IDECが「プッシュイン接続方式」を搭載した各種製品を販売、ワイドミュラー社との戦略的なパートナーシップ契約締結で主力事業を強化

2019/03/20
マガジンサミット編集部

制御用操作スイッチのトップメーカー・IDECは、電線の配線工程においてワンタッチでの取り付けが可能で、省工数・省スペース・耐振動を実現する「プッシュイン接続方式」を搭載した各種製品の販売を2019年7月より開始すると発表した。また、同社は世界トップクラスのシェアを持つ端子台メーカーのワイドミュラー社と3月に戦略的なパートナーシップ契約を締結し、制御盤の新しい進化を実現することで主力事業のさらなる強化を図る。

「プッシュイン接続方式」を搭載した製品発売の狙い

近年、産業現場における労働人口や熟練工の減少、生産設備の高機能化の推進などから、小形化・省スペース、配線工数削減、保守効率化を実現する製品の需要が高まっている。機械や生産ラインを制御・操作するための電気機器を収めた「制御盤」に使用される制御用操作スイッチや端子台などにおいて、日本では、ねじを使った配線方式が主流。だが、増し締めなどの手間と時間を要し、安全面においても感電などの危険性があり、今後は「プッシュイン接続方式」の需要が伸びると考えられている。

「プッシュイン接続方式」は欧州を中心に普及が進んでおり、工具を使用せずに指先で差し込むだけで簡単に配線できることから効率的な作業が可能となる。さらに、振動による緩みもないため耐振動性にも優れ、製品配送や長期使用による増し締めが不要となることから、今後普及が加速していくものと推測される。

このような背景から、同社は「プッシュイン接続方式」を採用した製品ラインアップをグローバルに拡充することで「生産現場の利便性・安全性の向上や制御装置の合理化など、さまざまな現場の革新を実現します」と狙いを明かしている。

プッシュイン接続方式を採用した製品の主な特長

省配線・省工数:ねじ配線方式より配線工数を約55%短縮

省スペース:ねじ配線方式より約50%のスペースを削減(※Klippon®端子台の場合)

ワイドミュラー社とのパートナーシップ契約

左:IDEC社 舩木 俊之  代表取締役会長 兼 社長 
右:ワイドミュラー社 ホセ カルロス アルバレツ トバル  チーフ マーケティング 兼 セールス オフィサー

1948年にドイツで創業したワイドミュラー社は、世界で初めて工業用端子台を発売した端子台のリーディングカンパニーとして知られ、世界80ヵ国以上で産業用の電気的接続機器とエレクトロニクス製品の開発・生産・販売事業を展開している。

IDECは今回締結したパートナーシップ契約により、ワイドミュラー社のDINレール端子台の日本独占販売を予定。それとともに、プッシュインにおけるワイドミュラー社の高い技術を活かした各種製品の開発や、技術交流による共同開発なども含めた戦略的パートナーシップを推進していく。

グローバルに事業展開を行うIDECとワイドミュラー社の互いの強みを最大限に活かした提携関係を構築することで、工作機械や半導体製造装置、自動車といった多様な業界の顧客にトータルソリューションを提供し、制御盤の新しい進化を実現するとともに、グローバルシェアのさらなる拡大を目指す。

IDECは、7月よりワイドミュラー社のKlippon®端子台の日本独占発売、プッシュイン接続方式のプログラマブルコントローラFC6A形、プッシュイン接続方式のφ22(HWシリーズ)スイッチ発売といったスケジュールを予定。

以後も、プッシュイン接続方式のリレー(RU形/RJ形)、プッシュイン接続方式の安全リレーモジュールHS5S-C2形、プッシュイン接続方式のφ22(CWシリーズ)スイッチなどの販売を予定している。

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