いくつものビジネスを手掛けるJMD株式会社日本マネジメント開発研究所会長・清水三雄氏。自身の信条は「人生複々線化」

2020/11/13
マガジンサミット編集部

ビジネスを成功させるには独創的なアイデアが必要です。とは言っても、なかなか実用的なアイデア、それも複数のアイデアを生み出せる人はなかなかいません。今回はいくつものアイデアを生み出し、それを利益に繋げる凄腕の方を紹介します。

JMD株式会社日本マネジメント開発研究所・取締役会長 清水三雄さん

今回紹介するのは京都市下京区にある株式会社日本マネジメント開発研究所にて、取締役会長を務める清水三雄さん。清水さんは現在、プライベートジェットと都市郊外にある農地開発という異なるジャンルのビジネスを手掛け、成功させています。一体どのような経緯でこの二つのビジネスをやることになったのでしょうか。

ビジネスジェット事業

ビジネスジェット事業に清水さんが参入しようとしたきっかけは、ある意外な事件でした。

清水さん(以下、清水):「カルロス・ゴーンさんが海外逃亡したニュースを見て、ふと思ったのです。もちろん彼のような使い方はダメなのですが、忙しい経営者の中には空港で2時間待って検査や通関をする時間が惜しい人も多いのではないかと。また、コロナ禍では、移動する際に三密を避けたいというニーズもあるはず。その点、プライベートジェットを使えば目的地まで航空スタッフ以外には人との接触もないから、ゼロ密で行くことができる。まさに今がビジネスチャンスだと思いました」。

「私たちのサービスは個人が単発で利用するイメージとは少し異なります。20人程度の顧客で飛行機をシェアする、ジェットシェアリングのようなものです。ビジネスジェットを他社に比べて極端に安く利用できる仕組みを作りました。このビジネスでは、特に安全性の信用が成功の鍵を握ります。安全性の確保を最優先事項に掲げて、事業を展開しています」。

大手では1回のフライトで数百万円。一方で、清水さんが手掛けるサービスでは入会金が1000万円かかるものの、乗客定員6名のジェット機を1回30万円程度で利用可能。何度も利用する人にとってはこちらの方が費用を抑えられるというわけです。

また、清水さんはビジネスジェット事業参入前に、ヘリコプター事業にも参入。こちらの事業もビジネスジェット事業と同じく、あるニュースをきっかけに始まりました。

国際会議の誘致を目指していた京都市が、空港はおろかヘリポートも無い状況に悩んでいるという京都市長の記事を読んだ清水さん。京都市で初めての民間ヘリポートを作りあげます。そしてこの時のことについて、ある驚きの言葉が。

清水:「ヘリコプター事業を始めてみると、自分でも乗ってみたくなってしまってね。74歳から訓練を始めて、77歳で免許を取りました」。

ビジネスを成功させ、自身もヘリコプターの免許を取得した清水さん。74歳にしてこの行動力というのは驚きです。しかし、ここからまだ続きがありました。もう一つの事業である、工場や倉庫用地の注文開発事業にもこの免許が活かされることとなります。

事業用用地の注文開発事業

現在、自分の農地を売却できずにいる農家がたくさんおられます。その理由は、都市郊外にある生産緑地指定農地に、多額の相続税金とその延滞金が課せられている場合があるのです。仮に土地を売却したとしても、その売却代金を大きく超える税金が必要なため、売却できないのです。

清水:「私の印象では、国が設定している延滞利子は高すぎる。制度として、大きな欠陥がある。この問題を解決する手段をビジネスにしました。それが、事業用土地の注文開発です。まず、倉庫用地や工場用地などの事業用土地の購入希望者をヘリコプターに乗って頂き、一緒に空から見て回る。短時間で広範囲の地域を見て回れる。あの土地がいい、となったら所有者のところに話をしに行く」。

清水さんは納税猶予問題で売買が難しい土地を徹底的に調べ上げ、税金を安くするために税務署と交渉。売った後も農家にお金が残るようなプランを作り農家に喜んで頂く土地開発を行っています。 

人生複々線化

清水さんの発想力の凄さを示すエピソードとして、こんなものがあります。清水さんが大学1年生の頃、「市場のうなぎ屋から出る煙害に困る近隣」という新聞記事を読み、煙の出ない魚焼き器があれば、と考え、実際に開発。卒業と同時に起業し、その試作品を中央市場のうなぎ屋に提供したところ、実際に煙の出ない事を見た魚屋さんたちから注文が殺到したそうです。

また、「21世紀最初の日の出クルージング」を企画し、3カ月で100億円の売上をたたき出したプランを大手旅行会社に提案するなど、独創的で利益を出せるアイデアを常に生み出し続けています。

さまざまなビジネスを生み出し、手掛ける清水さんの信条は「人生複々線化」だそう。

清水:「人生は一度きりです。生活するために最低限のお金は必要ですが、仕事以外の趣味、ボランティア活動なども同時進行でやっていく。その中から新しい可能性が生まれてきますし、人生もより充実したものになるはずです。強い者が生き残るのではなく、変化に順応出来る者が生き残る、まさにそういう時代が到来していると思います」。

いくつものアイデアを生み出し、それをビジネスにまで昇華させ、利益を生み出す清水さん。多くの人が「こうなりたい」と考える憧れの人物像ではないでしょうか。ぜひ生き方、考え方を参考にさせてもらいたいです。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

マガジンサミット編集部
この記事を書いた人

マガジンサミット編集部

編集部のTwitterアカウントはこちら 【マガサミ編集部Twitter】 編集部のYoutubeアカウントはこちら 【マガサミYoutube】

マガジンサミット編集部が書いた記事

あなたへのおすすめ

カテゴリー記事一覧

pagetop