【インタビュー】「MODECON」出場者を支える敏腕マネージャー・東 詩穂さん

2021/02/09
岸豊

2019年に初開催された、株式会社KIRINZが手掛ける日本最大級のモデルコンテスト「MODECON」を知っていますか?一般視聴者によるWeb投票、Twitter投稿のリツイート数、アプリでのライブ配信によって稼いだポイントの総点などによって、ファイナリスト、そしてグランプリが選出される形式のコンテストです。

一般視聴者が出場者と共に楽しむことができる「MODECON」の特徴は、コンテスト期間中に、出場者1人1人にマネージャーが付くこと。今回は「MODECON」出場者たちを支えてきた敏腕マネージャー・東 詩穂(あずま しほ)さんに、マネジメントのコツや、お仕事観などを聞くことができました。

――基本的なことなのですが、「MODECON」出場者に対して、どんなマネジメントをするのでしょうか?

東さん:エントリーが完了した出場者を担当することになったら、最初は挨拶の面談をします。本来は対面でやっていたんですけど、最近はリモートなので、テレビ電話でしていますね。最初はアイスブレイクも兼ねて、「どういう子なのか?」というところを見ていきます。どちらかと言うと、その子の本当の姿を見るために、どういう風に変化したかを見たいので、最初は私の自己紹介をして「普段はどういうことをしているの?」というところから始めます。

「MODECON」の審査が開始してからは、配信がメインになってくるので、配信についての細かい説明やレクチャーを、レクチャー担当、そしてマネージャーのどちらからも行います。一旦配信を試してもらって、それに対して、どういう不安や不満が生まれたのかを聞いて、その一つ一つを処理してあげるんです。配信をメインにやっているけれど、配信(視聴者数)が伸びない子に関しては、どうしてもやる気がなくなっちゃったり、落ち込んでしまうんですよね。そういう子に対しては、目標に合わせて配信の方法を変えてあげたりしています。

TwitterとWEB投票も審査項目に含まれるので、そちらで伸びそうな子は「Twitterはこうやって投稿してみようか」とか。「どこからファンの人が魅力を感じてくれるんだろう?」というところを、一緒に突き詰めていくようにしています。「三日に一回は連絡する」と決めているんですけど、スタイル的にはガチガチした感じじゃなく、仲良くいきたいタイプなんです。友達感覚とまではいかないですけど、厳しいところはもちろんあっても、仲良くしていきたいですね。そうやってマネジメントしています。堅苦しくはしていないですね。

 

――「どんな人ともすぐ打ち解けられること」が特技だとか。「MODECON」の出場者に限らず、人と接するうえで、具体的にどんなことを大切にしていますか?

東さん:人を嫌いになるということが、あまりないんですよ。かっこよく聞こえるけど、「いい所探し」をするのが好きなんです。あんまり合わない人って、やっぱりいると思うんですけど、「そういう人にも、一つは必ずリスペクトできるところがある」と考えるんです。「この人はこういう考えなんだ」と思うと、逆に面白くなって、「どんどん話してみたいなあ」という気持ちになっていきます。基本的にはハッピーでいたいので、相手にもそれが伝わるようにしています(笑)。

 

――「MODECON」では配信が重要だというお話がありましたが、配信をする上でのポイントは?

東さん:経験がないことに挑戦するときって、何でも一緒だと思うんですけど、自分を飾ってしまうというか。「可愛い自分をずっと見せたい」という気持ちが、誰にでもあると思うんです。でも「MODECON」は期間が3か月あるので、3か月間ずっと飾った自分でやっていくというのは、結構ハードなんですよね。(配信の数字が)伸びている子たちを統計的に見ても、「自分の素を見せている子の方が伸びているな」という印象があります。感謝の気持ちというか、「誰にでも親身に接する」というのはもちろんですけど、たまには砕けた自分の姿を見せた方が、疲れないし、楽なんじゃないかなと思いますね。

 

――東さんがこれまでマネージャーとして担当してきた出場者は700名ほど。そのうち何名もの出場者たちを、グランプリやファイナリストに導いてきました。今回のグランプリである沖野珠美さんを、予選から決勝まで直接マネジメントされていましたが、「MODECON」で勝ち上がっていく上で重要なポイントはありますか?

東さん:やっぱり一番は、時間を使うことですね。どうしても大事なことだと思っています。「その子にどれだけ努力する力があるか」ということも勿論あると思うんですけど、時間が少なくても、Twitterとか日々の配信で「この日はこの時間に絶対やるからね」とか、自分がいつ配信していくのかとかを、ちゃんと発して、それを有言実行できる子がいいのかなと思います。あと、独自の配信スタイルを持っている子は、やっぱり上の順位に行っているイメージがありますね。

最初は控え目だった子も、さっき言ったように、段々と砕けてくると、やっぱり素が見えてくるんです。それに対してファンの方が「ここ、めっちゃ面白いじゃん!」と言ってくれたら、それがその子にとってプラスになって、その子の特徴とかスタイルになっていくんです。そういう子は、グランプリになったり、上位で争うんじゃないかなと思います。

 

――「MODECON」で成功を収めることで、出場者にはどんな未来が開けてくるのでしょうか?

東さん:これだけやってみて思うのは、メインに配信があるので、トーク力は必ず上がりますね。最初に面談すると言ったんですけど、面談のときはすごく小さい声だったのが、ファイナリストに選ばれたタイミングでの面談では、別人のように変わっていたりするんですね。みんな口をそろえて言うのは「人と話すのが好きになった」とか「『明るくなった』って言われるようになった」ということです。

芸能界を目指している子とか、舞台を目指している子に関して言うと、コアなファンを付けるというのは、こういうコンテストに出ないと難しいなと思っています。2週間とかのコンテストでも、もちろんファンは付きますけど、やっぱり3か月間応援してくれたファンは、「ずっと応援し続けてくれるんだろうな」と思っています。例えば「女優になりたい」という子は、舞台にどれだけお客さんを呼べるかとなったときに、具体的に数を言えると思います。まとめると、人として成長できるんです。成長の道を作ってあげるコンテストかなと思いますね。

――最後の質問です。東さんにとって、マネージャー業とは?

東さん:「キラキラ輝かせたい」という思いですね。その子のどんな像でもいいんですけど、「思い描くところで、キラキラ輝かせてあげる」という思いがあります。どんなに落ち込んでも、落ち込む先にゴールはあるし、「そこでキラキラさせてあげられることは何だろう?」と全力で考えて寄り添っていくのが、マネジメントかなと思います。

3歳から18歳まで、クラシックバレエをやっていたんです。一応海外にも行ったりしていたんです。学生のときから、サークル活動の一環として「MODECON」シリーズに関わっていたので、「自分ができなくなったら、サポート側でもいいな」と思って。マネジメントをするのが楽しいから、「(出場者と)同じ意味でキラキラすればいいや」と思って。グランプリになった子でも、ファイナリストに選ばれた子でも、選ばれなかった子でも、その子がキラキラしていれば、自分も楽しいし、キラキラできるんです。

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この記事を書いた人

岸豊

フリーランスのライター/フォトグラファー。1991年生まれ。写真を撮ることが大好きです。Nikon D850、F6、F3を愛用しています。中判も大判も欲しい。 ホームページ→https://www.kyphotography.online/

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