埼玉県蓮田市にあるロータス歯科・矯正歯科は、小児から高齢者まで幅広く診療を行っている。「削らない・抜かない治療」を理念とし、特に歯周病治療に力を入れている。導入しているブルーラジカル治療は、厚生労働省が認定する唯一の歯周病治療機による治療として注目を集めている。今回は、その先進的治療法を取り入れ、患者に寄り添う診療を続ける阿部院長に、取り組みや思いについて話を伺った。

歯周病治療を革新する「ブルーラジカル治療」
父と祖父が歯科医師だったこともあり、私も自然と歯科医師を志しました。勤務医を経て新宿で開業を経験し、平成16年に現在のロータス歯科・矯正歯科を開院しました。当初は同年代の患者さんが多かったのですが、今では子どもから高齢者まで幅広い層の方にご来院いただいています。特に子ども連れのご家族が安心して通えるよう、キッズスペースを設けるなど工夫を重ねてきました。
その中で私が力を入れているのが「ブルーラジカル治療」です。これは歯周病に対する新しいアプローチで、従来は抜歯しか選択肢がなかった症例でも歯を残せる可能性があります。実際にグラグラだった歯が固定されて普通に食事ができるようになった患者さんや、痛みが消えて硬いものも食べられるようになった患者さんもいらっしゃいます。治療後に「何でも食べられるようになった」と笑顔で話してくださる姿は、私にとって大きな励みです。
治療は初診時に検査を行い、後日に施術するのが基本ですが、ご希望があれば同日に行うことも可能です。施術自体は1本あたり5分ほどで、歯周ポケットを洗浄するだけのシンプルなものです。それでも施術中から出血や膿が止まるなど即効性があり、患者さんにとって負担が少ないのが特徴です。
私はこの治療法が、日本の歯周病治療の歴史を変える可能性を持っていると感じています。従来の方法に誇りを持つ歯科医師が簡単には受け入れられないことも理解していますが、最も大切なのは患者さんにとって楽で効果的な治療を提供することだと考えています。
患者さまもスタッフも笑顔で過ごせる歯科医院
開業当初はスタッフの入れ替わりが激しく、最終的に2人だけになった時期もありました。また、移転後には、私自身が脳梗塞で3週間入院する経験もあり、こうした出来事を通じて、クリニック運営の難しさを身をもって痛感しました。
しかし、困難な経験を重ねたことで、スタッフとどのように向き合うべきかを真剣に考えるようになりました。今では外部の事務長サービスやコンサルタントの力も借り、スタッフとのコミュニケーション改善に取り組んでいます。その結果、新卒の離職率は0%、産休・育休からの復帰率は100%を実現し、スタッフが安心して長く働ける環境を整えることができました。
また、スタッフから「院長に治療してほしい」と言ってもらえる機会も多くあります。その理由として、治療のスピードや技術力を評価してくれていると聞いています。私は、患者さまに安心して治療を受けていただくことと同じように、スタッフが笑顔で働けることも大切にしています。
これからも、スタッフと共にクリニックをより良い場所に育て、患者さまに寄り添った治療を届けていきたいと思っています。
「抜くしかない」と諦めていた歯も守れるかもしれない
私は、クリニックの全ての歯科衛生士に「ブルーラジカル認定資格」を取得してもらう計画を進めています。この資格は、経験を積んだ衛生士が受験できるもので、スタッフ全員が前向きに取り組んでくれています。みんなの向上心は、患者さまにより良い治療を届ける力になっています。
今後は、ブルーラジカル治療の機器を増やし、より多くの患者さまに対応できる体制を整えていく予定です。また、今後は国内だけではなく海外でもこの治療法が認知され、普及していくと予想しておりますし、販売業者さんも海外進出を目論んでいると聞いています。海外の歯科医師とも連携を進め、より多くの場所で患者さまに受けてもらえる治療環境をつくりたいと考えています。
そして、患者さまには、ぜひ「ブルーラジカル治療を導入している歯科医院で相談してほしい」と伝えたいです。私たちは、痛みや不安を抱える患者さまに寄り添い、できる限り歯を守る治療を行っています。この治療法によって、歯科衛生士たちも患者さまから感謝の言葉をいただき、日々の仕事に誇りを持っています。私たちと一緒に、諦めない治療を選んでいただけたらうれしいです。

企業名:医療法人一九会ロータス歯科・矯正歯科
肩書き:院長
氏名:阿部順一
HP:https://www.lotus-dental.net/