南米にある、南北に約4800km(北海道~沖縄間の約1.5倍)広がり、世界で一番細長い国として知られるチリ。南米の中でもチリは海産物が有名で、特にサーモンは2005年に世界のサケマス養殖生産量の31%を生産し、ノルウェーに次ぐ世界第2位ののサケマス養殖生産国となっています。
もちろん、日本にも多くのチリ産水産物が輸入されており、水産物輸入量全体では中国に次いで2位、サケマス類においては輸入品の67%がチリ産となっています。(水産省2011年)特に、年間を通してスーパーで買うことができる“銀鮭”はチリ産のものが多いそうです。
そんな、知らず知らずのうちに日本のみなさんも口にしているチリ産のシーフードを取り扱う、チリの首都・サンティアゴにあるメルカドセントラル(中央市場)をご紹介させていただきます。
地元民には大切な生活の一部、旅行客には楽しい観光スポット
(入口付近。現地人と思われるラフな格好の買い物客)
サンティアゴのカルイカント駅(Cal y Canto)から徒歩3分ほどのところにある“Mercado Central(メルカドセントラル)”。
ガイドブックにはもちろん、ホステルスタッフからもおススメされる定番の観光地となっています。観光としてだけではなく、街の人たちと話していても「魚を買うならあそこ!」という感じでおススメされることがあるなど、地元の人の買い物の場ともしてももちろん人気となっています。
(レストランスペースには多くの観光客)
4方向全てから場内に入ることが可能となっており、市場側の入り口から入ると、魚屋さんをちょっとキツくしたような、アメ横の地下食品街のような特有の匂いがするので苦手な人はレストラン側の入り口から入ることをおススメします。
ウニが1個150円!新鮮魚介がお手頃価格
チリでスーパーに行くと、パンもチーズも肉も野菜も、基本は食品のほとんどが量り売りです。このメルカドセントラルも例外でなく、基本的にすべてが量り売りとなっていました。生産量世界2位のサーモンももちろん並べられていて、価格は1キロ約980円という価格でした。
チリのサーモンといえば、生産過程の問題から「チリの人たちは自国のサーモンを食べない」というような記事を見かけましたが、現地で知り合った知人に聴いてみると「そんなことより高い」とのことでした。チリの家庭でご飯をご馳走になったときに出てくる家庭魚料理でサーモンを目にしたことはなく、メルルーサという白身魚が多いです。
このメルルーサという魚は加工された形で日本にも多く入っているので知らず知らずに食べている人も多いと思います。
(人気なのか品薄のウニ)
サーモンの次に私の目に留まったのがウニ。なんとウニは1個150円ほどで買うことができます。新鮮な魚介類がお手頃価格で買えるのは市場ならではの良さですが、旅行中に市場でサーモンやウニを買って、自ら調理をして食べよう!とはなかなかならないと思います。
そこで嬉しいのが同じ市場内にあるレストランスペースです。
市場内レストランは60店舗以上
(レトロで美しい内装に生演奏も)
メルカドセントラル内にある場内図を観てみると60店舗を超えるレストランが数字分けされていますが、実際に場内を歩いてみるとどの店もくっついていて、どこからどこが別の店舗か分かりにくい感じでした。それにしても、「似通った色を使った色分け図でわかりずらいなー(笑)」という印象を受けました。
レストランでは、チリを代表する魚介スープ「パイラ・マリーナ」や、魚介てんこもりのマリネ「セビーチェ」、これでもかと盛られた「生うに」などを頂くことができ、料理の価格も日本円にして600円~1000円くらいとリーズナブルです。市場特有のちょっとガヤガヤとした雰囲気の中、生演奏と生歌を披露しているミュージシャンもいたりと雰囲気もバッチリでした。
レストランスペースにはお土産屋さんもあり、市場でありながら1度に観光、料理、お土産、音楽まで楽しめるメルカドセントラル。日本とのつながりも深い、チリの賑やかな市場をご紹介させていただきました。