復興へ向かう福島の畜産農家の“今”を追う動画「飯舘の牛と生きる。」が公開

2018/11/10
マガジンサミット編集部

東日本大震災から7年半。福島県は少しずつ復興への道のりを歩んできました。現在では多くの地域で避難指示が解除され、震災前の状態へ戻るために人々が努力を続けています。

今回、福島県は復興の様子を他県の人々にも知ってもらうため、福島の畜産農家の“今”を追うWeb限定ムービー「飯舘の牛と生きる。」を10月31日より、公式YouTubeチャンネルにて公開。福島県飯舘村で育つブランド牛「飯舘牛」を復活させようと奮闘する畜産農家の山田さんの想いと、前に進む姿を収めています。

復活を目指す畜産家

福島県飯舘村は、ブランド牛の「飯舘牛」で知られる畜産が盛んな場所。かつては村内で約2,400頭もの和牛を飼育していました。しかし原発事故により全村避難を余儀なくされ、多くの畜産農家が廃業する事となってしまいました。

そんな中、2017年に避難指示が解除されると、畜産農家の山田猛史(やまだたけし)さんは、震災によって“幻の牛”となってしまった「飯舘牛」の復活を目指し立ち上がります。

山田さんは飯舘村での畜産の安全性を検証すべく、県や専門機関と共同で牛の放牧実証試験を実施し、牧草・土壌・牛の血液の放射性セシウム濃度なども調査。これまでの放牧実証試験で、牛を安全に飼育できることを実証しました。

動画では復興のシンボルともなる「飯舘牛」の復活にかける山田さんの姿が映し出されています。

動画のストーリー

動画は飯舘村の全景を上空から映しているシーンからスタート。緑豊かな自然の風景が広がっています。「俺は避難する時から帰ってくるという考えで避難していたから」と語る山田さん。接し方からも牛たちへの愛が強いことが伝わってきます。

飯舘牛の復活を目指し、6頭を試験放牧。牧草・土壌・牛の血液の放射性セシウム濃度を調査し、安全に飼育できることを確認しました。

「みんなが戻るまでは牛の力を借りながら農地を守っていかないと」と語る山田さん。牛が牧草を食べてくれることにより、農地の管理がしやすくなるそうです。

現在は避難先である福島市で牛を飼育。いつの日か本当の意味での「飯館牛」を育てる為に牛たちを相手に日々奮闘しています。

山田さんの三男の豊さんも父親と同じく「飯舘牛」の復活を目指し、牛舎で共に働いています。

山田さんは「村内に牛舎ができて牛たちが他の放牧地にもいっぱい放された状況、それが夢。」と語ります。笑顔で夢を語った山田さんを見て、見ている方もぜひその夢を実現してほしいと応援したくなります。

「飯舘牛」復活にかける山田さんの想いを収めた動画「飯舘の牛と生きる。」。いかがだったでしょうか。最近では福島県関連のニュースも以前より少なくなり、現状を知らない人も多いのではないかと思います。この動画が福島県の復興を知るためのきっかけになればよいと思います。

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