今、本屋は書籍を買う場所から、書籍を楽しむ場所へと変化しています。本や雑誌との新しいライフスタイル、意外な場所で営業する書店、ニッチな専門書を扱うマニア垂涎の本屋などなど。マガジンサミットでは、休日に思わず行ってみたくなる!日本各地の“本屋さん”をシリーズでご紹介してゆきます。
第1回目は『五車堂書房』さん。その驚きの住所とは?
千代田区永田町一丁目七番一号…そう国会議事堂内にあるのです。国会議事堂には参院側個別棟という建物があり、その地下には洋品店、理容店など何軒かの商店が入っています。『五車堂書房』もその一つです。
お客様は国会議員や秘書が多く、普通のOLやサラリーマンは来ません。もともと『五車堂書房』は、神田神保町に店を構えていました。国会議事堂内に本屋さんがなかったころは、秘書がわざわざ神保町まで自転車を飛ばして、本を買いに来ていたそうです。そんな不便を解消しようと約50年前に国会議事堂内に出店されました。
政治家と「読書」
気になるのは政治家の先生達が一体どんな本を買っているのかということ。2011年11月号のSPA!(扶桑社)『意外な(局地的)ベストセラー本大調査』という特集で『五車堂書房』の売れ筋ランキングが掲載されていました。
- 1位:『官僚の責任』(古賀茂明/PHP新書)
- 2位:『決断できない日本』(ケビン・メア/文春新書)
- 3位:『原発を終わらせる』(石橋克彦/岩波新書)
- 4位:『世界を知る力 日本創生編』(寺島実郎/PHP新書)
- 5位:『消費税をどうするか』(小此木潔/岩波新書)
- 6位:『「通貨」を知れば世界が読める』(浜矩子/PHP新書)
- 7位:『政治とカネ』(海部俊樹/新潮新書)
- 8位:『日本の領土』(芹田健太郎/中公文庫)
「Iam NOT!ABE」の古賀さんが1位
1位は今年の3月にテレビ朝日の『報道ステーション』で生放送中に古館氏とバトルを繰り広げ、報道ステーション始まって以来の放送事故と話題になった古賀氏の著書があります。その際に古賀氏が掲げた「Iam NOT!ABE」は2015年の流行語大賞候補に選ばれています。
- 「官僚の責任」古賀茂明 PHP新書
ちなみに『官僚の責任』(2011年7月PHP新書)は、約29万部売れ2011年総合書籍ランキング19位(オリコン調べ)とベストセラーであり、本が発売された2011年当時は、海江田経済産業大臣から古賀氏への経産省退職勧告騒動などもあり、議員の先生方だけでなく世間も古賀氏の著書に興味があったようです。
議題を先読み。政治家よりも「政治」を考える
国会内にある本屋さんだけあって、衆院・参院で取り上げられる議題を先取りする書籍を揃えなければならないのは想像できます。政治家や官僚のゴシップも含め、世界一、日本の政治と未来を考えている本屋さんといえるのではないでしょうか。 国会議事堂ツアーなどに参加すれば一般の方も『五車堂書房』に立寄ることができます。興味のある方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょう。
http://blog.livedoor.jp/goshadoshobo_s/
archives/1027217624.html
【営業時間】 月曜から金曜の8:00~17:30
【定休日】 土曜・日曜・祝際日 年末年始