今年のセンター試験は、今季、最強の大寒波にみまわれ全国各地で波乱模様となった。愛知、京都、兵庫などをふくむ5府県12の試験場で、開始時間を一時間繰り下げるなど「過去10年間で最大の規模」といわれるほど大荒れの天候になった。
毎年、寒さがピークを迎える時期に大学受験の火蓋が切っておとされるわけだが、受験生をかかえる家庭では、実際どんなことに気を使っているのだろう。
全国、小学校4年生~高校3年生の子どもを持つ保護者を対象におこなった、個別指導の学習塾【明光義塾】の『子どもの体調管理に関するアンケート』によると、受験を控えた子供に気を使うこととして『食事・栄養』が51.8%と最も多く、次いで20.0%で『睡眠』、12.7%の『感染症・風邪予防対策』と続くそうだ。
アンケートからは、インフルエンザの予防や、体調を崩さないためにバランスのとれた食事など、日頃の生活環境に気を使う親の姿が見える。では、メンタル面はどうなのだろう? 特に、受験当日は送る側も、送られる側も独特の緊張感がありそうだ。【味の素(株)】の『受験当日の朝に関する意識調査』によると、当日の朝に声をかける難しさを感じる親は64%にもなるそうだ。
また、送られる側の受験生に『励ましをかけてほしいか?』という質問をすると「声をかけてほしいと思う」が56%、欲しくない人は44%となった。
さらに、『受験当日の朝に、親にしてもらいたいこと』という質問では、「いつも通りの朝食をつくってほしい」「「行ってらっしゃい!」と背中をおしてほしい」「寒いのでホッカイロや魔法瓶など温かいものを持たせて欲しい」という順に回答率が高い。
ゲン担ぎのために特別なメニューなどを出されるのは、かえってプレッシャーになるのか、普段通りの朝食を食べ試験に臨みたいたいと思うようだ。面白いのは次点の「「行ってらっしゃい!」と背中を押してほしい」という回答だ。
“普段通り”であって欲しいものの、それなりに気を使って欲しい。声はかけてもらいたい……という、受験生の心理が垣間見られるような気がする。
しかし、「頑張って!」や「落ち着いて!」といった励ましは逆効果。そっと、寄り添うような自然体の姿が“緊張”している受験生にはちょうどいいのかもしれない。特に食卓では、受験や勉強の話はせず“いつも通り”が大切のようだ。
さて、センター本試験は1月14日・15日に終わったが、受験生とその家族にとってはこれからが勝負。3月の桜が咲く季節まで約2か月間、最高のパフォーマンスができるように願うばかり。
かつて受験生だった筆者の“あのころ”を振り返ると、緊張のあまり食欲がなく、朝ご飯を食べずに出かけようとして、試験日にもかかわらず親と大喧嘩した記憶がよみがえる。それも今となっては良い想い出。(しかし、カップスープのCMに出てくるような、母親がいたら良かったのに……と、動画を再生しながら思ったりして)
【調査概要】
■表題: 受験当日の朝に関する意識調査
■調査主体: 味の素株式会社
■調査期間: 2017年1月6日(金)~2017年1月9日(月)
■調査方法: インターネットリサーチ
■調査対象: 全国の受験生50名、受験生の子を持つ親50名