高齢者ドライバーの7割以上が「自分の運転に自信アリ」交通事故の原因は過信?

2019/05/08
宮西 瀬名

東京・豊島区東池袋で旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(87)が運転する車が暴走し、自転車に乗っていた母子がはねられて死亡した事故が、1週間以上たった今でもニュース番組やSNSで連日話題になっています。さらに、21日には兵庫県神戸市でも市営バスが横断歩道に突っ込み、2人が死亡し6人が重軽傷を負った事故、運転手の男(64)が逮捕されるなど、この1週間で高齢者ドライバーによる交通事故が問題になっています。

ネット上では、「高齢者の免許返納を義務化しろ」という意見も少なくありません。ただ、車が運転できなくなれば生活を送れなくなってしまう地方在住の人もおり、慎重な議論が必要になります。

免許返納は80歳手前にする予定

このような悲劇を今後二度と起こさないために、様々な観点から検討するが今後求められますが、その中でも「高齢者の免許返納が推奨されているのに、なぜそれをしない人がいるのか?」を特に考える必要があります。そして、その疑問の答えは運転能力の過信が大きな要因になっているかもしれません。

東日本高速道路株式会社が65歳以上の高齢者ドライバー104人と高齢者ドライバーを親に持つ子ども世代312人を対象に、車の運転に関する意識調査を実施しました。その結果、高齢者ドライバーに「車の運転に自信はありますか?」と聞くと、76.0%が「自信がある」と回答しました。

https://prtimes.jp/my_m3/mypage/action.php?run=mypage&page=detail&company_id=38550&release_id=6

さらに、75歳以上の高齢者ドライバーに限れば「自信がある」(79.4%)という答えは、驚くべきことに全体平均よりも高くなります。歳を重ねるほど自信がなくなるどころか、むしろ自信がついていく傾向は非常に興味深いです。

また、「免許を返納しても良いと思う年齢」は平均79.1歳でした。80歳を分岐点と考える高齢者ドライバーが多いのか、想像以上に返納時期を引き伸ばしているようです。「運転には自信がある!」「80歳までは現役ドライバーでも十分通用するぞ!」といった自信の高さが、高齢者ドライバーによる交通事故を引き起こす原因になっているのかもしれません。

高齢者ドライバーは子どもの意見を全く聞いていない?

高齢者ドライバーが交通事故を起こした際、加害者へのバッシングだけでなく「なぜ免許返納を勧めなかったのか!?」と加害者家族にも飛び火するケースは少なくないです。ただ、加害者家族は免許返納を推奨することを怠っていたとは限りません。

高齢者ドライバーを親に持つ子ども世代に「親に運転が危ないと伝えたか」と質問すると、8割が「伝えた」(80.0%)と回答。ただ、「子どもから運転が危ないと言われたことがある」と答えた高齢者ドライバーは24.0%に留まりました。

8割の子どもは「運転危ないよ」と言っているのに、そんなこと言われた記憶はないと言う高齢者ドライバーは4人中1人もおり、子どもの注意喚起は親にあまり届いていないようです。親が子どもの話しを聞き流している側面もありますが、顔と顔を見合わせて「昔よりも運転下手になってるよ」とキチンと話す“伝え方”も大切になってくるでしょう。

「運転に自信があるから免許返納なんてする必要はない」と考えている高齢者ドライバーは多いですが、若い人でもそのように考えている人は少なくないでしょう。「免許返納の年齢制限を設置する」という議論だけではなく、ドライバーの運転の自信についてもチェックする制度の検討が求められます。

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宮西 瀬名

フリーライターです。ジェンダーや働き方、育児などの記事を主に執筆しています。“共感”ではなく“納得”につながるような記事の執筆を目指し、精進の毎日です…。 虐待速報 Twitter:宮西瀬名

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