れた第一人者で、おそらく世界で一番長くVANSを履いている、まさにスケート界の生きる伝説です。
VANSの靴でよく“OFF THE WALL”というロゴを見かけませんか?
あのロゴの由来には「頭のおかしい奴・変な奴」という意味と、当時、レジェンドスケーターだったトニー・アルヴァが、プールからスケボーで飛出した時に「OFF THE WALL(おまえ今壁を飛出したぜ!)」と仲間が叫んだからだという説があるようです。
Tony Alva talks pool skating
革命家。ジェフ・ロウリー
90年代のVANS暗黒時代を脱出させた革命家「ジェフ・ロウリー」は、それまでのハイテクなスケートシューズが流行していた時に、あえてVANSの伝統的なモデルをスケート仕様にアップデートしたロウリーのシグネチャーシューズがリリースされ、スケートシューズのトレンドが一気に変わっていく事となります。
JENKEM - An Ode to Geoff Rowley
HALF CABのスティーブ・キャバレロ
スティーブ・キャバレロは、VANSのロングセラーシューズ『HALF CAB』の生みの親でもあり、スケーターなら誰もが聞いた事のあるトリック“キャバレリアル”は彼が発明したトリックというのはあまりにも有名です!
STEVE CABALLERO
他にも、日本人の血が流れるスケートコミュニティのロックスター、クリスチャン・ホソイ。アドレナリン爆発のスケートスタイルが魅力の“トニー・トゥルヒーヨ”。Mr破天荒“ダスティン・ドリン”などなど、レジェンドの宝石箱のVANS。
VANSの靴にはそうした歴史とクレイジーなレジェンド達の思いが、見えない力となって履く人のスケートライフをサポートしてくれているのかもしれません。
VANSのレジェンド達や歴史などがSLIDER vol 23で詳しく紹介されているのでVANSファンは是非是非チェックしてみて下さい!
< 取材・文 / 小嶋勝美 >