歯医者さんに行くとよく絵本が置いてあることがあります。来院する子供向けだとは思いますが、なかでもよく見かける絵本が、絵本界の巨匠、五味太郎様の「わにさんどきっ はいしゃさんどきっ」でございます。
こちらの作品、数ある歯に関連する絵本の中で一番、大人からの人気が高い絵本でございます。どこが大人向きかと言うと、とにかくストーリーの構成が素晴らしいのでございます。「世にも奇妙な物語」的な物語の設定とオチの秀逸さがお楽しみ頂けるはずでございます。歯医者でなくても、書店、図書館にも置いてございます。読まれたことのない方、是非一度ご体験くださいませ。
で、本題でございます。
歯医者は子供向けに絵本を用意しているのですが、美容室が用意するとしたらどんな絵本がいいのか?もちろん、ターゲットは子供ではございません。最近、「大人絵本」ブームと言われており、絵本の人気が感度の高い女性の間で急上昇中です。そんななか、美容室でも絵本を置いてみてはいかがでしょうか…というご提案でございます。
とはいえ、美容室のお客さんにハマるそんなマニアックな絵本があるのか?ございます!実は、美容室にもってこいというか美容室に置くことを目的に作られたのではないかと思える絵本があるのでございます。その絵本とは…
「なぜカツラは大きくなったのか? 髪型の歴史えほん」(文:キャスリーン・クルル 絵:ピーター・マローン 訳:宮坂 宏美)
アメリカの翻訳絵本でございます。オシャレのアートブックでございます。日本語版には、「小学校高学年~」と書かれておりますが、たぶん大人がハマると思います。なぜなら本の内容が、以下のようになっているからでございます。
まず、ストーリーはございません。出版社の紹介文には、こう書かれております。「金髪は、いつどこで生まれた?マヤ人の頭の美とは?最古のハゲの治療薬とは?そして、なぜ、カツラは大きくなったのか・・・?髪にまつわる不思議に迫るユニークな文化人類学絵本」。
そう、髪にまつわるあらゆる雑学・歴史が素敵な絵(イラスト)と共に紹介されているのでございます。「トリビアの泉」や「雑学王」レベルのお話が満載でございます。
アメリカの黒人系女性ボーカル・グループ「ザ・スプリームス」の髪型が学校で禁止になった話、ビートルズの髪型の話から、ドライヤー誕生の話。ドライヤーも当時は1時間位かかったとか。1500年代、イタリア・ヴェネツィアでのカラーリングの歴史。さらに、日本の「ちょんまげ」(髪型)も「サムライの習慣」という項目でご紹介頂いております。それだけではございません。最古のハゲ治療薬の話、古代ローマのハゲ治療薬のお話も登場いたします。
ちなみに、文を担当されたのは、キャスリーン・クルル様。ノンフィクションを中心に活躍するアメリカの児童書作家で、ワシントンポスト児童書協会ノンフィクション賞など、これまでに数多くの賞を受賞されております。
そして絵は、ピーター・マローン様。クラシカルな作風で知られるイギリスのイラストレーターでございます。雑誌や児童書で活躍されており、カーネギー賞作家ケビン・クロスリー・ホランド様の絵本「ベツレヘムまで何マイル?」の挿絵画家としても有名でございます。
こちらの記事をお読みの美容師の方、是非、ご検討くださいませ。また、大人絵本に興味をお持ちの方は、こんな絵本もあるんだと是非一度ご体験くださいませ。ハマること、間違いナッシングでございます。
(文:N田N昌)