新型コロナウイルスの影響で外出を自粛する生活が始まってもうすぐ一ヶ月近くが経とうとしています。中には今までと違う生活スタイルにストレスを感じている人も多いのではないでしょうか。
ストレスを感じる生活というのは健康にも悪影響を及ぼしてしまいます。この度、帝京平成大学教授 松井輝明先生は、外出を自粛する生活を送る現在の状況は、自分では気付かぬうちに便秘になってしまう「巣ごもり便秘」の危険性があると指摘しました。
外出自粛による「巣ごもり便秘」
運動不足は便秘の原因の一つ。体を動かさない時間が長く続けば、大腸も動かず便秘になり、有害菌が作り出す毒素が大腸内に増えてしまいます。なかなか家から出られない「巣ごもり」状態が続けば、運動不足やストレスにより、いつもよりも便秘が起こりやすくなってしまうのです。
また、毎日便が出ていても実は便秘という可能性も。「慢性便秘症診療ガイドライン」によると、便秘とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」のことで、便を出していても残便感があれば便秘とみなされるため、知らない間に「巣ごもり便秘」になっていることもあるのです。
便が排出されないと「腸内細菌」の中の悪玉菌が作り出す毒素が腸管に悪影響を及ぼします。便秘は体内に毒素が溜まっている証拠で「大腸劣化」のサイン。便秘をそのままにしていると、全身に様々な悪影響が出るようになり、やがて大腸ガンなどの深刻な病気を引き起こしてしまいます。
巣ごもり便秘対策のための大腸ケア
外出自粛生活が「巣ごもり便秘」を引き起こしやすいという事ですが、どのようにすれば「巣ごもり便秘」を回避することができるのでしょうか。
「巣ごもり便秘」を防ぐためには大腸をケアする必要があります。その方法の一つは善玉菌とエサを継続的に摂取するということです。ヨーグルトや漬物、納豆などの発酵食品を取り入れることが効果的。ヨーグルトはビフィズス菌入りヨーグルトがおすすめです。
食事として摂った善玉菌は、ほとんどが定着せず便と一緒に体外へ排泄されてしまうため、継続的に摂取することが重要。また、大腸に住むビフィズス菌などの善玉菌がエサとして好む水溶性食物繊維・オリゴ糖・ラクチュロースなどを積極的に摂るとより効果的です。
その他にも、スクワットや腹筋運動、お腹を刺激する「の」の字マッサージや腹式呼吸など、運動の習慣化も大切。他にも規則的な生活サイクルを保つことや、自分なりのストレス対処法を見つけ、ストレスを解消することも大腸ケアには必要です。
外出自粛で自分でも気づかない間になっているかもしれない「巣ごもり便秘」。心当たりがある人も予防をしたい人も、体に大きな症状が出ないうちにしっかり対策を行っていきましょう。