「相棒」の監督を務める近藤俊明氏が語る『人に飽きられない人間』とは

2016/12/13
放送作家 石橋アキ江

長い間ヒットし続けているドラマ「相棒」の監督を務める近藤氏は、今まで沢山の人間を見てきた中で「人に飽きられない人間にはある共通点がある」と話してくれました。そんな監督に、人に飽きられない人間の共通点とは一体何か? お聞きしてきました。

 

 

ワークショップで沢山の人間を見てきた中、興味を持つのは二つのタイプ。一つは、もともとその人が持ち合わせている天性の能力が高い者。これは、努力すればどうにかなるといことではありません。“顔が良い”や、“天然キャラ”と言われる「間の取り方」や「言葉の選び方」…これらは努力をしたからといって手に入りません。

 

しかし、もう一つ興味を持つタイプがあるのですが、それは、常に進化のある者。後者は、誰にでもなれる可能性があります。この常に進化を遂げる者は、常に新しい何かを差し出してくる人。そのため、人に飽きられることがないのです。努力次第で人に飽きられない人間になることは可能だということ。

 

では、実際にどんな努力をすればよいのか? 
それには3つのポイントがあります。

目線は角度を変えてみる

同じ角度から物事を見ている人に対して驚きはありません。常識とされていることを提示されたところで感情の動きに波は立ちませんから。気に留める、気にかけるという行動は、簡単なようで意外と世間の常識に流されてできないこと。そんな人は、印象が薄いどころか、印象がない場合もあります。

 

 

さからわない

印象を残さなくてはいけないと思うがあまりに、やりすぎてしまうことは『飽きられない人間になる』には、マイナスです。飽きられない人間と言うのは、もともと嫌われていない人間ですから、例えば、それぞれの物事においてのボーダーラインを越えれば、相手の中で違和感のある人間となり、飽きられないどころか、受け入れてもらえない人間になってしまいます。

 

取り返しがつく

人間には、生きていく中で正解がありませんが、その場の雰囲気に合わない行動をとってしまうこともあると思います。そんな時に、反射神経の良い人は、飽きられない人間なのです。「反射神経なんて、持って生まれたものでしょ」と思われるかもしれませんが、これは違います。

 

では、反射神経を良くする瞬時の対応とは何か? それは「準備をしておくこと」。あるシチュエーションにおいて、自分の中でいくつもの対応パターンを準備しておくのです。そうすれば、ダメでも次から次へと瞬時の対応が可能になります。これを常にしている人は、先を考えている人、つまり、はじめにお話しした常に進化を遂げている人間と言うことになります。

 

息の長い役者と言われる人は皆魅力的な人、つまり常に新しい何かを見せてくれたり、心地よい程度の毒や、とげを持っていたり、また、瞬時の反応力に長けていたりします。先に起こる状況にあった行動の選択幅を幾つも考える、ものの見方を今見ている角度とは違った角度からみるようにしている。

 

そんな自分の中にあるスイッチを見つけられるか、見つけられないかと言うことが、飽きられない人間となるためのポイントなんです。

 

ローマは一日にして成らずという言葉がありますが、魅力的な人間には、努力してなれるんですね。

 

近藤俊明監督
TVドラマ「相棒」をはじめ、月曜ゴールデン等、多数の演出を担当。「相棒」、「ミナミの帝王」で脚本も手がけている。現在はピープスエンターテイメントにてワークショップを行うなど、育成にも力を注いでいる。
http://peepsacademy.jp

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この記事を書いた人

放送作家 石橋アキ江

"テレビ番組、ラジオ番組の構成や脚本を執筆中。 中学校教員として十年以上の経験から、現場で悩みを抱える多くの人達に人生は楽しいものだと思ってもらえる作品を提供したいと日々模索中。参加作品「神秘に触れる夜」「ADVANCE EARTH」「携帯恋愛アプリMYNAME」など。"

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