汚職・癒着・殺人…実事件が題材。法律さえも変えた!“告発”する韓国映画

2016/05/06
タキマスミ

韓国でおきた『オキシー・レキットベンキーザー社・加湿器事件』が話題になっています。

加湿器に入れた消毒剤が人体に有害と分りながら、5年以上も販売し続け、死傷者が1500人以上を超える近年の韓国で最悪の消費者被害事件となっています。


『家の中のセウォル号事件』とも言われ、企業と官僚の癒着も取り沙汰されている今回の事件。筆者は、この痛ましいニュースを見ながら“ある韓国映画”を思い出しました。

 

実際の事件を題材に撮られた映画で、公開後大反響を呼び、圧倒的な支持をうけたことがきっかけで国は事件を再検証。その事件に関わる法律さえも変えてしまった作品です。

そこで、今回はGW後半に自宅で、じっくりと観てほしい “実話がモチーフになった韓国映画”をご紹介いたします。

 

『チェイサー』

2008年に韓国で公開され、観客動員数が500万人を超えた大ヒット作。第61回カンヌ国際映画祭の特別招待作品です。

チェイサー ディレクターズ・エディション【初回限定生産2枚組】[DVD]。キム・ユンソク (出演), ハ・ジョンウ (出演), ナ・ホンジン (監督)

 

これは2004年に韓国国内で実際に起きた連続殺人事件がモチーフとなっているのですが、本当に超が付くほど怖いです。手に汗握るとはまさにこのこと。鑑賞している間、ずっと力みっぱなしです!でも、映画好きなら絶対に観てほしい渾身の一本。

 

あらずじ

デリヘルを経営する元刑事ジュンホ(キム・ユンソク)のところから女たちが相次いで失踪(しっそう)して、ときを同じくして街では連続猟奇殺人事件が発生する。ジュンホは女たちが残した携帯電話の番号から客の一人ヨンミン(ハ・ジョンウ)にたどり着く。ヨンミンはあっけなく逮捕されて自供するが、証拠不十分で再び街に放たれてしまい……。

 

韓国映画はロケーション選びが非常にうまいのですが、映画のタイトルにもなっている坂道と階段が多い狭い路地裏での“追走シーン”は圧巻!本当にこの映画の為にわざわざ作ったんじゃないかと思えるほどマッチした場所です。

 

迫真の演技と内容に戦慄を覚え、鑑賞後はぐったりとします。この映画を作った監督や俳優、スタッフの本気をその目で観て心底震えてください。

『トガニ 幼き瞳の告発』

ろうあ者福祉施設・光州インファ学校にて2000年から2005年にかけて行われた入所児童に対する性的虐待と施設の汚職を、地域ぐるみで隠蔽していたことを題材にした作品。

 

この映画の公開によって事件が再検証され、障碍者女性や13歳未満の児童への性的虐待の厳罰化。また公訴時効を廃止する法律、通称【トガニ法】制定がされることとなった、まさに“国を動かした映画”です。

 

あらすじ

カン・イノ(コン・ユ)は大学時代の恩師の紹介で、ソウルから郊外のムジンという町の聴覚障害者学校に美術教師として赴任する。着任早々彼は校長の弟の行政室長(チャン・ガン)に、教職を得た見返りとして大金を要求される。最初から学内の重苦しい雰囲気を奇妙に感じていたイノは、ある晩、帰宅しようとして子どもの悲鳴を聞きつける。

 

トガニ 幼き瞳の告発 (オリジナル・バージョン) [DVD]。コン・ユ (出演), チョン・ユミ (出演)

 

そして、実際に起こった事件をモチーフにし、国を動かし法律を変えたそのパワーはスゴイの一言!子どもたちの演技はもちろんですが、わきを固める全ての人の演技からこの事件を風化させてはいけないという本気がビシビシと伝わってきます。

実際に起きた事件と重い題材ではありますが、時間に余裕がある連休こそ、じっくり観ていただきたい内容です。

 

あらすじ出典:シネマトゥディ

DVD出典:amazon

 

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タキマスミ

放送作家。1976年生まれバラエティ番組や情報番組などを担当。 韓国映画・海外旅行・漫画など、個人的に興味のあることをご紹介できればと思います。

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