よく見るけど絶滅の危機?日本でもおなじみ意外な絶滅危惧種

2021/03/02
南城与右衛門

毎年、世界中の動植物がどのくらい絶滅しているかご存知ですか?

その数なんと4万種と言われています。

種が失われないように保護される動植物がリストアップされますが、それは日本にかかわるものも多く、中にはよく目にする意外な生き物も。今回は日本でもおなじみで身近な「絶滅が危惧されている動植物」を紹介したいと思います。

九州では絶滅したとされるツキノワグマ

日本には2種類の熊がおり北海道にはヒグマ、本州や四国にはツキノワグマが生息しています。胸の三日月のような斑紋が特徴的なツキノワグマですが、「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されています。四国では絶滅寸前で、生息しているのは30頭未満とみられ、現在保全活動が行われています。九州にいたっては50年以上前から生息が確認されていません。

高級キノコ「マツタケ」

秋の味覚でお馴染み高級キノコ「マツタケ」。毎シーズン食べる人も少なくないと思いますが、実は国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定されています。絶滅危惧の度合いは上から3番目の「危急」。マツタケは日本をはじめヨーロッパやロシアにも分布していますが、危惧されている原因は松林の減少。具体的には森林伐採や窒素過剰で育成環境が減っているためだそうです。

「危急」といえばすしや刺身として食べられるクロマグロも。さらに危急より一段階上の「危機」にはニホンウナギも指定されており、日本人が好んで食べる生き物たちも名前を連ねています。

藪のめんどくさいやつ「オナモミ」

子供の頃、藪で遊んでいると洋服にたくさんくっついてくる植物「オナモミ」。全国で見られ通称ひっつき虫やバカなどと呼ばれることもあるこのオナモミは、日本国内での生息状況で評価する環境省のレッドリストに入っており「絶滅危惧Ⅱ類」(絶滅の危機が増大している)に分類されています。減少している要因と考えられているのが外来種のオオオナモミの侵入。このオオオナモミとオナモミ、見た目がかなり似ているため素人目には判別は難しいそう。図鑑でさえオオオナモミの写真でオナモミと間違って紹介しているものもあるんだとか。

リアクション芸人のパートナーも……

バラエティー番組で罰ゲームが行われる時、登場する「タガメ」。これをゲテモノとしてイヤイヤ顔で食べる場面をよく見かけましたが、最近はその回数も減ったように思います。実はこのタガメ、絶滅の危機が増大している種のカテゴリーに分類されています。さらに2020年には販売目的の捕獲や売買も禁止されました。

この日本最大の水生昆虫タガメ、日本中に分布しますが水田の農薬散布やゴルフ場開発などで、すみかの水質が汚濁され個体が減少したと言われていいます。

ですがこの絶滅の危機は日本でのことなので、おそらく日本の罰ゲームで使われるタガメは輸入物と思われます。

そして芸人さんのパートナー「ザリガニ」も。ハサミを鼻に挟ませてリアクションを促すよき相方ですが、このザリガニも危機に。とはいえこのケースでのパートナーはおそらくアメリカザリガニ。絶滅の危機にあるのはニホンザリガニで北海道や東北の一部と狭い地域で分布。というのもアメリカザリガニなどの外来種にすみかを追われたためといいます。なんでもニホンザリガニは弱いんだそうです。

人間の手によって絶滅の危機に陥っている動植物たち。しかし逆に人間が手を貸し個体を増やしたというケースもあります。

ガラパゴス諸島エスパニョーラ島の大型のリクガメ「エスパニョーラゾウガメ」はかつて十数匹しかいないといわれていました。そこに1匹のオスガメ、「ディエゴ」が送りこまれたそうです。

彼は100歳を超えていましたが、まだまだたくましく繁殖を重ね、なんと800匹の子孫を作ったそうで、結局この島のカメは2000匹にまで膨れ上がったんだとか。

数十年かけ繁殖に貢献した絶倫亀ディエゴはその役目を全うし2020年、南米の無人島で余生を過ごしているそうです。

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"情報番組や誰も知らない深夜番組、ラジオなどを構成したり、ソーシャルゲームのシナリオを書いたりする、いわゆる駄放送作家。友達はPC、恋人は二次元、恩師はあらゆる漫画、といった充実した人生継続中"

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