超絶テクニックの細密描写で人気を誇る、江戸時代の画家、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)を16日発売『美術手帖』で特集してます。東京都美術館で4月22日から始まる「若冲展」、代表作が一堂に揃う展覧会として注目を集めています。94年の特集「不思議! 若冲の細密描写」以来20年以上経ての特集、本号はいまだ謎多き伊藤若冲の人物像をひも解いていきます。
画家が語る若冲像
長らく忘れられた画家だった若冲を、「奇想の画家」「江戸のアヴァンギャルド」の名の元に再発見した辻氏が語ります。他にも、第153回直木賞候補ともなった小説『若冲』を著した小説家・澤田瞳子が、若冲が生まれ育った京都のゆかりの地から、その人物像を綴ります。「町衆」や「画僧」としての若冲、そして85年の人生の最期はどうだったのか。
マンガ『鬼灯と冷徹』で知られる江口夏実による若冲にまつわる描き下ろしマンガ、若冲と縁の深い相国寺の禅僧・有馬頼底が画家と禅の関係を語るインタビューも掲載。多様な視点を通して、「描くことしか頭にないエキセントリックな画家」というイメージを超えた、若冲の深い人間味が伝わるのではないでしょうか。