熊本地方で頻発している余震。更なる強い揺れで家屋が倒壊する恐れがあるため、多くの被災者が屋内に戻れず車中泊を余儀なくされている。
避難所となっている熊本市中央区の西山中学校では開放されている体育館や教室に入らず、グラウンドや公園に自動車を並べ、過ごす様子がニュース(朝日新聞、他)で伝えられた。
時事通信によると、18日午前9時現在で600を超える避難所に約10万5000人が避難。道路が寸断されるなど交通事情が悪く、支援物資が十分に行き渡らない。このままだと、被害の少ない地域に避難することもままならず、長期にわたり車中泊を余儀なくされることも考えられる。
車中泊で、これだけは気をつけたいこと
車中泊においてミニバンやワンボックスカーなどならば、寝るための空間をある程度確保出来そうだ。しかし、軽自動車やセダンなど車内が狭め車種の場合、長時間滞在すれば最悪、エコノミークラス症候群になる可能性もあり、少しでも寝やすい工夫をしたいところだ。
例えば、自動車でのキャンプや旅行を過ごすための情報を掲載する“車中泊を楽しむ雑誌”『カーネル』(地球丸)では、様々なタイプの車で快適に車中泊ができる知恵を掲載している。
車中に176cmのスペースを作る方法
車内では座席を思い切り下げ、シートをリクライニングさせても“膝から下が座席から浮いてしまう”。それを避けるため、座席の上で丸く身体を縮こませ寝る人は多いだろう。しかしそれでは身体を理不尽に曲げるなどして辛い。
『カーネル』では、これを改善する方法として、布団を丸めたものでクッションを作り、ダッシュボードや運転台の下空間に入れ、足を置く台座を作ること推奨している。なるほど、これならば足を伸ばして寝られる。段ボールに布を巻いたようなものを差し込むなど、布団の他にも身近のもので代用が効きそうだ。
他にも、荷室が広がるタイプではクーラーボックスを縦に使い、車中の座席のない空間を埋めて枕部分にあてる工夫など、車種別就寝方法が紹介されている。
長期滞在するときの“臭い”問題
また車中で長時間滞在する課題として“臭い”の問題があることに気が付かつかされる。臭いの原因は主に3パターン。ゴミ・体臭・調理臭だという。
ゴミは社内に溜めず、屋根にラックを組んだり、バックドアに、キャリアをつけたりするのが有効としている。また、調理はなるべく外でし、シーツや衣類は臭いが移りやすいので、天気が良ければ日干しをし、車内の風通しを良くするなどの工夫をしてほしいとある。もちろん、これは平常時キャンプでの事例だから、被災地とは必ずしも同じにはできないが、参考になる点もあるのではないか?
トイレはどうする?車中泊のベストアイテム
『カーネル』の企画ページの一つ【車中泊アイテム研究所】では“女性用簡易トイレは本当に使いやすいのか“など、車で長期生活すると必要になるアイテムの情報にも詳しい。
ざっと25種類以上の簡易トイレ商品を比較し、女性用と男性用、そして”「大きいほう」がしたくなったらどうする“といったカテゴリー別に紹介。
10回分の処理剤を同封した600キロの体重に耐えられる排便用簡易トイレや、小さく収納でき持ち運びできる簡易トイレなどがズラリと並び、介護や防災に活用できそうなアイテムがこんなにもあるのかと驚かされる。
成人した人の一回の排尿は200ml~400mlといわれているが、大抵の簡易トイレ(排尿専用)は平均的に500CC分の容量しかないということも分かる。いざ!というときに、どのくらい簡易トイレを用意しなければならないか目安になりそうだ。
また、ウォシュレットが使えない、お風呂が使えない時のために最低限“大切な部分”の清潔が保てる【簡易シャワートイレ】の紹介も興味深い。
他にも効率よく銀マットを引く方法。盗難防止・斜光・断熱のベストアイテムなど、アウトドアを楽しむだけでなく、いざというときの知恵が詰まっている。