やさしいバウムクーヘンでお馴染みの製菓会社、株式会社ユーハイムはこのほどバウムクーヘン焼成AIロボット「THEO(テオ)」をリリース。3月1日には、スタートセレモニーをオンライン開催しました。
「お菓子は世界を平和にする力がある」、「地球の裏側の子どもたちにお菓子を届けたい」。そんな想いから誕生したテオは、菓子職人の教師データを取り込んだAIロボです。
130cm130kgの愛らしいボディ。視力(カメラ)は、高速電装イメージセンサーが搭載されており、時折「笑う」「ウインクする」など豊かな表情も見せてくれます。電力は5.4kw。5秒で1,000℃に達し、バウムクーヘン1本を30分で焼き上げる能力を備えています。熟練の職人がテオを使用して10回程度焼けば焼き方を学習するという、世界初のAI菓子職人なのです。
東京駅と表参道でテオお披露目
テオを一般客向けにお披露目するイベント「EXPERIENCE THEO WORLD」は3月7日(日)まで開催中。場所は東京駅改札内地下1Fのグランスタ東京「スクエア ゼロ」と、表参道ミシャラク(東京都渋谷区神宮前6-2-9)です。
両会場ではテオの展示、バウムクーヘン焼成デモンストレーション、テオが焼いたバウムクーヘンの販売、アバターロボット「newme」を使った遠隔地からの店内閲覧とショッピング体験などを実施。最新技術を活用しコロナ禍にも対応した、全く新しいスイーツイベントとなっています。
アフターコロナの希望に
スタートセレモニーには株式会社ユーハイムの河本英雄代表取締役社長、グランスタ東京を運営する株式会社鉄道会館の平野邦彦代表取締役社長、アバターロボット「newme」を開発するavatarin株式会社の深堀昴代表取締役CEOが参加。昨今の状況やテオへの期待感を語り合いました。
「AIは何に使うべきかをテーマに、5年間の開発期間を経てテオは誕生した。原点は“世界中の人にバウムクーヘンを食べてもらおう”というシンプルな想いから。バウムクーヘンは菓子の中でも技術の頂点。AIは職人の一番弟子というコンセプトのもと、世界中にテオを広めていきたい」と河本社長。
一方、平野社長はイベントのメイン会場である「スクエア ゼロ」について「本来なら日本国内のみならず世界中から人が集まる場所」とし「常設的なイベントを通して新しい取り組みを発信する場所なので、テオデビューの地に相応しい」と述べました。
深堀CEOは「パンデミックで遠隔操作技術が注目されている中で、テオは人の作業を置き換えるのではなく、人の技術を拡張するという新しいロボティクスのアプローチ」と話しました。
3者が口を揃えたのはアフターコロナへの希望です。「テオの存在やお菓子の力が、飲食業界だけでなく世界中に明るい未来を提供してくれる」。そんな期待を抱かせてくれます。