10月4日、キャッシュレス化を強く後押ししそうなサービスが始まった。ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社とクラウドキャスト株式会社、株式会社 Kyashが共同で進めるサービスで、VISAブランドの下で企業向けのプリペイドカードの普及を後押しし、現金精算やそれに伴う手間の削減を目指す構えだ。
今回、3社は、主に企業に向けたプリペイドカードである「Staple(ステイプル)カード」を立ち上げ、発行に向けて踏み出した。発表によれば、「Stapleカード」は欧米でも拡大している経費精算サービスと一体化したプリペイドカードで、VISAの加盟店で使用できという。
同カードに使用範囲について、クラウドキャストの藤縄智春取締役副社長は「法人のみなさんが使うにあたって不便がない利用範囲、クレジットカードとほぼ変わらない利用範囲」と話し、通常のVISAクレジットカードと変わらない使い方を出来ると解説した。
また、クラウドキャストの星川高志代表取締役は、企業のキャッシュレスの課題について、「中小企業やスタートアップでははコーポレートカードのハードルがあるほか、経営者ら役員だけが法人カードを持っていた」と状況を解説した。
ほかにも星川社長によれば、大手や中堅企業でもコーポレートカードの認知率そのものは高く、与信面でも問題はないものの、導入率は低く留まっているという。さらに、働き方改革の側面からも、法人向けプリペイドカードには機会が見込めるという。会見内容によれば、通常は従業員がいったん立て替えて支払いをし、後に精算している一方で、もちろん多くの作業も伴っている。
ただ、キャッシュレス化を推進することで、立て替え精算時の銀行への振込の手数料や、データ入力や申請といった手間、同様に仮払い/払い戻しといったプロセスを削減する効果もあるという。
星川社長は、「会社と従業員とのお金のやり取りが非効率で、現金と紙での行われている。特に経費精算ではの立替、データの入力、レシートの糊付けしなければならない一方で、企業側も払い戻しや仮払い、紙での書類保存をしなければならない」と指摘した。
会場にはほかにも、ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社のクラーク保坂由美ジャパンプロダクト本部長 らが出席した。同本部長は、日本でまだ法人向けプリペイドカードの普及が進んでいない理由について「法制度が原因の一つ」と指摘。
「アメリカの10年前の形に今はなっている。だからこそ今の段階でカードを作っておき、ベネフィットが知られてくるとのであればベネフィットは大きい」と同本部長は話しており、今後、キャッシュレスがビジネスの現場でどれだけ拡大するかも注目だ。