根尾昂・大谷翔平 そしてあの監督も!?読書家プロ野球選手が自分に活かす書籍

2018/12/04
マガジンサミット編集部

2018年プロ野球ドラフト会議で4球団競合の末、中日ドラゴンズが交渉権を獲得した大阪桐蔭高校の根尾昂(ねおあきら)選手。

投手としても打者としてもハイレベルで、なんと中学生の頃スキー選手として国体で優勝するほど根本的に運動能力が高いそうです。しかも両親がお医者さんで、自分も頭脳明晰で学力は常にトップクラス。まさに文武両道の鑑といえる人物です。

そんな根尾選手を特集したTVインタビューで、父から送られてくる毎月20冊の本を読む読書家であることが紹介され、その際、画面に写っていた書籍が話題になっています。その本の問い合わせが急に全国の書店で殺到しているとのこと。こんなスゴイ選手がどんな内容の本を読んでいるのか? その4冊がこれです。

【思考の整理学】外山滋比古・著

1983年刊行から226万部を売り上げるロングベストセラー。“東大・京大で一番読まれた本”というキャッチフレーズで今も部数を伸ばしています。

「学校の生徒は、先生と教科書にひっぱられて勉強をする。自学自習ということばこそあるけれども、独力で知識を得るのではない。いわばグライダーのようなものだ。自力では飛び上がることはできない。」

と、学校をグライダー人間の訓練所とし、エンジンが付いた飛行機人間は危険というふうに例え、人が“考える”ことについて、著者のさまざまな知見を整理して問題提起する一冊です

著者は、文学博士、評論家、エッセイスト。東京教育大学、お茶の水女子大学などで教鞭を執る方。「知識を詰め込むだけでは、考える力は養われない」というメッセージを送り、知識偏重型の勉強をしてきた東大や京大の学生をはじめ、ビジネスマンや主婦など広い年齢層の思考を養っていると言います。

【論語と算盤(そろばん)】渋沢栄一・著

1919年発行という古い本。著者は、幕末から明治・大正・昭和を生き抜いた起業家である渋沢栄一です。論語から人格形成を学び、資本主義の利益主義一辺倒にならず、バランスをとることが大切と解き

『「論語」とは、人間性、人格の磨き方、リーダーとしての「あり方」、人との付き合い方を学ぶものだ。そして「算盤」とは、科学技術を学び、会社で仕事をして価値を生み出し、国を豊かにすることだ』

と書いています。

読むと“結構当たり前のことが書いてある”と思いがちですが、よく読み込むと、「論語って何? それと算盤はどう関係するの?」といったことが分かってきて、物の見方や考え方の角度が変わってくるようになるとか。

根尾選手は、この他に・・・

【中南米野球はなぜ強いのか】中嶋大輔・著

【高校球児に伝えたい!ラテンアメリカ式メジャー直結練習法】阪長友仁・著

を読んだようです。野球関係の本は専門書とも言えるので技術面でも影響を与えているかもしれません。

一番ではなく唯一無二を目指すきっかけ?

米国・エンゼルスで活躍する大谷翔平選手も読書家です。本人が最も影響を受けた一冊と話しているのがコレ。

スティーブ・ジョブズ】ウォルター・アイザックソン・著

Apple創業者でビジネス界の異端児と呼ばれたスティーブ・ジョブズの自伝です。

本書に「人と違うことをやってきて、そこに至った時どうなるのか…。できるかできないかよりも、誰もやらないことをやってみたい」とあります。

大谷選手はジョブズに影響を受けたというインタビューで「自分にしか出来ないことが出来たら絶対に誰だって楽しいと思いますし、それがなおさら自分が好きなことだったら、それはすごく楽しいんじゃないかと思います。」と話しています。本の内容とリンクしますね。

その他、タイトルと著者だけご紹介すると…

【イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者】竹内一正・著

【富の福音】アンドリュー・カーネギー 著

【運命を拓く】中村天風 著

などがありました。気になった方は読んでみて下さい。

組織の監督として

北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督は読書家として有名で、自身でも野球に関する本をいくつも出版するほど。根尾選手で取り上げた『論語と算盤』も熟読していて、何人かの選手に薦めているそうです。また、ファイターズの選手寮には300冊ほどの本が置いてあり、若い選手たちに読書を促しているとか。

そんな中で、一冊ご紹介したい本があります。

【借金2000万円を抱えた僕にドSの宇宙さんが教えてくれた超うまくいく口ぐせ】小池浩・著

大借金を背負い人生絶望の危機に陥った男の目の前に、モヒカン頭でふわふわ浮いている変な物体“宇宙さん”が現れ、「願いをすべて叶えてやるから、覚悟しろ」「口ぐせを変えろ」とドS口調で怒鳴りつけます。男は人生を変える口ぐせを教わり、言われたことを日々繰り返すうちに奇跡が次々起きて行く…といった内容。

目次には

・「無理、できない」「やっぱりダメか」、宇宙へのマイナス「オーダー」をやめろ!
・すべてを紐づける「やった、これでかなったぞ!」をしつこく言え!
・「よっしゃ来た! タイムラグ!」と唱えれば「かなわないかも」に打ち勝てる!
・「奇跡の“ありがとう”口ぐせ」は1日500回言え!

~などがあります。

プロ野球選手なら、一流のスター選手より、二軍でくすぶっている選手に読んでほしい自己啓発本という気がします。

この本が面白いと薦める記事を数年前に見かけたのですが、愛読者は、阪神タイガースの矢野燿大(やのあきひろ)新監督です。矢野監督も読書家で、現役引退後は指導者としてためになるような本を沢山読んだとか。

【アドラー心理学】アルフレッド・アドラー 著

【夢を叶える象】水野敬也・著

矢野監督は阪神の二軍を率いていた今年、ファーム日本一に導いています。監督の立場から、組織をどう動かせば成功へ導けるか、本から読み解いているのかもしれません。2019年の阪神躍進を期待したいところです。

一流アスリートに読書家は多いといいます。読書を習慣にすると、集中力が付いたり、ストレスが解消できたり、想像力が付いて感受性が豊かになり、人の気持ちもわかるようになる、といったメリットがあり、それがパフォーマンス向上へ繋がるとされています。

もちろんアスリートじゃなくても、学校の勉強やビジネスにも役に立つことがあるでしょう。活字があなたを変えてくれるかもしれません。

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